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mission 5 冒険者は 期間限定教師?
楽しい報告の時間
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Side-デュエル 16
「帰ってきたのね?!」
宿に帰り着いた俺たちを待っていたのは、怒りの形相のアマゾネス・リンダだった。
ご丁寧にも赤地に黄色い隈取りという勇ましい戦化粧まで塗りたくってのお出迎えに、俺たちはもちろん周囲の観光客もドン引きで後ずさる。子供に至っては泣き出す始末。トラウマレベルだよなぁ。
「よ…よお。初めて見たぜ、オメーらの化粧してるとこ…似合うじゃねぇか…なあ?」
引きつりながらの笑みでギリギリの軽口を叩くアーチ。どうでもいいが同意を求めるのやめろ。
…まあ世間一般に期待されている化粧って…こんなんと違うよな…。
「お世辞は結構よ!」
いや褒め言葉にも分類されないと思うなコレ! だからそのカオ近づけないでくれ怖すぎる!
「アンタたち、あたし達が断られた仕事を請けたからって調子づかないでくれるかしら? …なんであたしらがダメでアンタらが歓迎されるのよ…?」
最後のひと言はぽそりとこぼされたところを見ると、要するに嫉妬か。だがビキニアーマーのままでお子様の教育とか無理じゃなかろうか? 根本的な原因、本人だけがわかってないのか…。
「店先で揉め事はやめな!」
リンダがさらに言いつのる前に、女将の怒号が飛んだ。勢いのままヘッドロック後に不気味な戦化粧を濡れ布巾で力任せに擦りながら、女将がこっちに目を向ける。
「ああお帰り。首尾は?」
この短い一言で、俺もみんなも帰ったことを実感した…やっぱり女将は女将だ。
俺は重い皮袋をチラッと見せる。頷いた女将に連れられ奥に移動すると、いつもの報告会になだれ込んだ。アーシェとラグはそれぞれ学校に報告に行くため別行動になる。とは言ってもそっちはレポート作成がメインだが。
「途中で中間報告が来ててね、評判は上々だって言ってたよ。できればまだきて欲しいと言っていたね。んー?」
女将は俺たち全員をしげしげと見渡して低く唸る。影の薄いマスターと夫婦喧嘩でもしたのか、虫の居所が悪そうだ。
「アンタら余計なことしてないだろうね?」
その一言で俺たちの脳裏に、床から生えた間抜けなバルログの下半身がよぎる。
報告にあたってはやましい事は一切ないが、不機嫌な女将の追及はとにかくしつこい。俺たちは無言で説明の押し付け合いを繰り広げるが、そこを女将に見咎められた。
「何があったんだい、んー?」
あ、これダメなパターンだ。
「三人揃って説明してもらおうかね? 逃げられるとは思わないことだよ!」
あああああああああ…。本当にダメなパターンだった。俺たちは揃って天井を仰ぐとため息をついた。
マスター…一刻もはやく女将さんと仲直りしてくれ! そして地味な夫婦喧嘩に巻き込まないで欲しいもんだ…。
次の仕事は、すんなりと報告に移れるだろうか? 地獄の説教が終わるまで俺はそんな事ばかり考えていた。
「帰ってきたのね?!」
宿に帰り着いた俺たちを待っていたのは、怒りの形相のアマゾネス・リンダだった。
ご丁寧にも赤地に黄色い隈取りという勇ましい戦化粧まで塗りたくってのお出迎えに、俺たちはもちろん周囲の観光客もドン引きで後ずさる。子供に至っては泣き出す始末。トラウマレベルだよなぁ。
「よ…よお。初めて見たぜ、オメーらの化粧してるとこ…似合うじゃねぇか…なあ?」
引きつりながらの笑みでギリギリの軽口を叩くアーチ。どうでもいいが同意を求めるのやめろ。
…まあ世間一般に期待されている化粧って…こんなんと違うよな…。
「お世辞は結構よ!」
いや褒め言葉にも分類されないと思うなコレ! だからそのカオ近づけないでくれ怖すぎる!
「アンタたち、あたし達が断られた仕事を請けたからって調子づかないでくれるかしら? …なんであたしらがダメでアンタらが歓迎されるのよ…?」
最後のひと言はぽそりとこぼされたところを見ると、要するに嫉妬か。だがビキニアーマーのままでお子様の教育とか無理じゃなかろうか? 根本的な原因、本人だけがわかってないのか…。
「店先で揉め事はやめな!」
リンダがさらに言いつのる前に、女将の怒号が飛んだ。勢いのままヘッドロック後に不気味な戦化粧を濡れ布巾で力任せに擦りながら、女将がこっちに目を向ける。
「ああお帰り。首尾は?」
この短い一言で、俺もみんなも帰ったことを実感した…やっぱり女将は女将だ。
俺は重い皮袋をチラッと見せる。頷いた女将に連れられ奥に移動すると、いつもの報告会になだれ込んだ。アーシェとラグはそれぞれ学校に報告に行くため別行動になる。とは言ってもそっちはレポート作成がメインだが。
「途中で中間報告が来ててね、評判は上々だって言ってたよ。できればまだきて欲しいと言っていたね。んー?」
女将は俺たち全員をしげしげと見渡して低く唸る。影の薄いマスターと夫婦喧嘩でもしたのか、虫の居所が悪そうだ。
「アンタら余計なことしてないだろうね?」
その一言で俺たちの脳裏に、床から生えた間抜けなバルログの下半身がよぎる。
報告にあたってはやましい事は一切ないが、不機嫌な女将の追及はとにかくしつこい。俺たちは無言で説明の押し付け合いを繰り広げるが、そこを女将に見咎められた。
「何があったんだい、んー?」
あ、これダメなパターンだ。
「三人揃って説明してもらおうかね? 逃げられるとは思わないことだよ!」
あああああああああ…。本当にダメなパターンだった。俺たちは揃って天井を仰ぐとため息をついた。
マスター…一刻もはやく女将さんと仲直りしてくれ! そして地味な夫婦喧嘩に巻き込まないで欲しいもんだ…。
次の仕事は、すんなりと報告に移れるだろうか? 地獄の説教が終わるまで俺はそんな事ばかり考えていた。
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みんなの感想(4件)
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空いた時間に章ごとにまとめて読ませてもらっています。
話数もかなり多くなり、色々なキャラクターの過去や伏線?も出始めてきて、かなり面白く、おかげさまで用事を再開しないといけないのに読むのをやめるのに苦労します(苦笑)
今後とも頑張ってください。
ちなみにエピソードとしては「わらしべアーシェ」が好きです。
ありがとうございます! 最近、更新ペース落ち気味ですが頑張っております杏仁霜です。
これからも続けて行く所存です、よろしくお願いします!
「わらしべアーシェ」ですか、あの話は作者的にもきれいにまとまったと思っております( ^ω^ )
燃料をありがとうございます!
本日も楽しく読ませて頂きました、この世界の幽霊エネルギッシュだな(笑)
ありがとうございます!
この世界の幽霊は残した念の質や強さに左右されるところが大きいので、こんなになっちゃったようです。下手したら魔物に分類される事もあります((((;゚Д゚))))))
裏設定でございました♪
今日も楽しく読ませて頂きました有難う御座います。
ありがとうございます、めっちゃ嬉しいです!頑張ってこれからも書いて行きますので、よろしくお願いします!( ^ω^ )