古の冒険都市は観光地化の波に飲まれました 〜次は(俺・オレ・私・あたし・わたくし)のターン〜

杏仁霜

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mission 5 冒険者は 期間限定教師?

二時限目・ちょっとズレてる教師?

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Side-デュエル 2

  放課後を告げる鐘が鳴り響く。
  元気に挨拶して帰っていく子供たちを見送って、俺は軽く伸びをしながら窓の外を見下ろした。

 手を振り合い、無邪気に笑いながらそれぞれの家に帰って行く子供たち。
 絵に描いたような平和な風景。俺たち冒険者の出る幕などないかのようで、思わず苦笑いが漏れる。

 だが、夕日に黒々と浮かび上がる古い砦がもう一つの仕事を思い出させた。
「…明日はデュエルの番だったな」
 振り返るとラスファが教室の出入り口に立っていた。何か布袋を無造作に手にしている。確か入れ違いで明日はラスファが教師をやる予定だったな…。

「ああ。そっちのはどうだった?」
 俺の問いに、彼は短くため息をついた。
 「ある程度まで進んだが、ゴブリンを筆頭に雑魚の多さには閉口する。あとは扉と罠が多いエリアだったせいか、鍵開け担当のアーチが腱鞘炎を起こしかけていた」

 俺は苦笑しながら頷いた。
「しっかりとそういうエリアと計算してくれるんだから、ある意味有難いんだがな」
  ちなみにここの砦には古い地図が残っていたおかげで、必要な人員の割り振りも容易だったようだ。明日は大物が潜んでいそうな、比較的大きめな部屋に当たる予定らしい。ゆえに俺が割り当てられていたというわけだ。

「ええええ…ゴブリンが雑魚ですか?」
  いきなり廊下側から、呆れたような声が上がった。元からここの教師をしていた、チェスター先生だ。メガネをかけたニ十代半ばで気弱そうな印象。教師陣の中でも最も若い男性で、教材や資料を運ぶ間に立ち寄ったと見える。

「いや、雑魚だろ? 槍の一振りで片付くし」
  俺の答えに彼は苦笑いを浮かべた。
「いやいや、僕らにとっては十分な脅威ですよ? それも常に集団で来ますからね…」
  そういうものか? 確かに駆け出しを除いてゴブリンを脅威と言う冒険者は存在しないが…。

「皆さん、随分と経験を積んでるんですね。良かったら、冒険のお話しを聞かせてください」
  にこやかな好奇心には、どこからともなくひょいと入ってきたアーチがあっさりと答える。
「おう、そんなら明日のオレの授業聞きに来てくれよ。聞かせてやるぜぇ? 武勇伝ってやつをよ」
「本当ですか! それは絶対に聞きに行きますよ!」

 俺は無言でアーチを隅に引っ張った。
「余計な事は言うなよ?」
「大丈夫だって、詩神と知識神に誓ってヤベェ話ゃしねぇからよ!」
 
  …本当だろうな…?
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