異世界で、黒龍の悪いイメージ私が変えて見せます。!

どら娘

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⑦ ○○禁止令撤廃

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朝の目覚めが悪すぎで、
思わず涙声で「ピエー」と鳴いていたら、私に救世主が来た。

「おはようロイド・モナ・ノエル
 モナ?どうした.....まったく」

兄のラルクが私の苦しい状況を見て私を救い出してくれた。

「まったく、来てみて正解だったよ
 小さい頃からロイドは寝相が悪くて、よく父や僕や枕に抱き着いたりするんだ。
 ノエルもロイドと似てるんだね....うらやましいよ...」

寝相がうらやましいの?似てるのがうらやましいのかな?
私はどこか寂しそうなラルク兄上に、救ってくれてありがとうという気持ちで
私を抱いてる手にホホを寄せながらスリスリした。

「フフフ可愛いね...
 ロイドが小さい時はわんぱくで、じっとしてなかったし、
 こんなに甘えてくる事は無かったからね..」

「まだまだ時間はあるし、このまま二人とも寝かせてあげて」

ラルクは近くにいたメイドに言うと私を連れて部屋を出た。
珍しくノエルは、
昨日ロイドと遊んで疲れたのか私と離れても起きずにぐっすり寝ていた。

「モナ 僕とデートしようか」

子供なのに、こんなに自然にカッコイイセリフが言えるようになるんだろうか?
私は、父にそっくりな顔した小さな王子様にウットリしながら
兄を見つめていたら、兄ラルクも神々しいまでに私に笑いながらゆっくり歩きだした。

こんな笑顔や自然なふるまいが、世の中の女性を、
自分だけに優しい...と勘違いさせるのよ.....。


「朝は空気が澄んでいて、いいね」

いつの間にか屋敷の外に連れていかれたみたいだ。
すると、近くにいた従者が薄手の服とタオルケットみたいなものを差し出した。

「ありがとう、モナと二人きりになりたい、下がれ」

兄は薄手の服を羽織り、
私をタオルケットにくるんで大事そうに抱えなおしながら、従者に命じた。




「モナ寒くないかい?庭園へ行こうか....」

すると、部屋の中しか見たことがないせいか、別世界に来たみたいに
(まあ...来てるが)綺麗な花が沢山咲き誇っていた。
私は余りにも心が癒されるような光景に兄ラルクの腕の中で飛び跳ねる勢いで
ソワソワして、見上げるとある一点を見て、兄は
とても悲しいような寂しそうな顔を一瞬したかと思ったが
すぐに、別の花を見ながら私に問いかけた。

「綺麗だろう?母上が大好きだった花が植えてあるんだよ..
 モナはどの花が好きかな?」

私は兄が一瞬見た花が気になり見てみると、カスミソウ?に似た花があった。


「奥の向こうにベンチがあるから休もうか」

兄はまるで避けるようにそっと前に進んみ、ベンチが見えたらゆっくりと座った。


「ここの庭園は実は内緒で母と過ごした場所なんだ。
 父は忙しかったし、ロイドは外でよく遊びに行ったり
 騎士団のほうへ出かけてるからね..
 唯一母上を独り占めできる時間だった。
 母上は膝枕をしてくれたり、逆に僕が膝枕してあげたりしたんだ。
 僕が落ち込んだりしていると黙って何も言わずに、いつも抱きしめてくれたんだ。
 母上が亡くなって今日が初めて来たせいか、感傷的になってしまったね...」


もう、まだ若いのに爺さんみたいに達観してんだろう。
やっぱり長男だから、素直に甘えたりできなかったのかな?
子供なんだからドーンと甘えた方が良いのに、龍の体じゃなかったら、
私が抱きしめてあげれるのに、私が出来る事ないかなー
私はラルクの腕の中から出てピョンと仰向けに寝た
ラルクの上に膝枕してもらうつもりだったが、
体が小さいせいかラルクの足に体を預けてる風にしかみえないが...

「モナ....膝枕の話をしたからかい?優しい子だね...ありがとう
 父上もロイドもノエルもそれぞれに君を独り占めしそうだからね
 これからは、僕とモナの二人だけの秘密の場所にしょう
 内緒だよ ひ み つ」

ラルク兄上は私の方へ屈んで口に人差し指を立てながら言い、
私のおでこにキスをした。
私はドっキューンと弓で射抜かれたような衝撃と共に実の兄なのに、
恋でもしたかのように胸がキュンキュンした。



「.....どうやらロイドが騒がしいようだ。戻るとしよう」


そのあとの私は、体が硬直し放心状態のままラルクに抱えられ屋敷内に戻った。
この男...いや美少年の将来がこ・怖すぎる...。



私が放心状態になってる間に食堂へ続く道をラルクと歩いていると
バタバタバタバタ
と後ろからものすごい勢いで走ってくる音が聞こえた

「兄上!モナを攫うなんて卑怯だよ!夜這いですか?
 朝起きたらいないから必死に探しました。隠蔽する魔力を使いましたね!」


ロイドは右わきにノエルを挟んで突っ込んできながら叫びながら言った。


「ロイド攫うなんて....モナは起きていて、君達の寝相で苦しんでいたから
 助けたあと気晴らしに、散歩をしていただけだよ。
 ノエルと一緒にぐっすり眠っていたから、そのままにしただけじゃないか...。
 それに、夜這いだなんて下品な物言いはよくないし、隠蔽だなんて
 僕はゆっくりしたかっただけだよ...。」

「僕はモナの可愛いい寝顔を見たかったんだ!」

「ロイドは無理だ。いつも寝坊してるじゃないか...」

「何を騒いでる」

「「父上」」

父ことルイが歩き、ラルク、ロイド、ノエル、モナとそれぞれに満面の笑みで
頭に”ポンポン”と手をのせながら声をかけてきた。


「皆に話したい事がある
  早く食堂へ入りなさい」

ルイは一言そういうと歩いて中に入っていった。
ラルク・ロイドは普段、頭を”ポンポン”とした事が無い
いつもと違う父の行動に疑問を持ちながら食堂へ入っていった。


部屋全体に何か重大な発表の前みたいな...重苦しい空気が張り詰めていた。
執事やメイドたちからも異様な緊張感が伝わってきた。

「父上いったい何かあるのですか」ラルク

「父上も皆もいつもと様子が変だ」ロイド

「........................................」ノエル

「 ピ 」(なになに!何だろう?)モナ


それぞれ、異様な雰囲気に戸惑いながら席に座った。
しばらく考え込んで目を閉じて座っていた父が目を開き、
おもむろに話し出した。

「これより、我が黒龍一族は全て元に戻す。
 皆の者、セバス、民にも伝えるように!”溺愛禁止令は撤廃する”
 まず初めにラルク・ロイド・ノエルはこれから先
 成人するまでは 絶対にと呼ぶように
 もちろん一生でもかまわない
 モナは無期限無制限だ。」


 




「「.............は?」」ラルク・ロイドはキョトンとした。

「.......」ノエル

「ピイイイ」モナ(溺愛禁止令って何それー!)






驚いている子供たちをよそに、部屋中に歓迎ムードの拍手が鳴り響いた。
「パチパチパチパチパチパチパチパチパチ」執事メイド一同(拍手)

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