62 / 94
第九章 道中の夢
5 召喚士ウイン
しおりを挟む
もう一人の男はネムと名乗った。
頭に髪が無いのは、きっと高齢だからだろう。ウインはネムに頭を下げ、パピーのことをお願いすると、ネムは優しい笑顔で快諾してくれた。
「さっそく取りかかろう」
「感謝致します」
パピーたちには、この寺院の中の広間の一つを与えてもらったのだ。昔と比べ、竜信仰の人口も減ったのだと、ネムは笑いながら言った。
ネムと目があう。彼もまた、黄色い目をしていた。
「おやおや……このお方は?」
「ヒカルと申す旅の者です。熱心な信者でして、竜神様を探しているとか」
ウインがいじ悪く説明する。ヒカルはとりあえず頭を下げるだけにした。
その後、ネムはパピーたちを連れて部屋から出ていった。しばらくの宿部屋を案内するために。ウインの言った通り、パピーたちはしばらくこの寺院で暮らし、やがては外で家を建てるのだ。
部屋には、ヒカルの他に、ブリーゲルとウイン、そしてカリンダだけとなった。
感動の再開? なのだけれど、妹は相変わらず黙ったままで、兄と弟だけが懐かしの言葉を交わしていた。
「いつからセイリンに?」
「四日ほど前だ。もう少し待とうと思っていたのだが、お前たちが間に合って良かった」
「間に合う? 何がさ?」
「竜神様は今、オルストンにいらっしゃられる。都市は崩壊し、今は誰もいない廃墟だそうだ」
ブリーゲルの言葉に、ウインはもちろんカリンダも動揺の息を漏らした。
「オルストンの国民たちは?」
「どこかに避難したのか、それとも……」
「なら、なぜ竜神様は誰もいないオルストンに?」
「それが分からないんだ。報告によれば、竜神様はオルストンの地に降りて、まるで寝ているかのように鎮座しているらしい」
はぁ、と今度はウインが疑問の息を吐く。
「今、セカイ中の人々がオルストンに向かっているのだ。もちろん、我々の同志たちも」
保護派の連中は竜を守りに、討伐派の連中はこの隙に討伐するために。文字通りの行動が、セカイ中で起きているのだ、とヒカルも理解できた。
「しかし、オルストンをぐるっと囲んだ要所要所には、討伐派たちの砦があるはずでは?」
「だからこそ危惧してるんだ。もしも一斉に討伐派と我々との争いが起きてしまえば、今まど以上の大きな戦争になる」
避けては通れない。
ブリーゲルは静かにそう付け加えた。
「俺たちの軍は西の拠点グラタに向かわせている。一つだけで良い。どこかの砦を一つでも落とせれば、後はなんとかなる」
「そこに兄さんも行くつもりだったんだ」
「そうだ。ここからだと、オルストンの方が近い。他の同志たちがノリータ側から、そして我々がオルストン側からの挟み撃ちにできる。集中して落とすべきはグラタだ」
竜に会うための保護派たちの進行と、それを阻止し討伐するための討伐軍。
ブリーゲルは地図を持ち出して、今語った戦略をウインに具体的に説明していた。
置いてけぼりのヒカルは、部屋の隅っこにいるカリンダに目を向けた。昨夜以降、まだ何も話していない。避けられているのは分かるけれど、いつもよりも遠い気がする。
良く見ると、顔色も良くない。
どうしたのか、と声を掛けようとしたその時、部屋の扉が突然開き、優しい笑顔のネムが戻ってきた。
「賢者様がお呼びです。ウイン、ブリーゲル、カリンダ、そして大槻ヒカル様」
違和感。
久しく呼ばれた本名だからなのか。いや、違う。このセカイには、自分の本名を知る人はいないはず。
なのに、思い返せば魔の鳥籠の中でも、元の世界の廃墟でも、「大槻ヒカル」と呼ばれたのだ。
「ど、どうして俺の名前を?」
「そこまで! 今は賢者様がお呼びになられているのです」
ネムから優しい笑顔が消えている。見ると、ウインたちは膝をついて姿勢をただしているではないか。
「疑問はたくさんあるでしょう。しかし賢者様がきっと力になってくれます」
そう言うと、ネムは上半身だけ服を脱いだ。ヒカルは「あっ」と声を出す。彼の胸元には、目を閉じたもう一つの顔が見えたから。
「すべては竜神様の御心に――」
ネムが目を閉じると、胸元の顔の目が開いた。
思わず背筋に鳥肌が立つ。男か女かも分からないその顔と目があった。
「ウイン、ブリーゲル、カリンダよ。顔を上げなさい」
賢者と呼ばれた胸元の顔は動いておらず、代わりにネムの口が動いた。しかし、その声は老人の優しい声ではなく、しゃがれた男の声だった。
「久しぶりだな、カリンダ。大きくなった」
「……はい」
カリンダが弱々しく返事をする。ウインとブリーゲルは、未だに頭を下げたままだ。
「ブリーゲルよ。そなたはグラタに向かうと言ったな?」
「はい! 同士の道しるべとなるべく、討伐派の拠点を落とすためです!」
「なら、早くした方が良い。すでにぶつかっている所もある。それにグラダには何があるのかも知っているな?」
「オルストンとノリータの連合拠点では?」
「それだけではない。グラダにはオニが眠っている。お主も知っているだろう? 討伐派はそいつの覚醒を狙っているのだ」
オニ――鬼? このセカイにも鬼はいるのだろうか。
「それは、ただの迷信では?」
「馬鹿者。現に討伐派たちはすでに見つけておるぞ。オニの存在を」
「はあ……」
さて――と、賢者がウインに目を向ける。
「ウインよ。そなたも逞しくなった。器も二十八か。誇らしいぞ」
「はい。光栄です」
「ウインとカリンダよ。お主たちがここに来たのは欠片の試練のためであろう」
試練? そんなことは聞かされていないと、ヒカルはウインの顔を見る。
「はい。しかし、試練は我々兄弟の問題です。その者は関係のない単なる旅人でございまして」
「ほう。ならば、カリンダの欠片パートナーはお主という訳か?」
「……そのつもりですが?」
ネム……いや、胸元の顔が大きな声で笑う。
「それは違うぞ、召喚士ウイン。カリンダはすでに欠片をその心に決めておる。お主ではなく、この単なる旅人だ」
「なっ!」
ウインは飛びつく勢いでネムを見る。
「そうだろ? カリンダよ」
「カリンダ! どういうことだ!?」
今度はブリーゲルが声を荒げる。
いつのまにか渦中の中心にいたヒカルは、試練だとか欠片だとか、意味の分からない言葉に全くついていくことが出来ていない。
自分がここに来たことも、黄金の懐中時計に填める、赤い宝石が目当てだというのに。
「私は……」
二人の兄から向けられる険しい視線を受けながら、カリンダはゆっくりと口を開いた。
「私は、ヒカルを欠片に試練を挑みます」
「ふむ」
賢者が「許可する」と呟くと、ウインはおもむろに立ち上がって、ネム詰めかける。
「ご冗談を! この者は武術も魔法も、召喚も使えない一般人です! なのに試練を許可するなど、結果は見えている!」
「そうです! 賢者様、今一度お考え直しを」
ウインとブリーゲルの詰問に、賢者は黙ってヒカルを見た。
「カリンダが選んだのだ。竜の子である彼女自身が」
ウインと目が合う。その目には見たことのない悲観、そして憤りが込められていた。
頭に髪が無いのは、きっと高齢だからだろう。ウインはネムに頭を下げ、パピーのことをお願いすると、ネムは優しい笑顔で快諾してくれた。
「さっそく取りかかろう」
「感謝致します」
パピーたちには、この寺院の中の広間の一つを与えてもらったのだ。昔と比べ、竜信仰の人口も減ったのだと、ネムは笑いながら言った。
ネムと目があう。彼もまた、黄色い目をしていた。
「おやおや……このお方は?」
「ヒカルと申す旅の者です。熱心な信者でして、竜神様を探しているとか」
ウインがいじ悪く説明する。ヒカルはとりあえず頭を下げるだけにした。
その後、ネムはパピーたちを連れて部屋から出ていった。しばらくの宿部屋を案内するために。ウインの言った通り、パピーたちはしばらくこの寺院で暮らし、やがては外で家を建てるのだ。
部屋には、ヒカルの他に、ブリーゲルとウイン、そしてカリンダだけとなった。
感動の再開? なのだけれど、妹は相変わらず黙ったままで、兄と弟だけが懐かしの言葉を交わしていた。
「いつからセイリンに?」
「四日ほど前だ。もう少し待とうと思っていたのだが、お前たちが間に合って良かった」
「間に合う? 何がさ?」
「竜神様は今、オルストンにいらっしゃられる。都市は崩壊し、今は誰もいない廃墟だそうだ」
ブリーゲルの言葉に、ウインはもちろんカリンダも動揺の息を漏らした。
「オルストンの国民たちは?」
「どこかに避難したのか、それとも……」
「なら、なぜ竜神様は誰もいないオルストンに?」
「それが分からないんだ。報告によれば、竜神様はオルストンの地に降りて、まるで寝ているかのように鎮座しているらしい」
はぁ、と今度はウインが疑問の息を吐く。
「今、セカイ中の人々がオルストンに向かっているのだ。もちろん、我々の同志たちも」
保護派の連中は竜を守りに、討伐派の連中はこの隙に討伐するために。文字通りの行動が、セカイ中で起きているのだ、とヒカルも理解できた。
「しかし、オルストンをぐるっと囲んだ要所要所には、討伐派たちの砦があるはずでは?」
「だからこそ危惧してるんだ。もしも一斉に討伐派と我々との争いが起きてしまえば、今まど以上の大きな戦争になる」
避けては通れない。
ブリーゲルは静かにそう付け加えた。
「俺たちの軍は西の拠点グラタに向かわせている。一つだけで良い。どこかの砦を一つでも落とせれば、後はなんとかなる」
「そこに兄さんも行くつもりだったんだ」
「そうだ。ここからだと、オルストンの方が近い。他の同志たちがノリータ側から、そして我々がオルストン側からの挟み撃ちにできる。集中して落とすべきはグラタだ」
竜に会うための保護派たちの進行と、それを阻止し討伐するための討伐軍。
ブリーゲルは地図を持ち出して、今語った戦略をウインに具体的に説明していた。
置いてけぼりのヒカルは、部屋の隅っこにいるカリンダに目を向けた。昨夜以降、まだ何も話していない。避けられているのは分かるけれど、いつもよりも遠い気がする。
良く見ると、顔色も良くない。
どうしたのか、と声を掛けようとしたその時、部屋の扉が突然開き、優しい笑顔のネムが戻ってきた。
「賢者様がお呼びです。ウイン、ブリーゲル、カリンダ、そして大槻ヒカル様」
違和感。
久しく呼ばれた本名だからなのか。いや、違う。このセカイには、自分の本名を知る人はいないはず。
なのに、思い返せば魔の鳥籠の中でも、元の世界の廃墟でも、「大槻ヒカル」と呼ばれたのだ。
「ど、どうして俺の名前を?」
「そこまで! 今は賢者様がお呼びになられているのです」
ネムから優しい笑顔が消えている。見ると、ウインたちは膝をついて姿勢をただしているではないか。
「疑問はたくさんあるでしょう。しかし賢者様がきっと力になってくれます」
そう言うと、ネムは上半身だけ服を脱いだ。ヒカルは「あっ」と声を出す。彼の胸元には、目を閉じたもう一つの顔が見えたから。
「すべては竜神様の御心に――」
ネムが目を閉じると、胸元の顔の目が開いた。
思わず背筋に鳥肌が立つ。男か女かも分からないその顔と目があった。
「ウイン、ブリーゲル、カリンダよ。顔を上げなさい」
賢者と呼ばれた胸元の顔は動いておらず、代わりにネムの口が動いた。しかし、その声は老人の優しい声ではなく、しゃがれた男の声だった。
「久しぶりだな、カリンダ。大きくなった」
「……はい」
カリンダが弱々しく返事をする。ウインとブリーゲルは、未だに頭を下げたままだ。
「ブリーゲルよ。そなたはグラタに向かうと言ったな?」
「はい! 同士の道しるべとなるべく、討伐派の拠点を落とすためです!」
「なら、早くした方が良い。すでにぶつかっている所もある。それにグラダには何があるのかも知っているな?」
「オルストンとノリータの連合拠点では?」
「それだけではない。グラダにはオニが眠っている。お主も知っているだろう? 討伐派はそいつの覚醒を狙っているのだ」
オニ――鬼? このセカイにも鬼はいるのだろうか。
「それは、ただの迷信では?」
「馬鹿者。現に討伐派たちはすでに見つけておるぞ。オニの存在を」
「はあ……」
さて――と、賢者がウインに目を向ける。
「ウインよ。そなたも逞しくなった。器も二十八か。誇らしいぞ」
「はい。光栄です」
「ウインとカリンダよ。お主たちがここに来たのは欠片の試練のためであろう」
試練? そんなことは聞かされていないと、ヒカルはウインの顔を見る。
「はい。しかし、試練は我々兄弟の問題です。その者は関係のない単なる旅人でございまして」
「ほう。ならば、カリンダの欠片パートナーはお主という訳か?」
「……そのつもりですが?」
ネム……いや、胸元の顔が大きな声で笑う。
「それは違うぞ、召喚士ウイン。カリンダはすでに欠片をその心に決めておる。お主ではなく、この単なる旅人だ」
「なっ!」
ウインは飛びつく勢いでネムを見る。
「そうだろ? カリンダよ」
「カリンダ! どういうことだ!?」
今度はブリーゲルが声を荒げる。
いつのまにか渦中の中心にいたヒカルは、試練だとか欠片だとか、意味の分からない言葉に全くついていくことが出来ていない。
自分がここに来たことも、黄金の懐中時計に填める、赤い宝石が目当てだというのに。
「私は……」
二人の兄から向けられる険しい視線を受けながら、カリンダはゆっくりと口を開いた。
「私は、ヒカルを欠片に試練を挑みます」
「ふむ」
賢者が「許可する」と呟くと、ウインはおもむろに立ち上がって、ネム詰めかける。
「ご冗談を! この者は武術も魔法も、召喚も使えない一般人です! なのに試練を許可するなど、結果は見えている!」
「そうです! 賢者様、今一度お考え直しを」
ウインとブリーゲルの詰問に、賢者は黙ってヒカルを見た。
「カリンダが選んだのだ。竜の子である彼女自身が」
ウインと目が合う。その目には見たことのない悲観、そして憤りが込められていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
東京ダンジョン物語
さきがけ
ファンタジー
10年前、世界中に突如として出現したダンジョン。
大学3年生の平山悠真は、幼馴染の綾瀬美琴と共に、新宿中央公園ダンジョンで探索者として活動していた。
ある日、ダンジョン10階層の隠し部屋で発見した七色に輝く特殊なスキルストーン。
絶体絶命の危機の中で発動したそれは、前代未聞のスキル『無限複製』だった。
あらゆる物を完全に複製できるこの力は、悠真たちの運命を大きく変えていく。
やがて妹の病を治すために孤独な戦いを続ける剣士・朝霧紗夜が仲間に加わり、3人は『無限複製』の真の可能性に気づき始める。
スキルを駆使して想像を超える強化を実現した彼らは、誰も到達できなかった未踏の階層へと挑んでいく。
無限の可能性を秘めた最強スキルを手に、若き探索者たちが紡ぐ現代ダンジョンファンタジー、ここに開幕!
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる