異世界で、黒龍の悪いイメージ私が変えて見せます。！

⑤相談

朝食の後、父であるルイの自室でノエル・私を主治医が診察した。

「ノエル様はいたって、御健康でございます。
　モナ様も旦那様が昨夜魔力を循環させて頂いてたので、大丈夫ですが...
　３点申し上げることがございます。

　一つ目は肉を噛めない事についてですが、
　モナ様は龍族にしては、体力がない影響なのか筋肉が弱いため
　肉が噛み切れなかったんでしょう。
　例えば、人間も噛む力が弱い為、薄く切って食べると聞いた事がございます。
　試したらよいかもしれません。

　二つ目は肉を好まれない点ですが、
　我ら龍族は生まれてから生肉を食べ、大人になると焼いたりしますが、
　生臭いのが苦手の種族もいます。
　やり方を変えれば召し上がって頂けるかもしれません。
　肉を大人と一緒で焼いたり、人間の調理に”煮る”という手法もあるとか...
　前回も申し上げましたが、
　人間は色々な調理の仕方を知っているので参考にしてみて下さい。

　三つめは食事量についてですが、
　他の坊ちゃん達は龍族特融で大量でしょうが、
　モナ様はメスという事や体力も無いため、いらないのかもしれません。
　現時点では問題ございません。
　一概には言えませんので、経過を見ながら対処していきます。」

主治医の報告を聞いていたルイは、
「分かった....主治医は下がれ...セバス....」

主治医が下がりセバスが入れ替わりに近くに立ち
「実は私の親戚筋に人間を嫁にした者がおります。
　その者をノエル様の執事に、嫁をモナ様のメイド兼相談役に
　その子供夫婦をメイドと調理師に...
　昼に紹介したいと思いますがいかがでしょうか。」

ルイは
「セバスの親戚なら問題あるまい...昼に面会して決めよう...」

そんな話をしている中、
私は満腹なのか眠くなってクワーーっと口を開けてあくびをした。
ルイ（父）はノエルを抱えて私と違う籠に乗せたが、
ノエルは私が入った籠に入ろうと動いきだした。

「ノエルお前はオスだし、いずれは別々に寝たり行動しないと行けないんだ。」

そう父であるルイは言ったが、結局ノエルは私の所に入り込んできた。
ノエルは動いてるうちに軽く飛んだり出来るようになったみたいだ。

私も、早く龍の体になれないといけない...と思って
体をバタつけさせながら籠から出ようとしたら、
追いかけようとしたノエルのせいで傾いてしまい
ひっくり返ってノエルと籠がのしかかって倒れた。
重い...。

「ノエル・モナ　」

ルイは急いで助けてくれて自分の懐に2匹を抱え
無事を確認してテーブルの上に置いた。
「びっくりさせないでくれ二人とも」と両方に頭をなでながら言った。

なで終わったら私は龍ながらに、仁王立ちになって
ノエルに抗議するように睨んで、

「ピ！」
と私が鳴いたらノエルはすぐに正座をしてるように、背筋を伸ばして座った。

「ピ！」

（危ないでしょー！
　さっきも無理やり食べさせようとして本当に怒っちゃうんだから！）
と思いながら鳴いたら

「ピィ.....」
ノエルは人間でゆう土下座みたいに
私に向かって頭と体を地面に付けながら鳴いた。
謝ってるのが分かったから許す...と思ってたら

「ハハハハハ....やはりメスはいざって時に強いな！
　兄でモナより圧倒的に強いノエルが謝ってる...
　ラルクやロイドは戦いだすが、モナは鳴き声だけでノエルに勝った！
　やはりメスがいると賑やかになるな......ハハハハハ」


ルイは怖い顔から考えられない位笑い、
近くにいた執事やメイド達も笑顔になっていた。
部屋全体に賑やかな笑いに包まれて私も何だか恥ずかしくなってきた。




その後、私とノエルはお昼寝をした。
私はそのままぐっすり眠ってしまい昼食無しで夕飯を迎えてしまった。
ノエルは昼食を食べた後はずっと私のそばにいたらしい。




その間に、ルカはセバスの親戚4名と面接し、気に入って直ぐに決まった。

ヨハン：オス　龍　　　　　　　　　　　（ノエル専用の執事）
アンナ：メス（※元人間）　　　　　　　（モナ専用のメイド兼相談役）
リーゼ：メス　龍（ヨハン・アンナの子）（モナ専用のメイド）　
ロン　：オス　龍　　　　　　　　　　　（人間の料理ができる調理師
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　龍族は基本：生か焼くだけ（特に名家）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　一部の龍を除く）

面接のときに父は、朝食の件をアンナに聞いてみたら、
「モナ様は一度かぶりついたという事は肉を食べようとされたこと
　つまり、味・匂いが原因だと思います。
　人間でも、イノシシより鶏がいいと言う方がいます。
　大抵、野生臭いのが原因です。
　龍族は特に生・焼くだけが主流と聞きました。
　人間は塩・コショウなどを、かけて匂いを消したり香りを付けたりします。
　試してみましょう。」

「具体的に説明してくれてありがたい。モナは昼食を食べていないから、
　夕飯を喜ばせたい、よろしく頼む」

「かしこまりました。私が人間であった事が役に立ってありがたく存じます。
　これからも家族を含めよろしくお願い致します。」






その日の夕食はお皿の上に薄くスライスをしたお肉を焼いたものと、
サラダも何かがかかって美味しそうだった。

私は一口食べたら、思わず体を震わせながら
（これよこれ！臭くないサイコー）
という晴れやかな気持ちでいっぱいになり上機嫌に声を出してしまった。

「ピピィ」


その間家族総出で見ていたらしく、みんな笑顔で食事が始まった。

「モナも、とても喜んで食べている。これで安心した。スライスもなかなかイケるな..」
「スライスだと物足りませんが、味付けはおいしいです。」
「ステーキにこの味付けがいい」

父、ラルク、ロイドそれぞれに夕食を楽しんだ。

ガツガツと同じスライスをあっという間に食べ終え、
お代わりの皿へと向かうノエルを見て
私は（野菜も食べないといけないわ！）と思いながら
野菜を咥えてノエルの皿に置いた。
ノエルは黙ってそれを食べて、お代わりの肉へとまた、向かった。

（龍は肉食だから...みんな野菜食べなくて大丈夫なの？）
そう思いながら、お腹がいっぱいになったので料理のお皿から
龍にしては、ぎこちない動きで離れて座った。

人間じゃないって色々不便だなー
でも、お父さん・お兄ちゃんはヒト型？になってるから、私もなれるよね？
なにより、運動不足になって、太ったらどうしよう
...食後は動かなきゃ！