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⑩兄弟の絆。
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目が覚めると私は何故か、ロイドの腕の中で眠っていた。
「起きたか?主治医に見てもらったら
疲労と興奮が原因で倒れたって言ってたぞ?
ラル兄も心配していたが午後の家庭教師が来たから
終わり次第来ると思うぜ。
まあ俺は午後の訓練は終わったから
俺がお前の魔力を循環させてるから少しは
気分は良くなってるはずだが、どうだ?
モナは本当に体が弱いんだな。」
「ピー」
私は熱があるのか体がだるくて体を動かすのも億劫だったので
そのまま寝てしまった。
「失礼いたします。ロイド様ノエル様をお連れ致しました。」
ノエルは眠ってる私を見るなりノエル専属の従者に
抱えられていた腕から飛び出して飛んできた。
「お前は下がっていいぞ。
ノエルが暴れただろう?ご苦労だったな。」
ロイドは顔や手に真新しいひっかき傷を作った従者を見て
間違いなくノエルが付けた傷だろうと思い、声をかけた。
「とんでもございません。失礼いたします。」
ノエルを連れてきた従者ヨハンはこの頃新しく入った
モナのメイドの旦那だったよなとロイドは考えていたら、
モナに体当たりする勢いでこちらに突っ込んで来た
ノエルを片手で素早く掴んでモナを右腕にノエルを左腕に抱えて話しかけてきた。
「ノエルも心配だったんだな。
モナが倒れた後、双子だから分かるのか
空から飛んで来たのはいいが、あまりにも汚れていて
無理やり洗ってくるように使用人に頼んだが、
ノエルお前、相当困らせただろう。
気持ちは分かるが程々にしろよ。
それにお前も兄としてしっかりしないと
モナを守れない頼りない兄になるぞ。」
「ロイドから真面目な話を聞くのは久しぶりだね。
弟や妹が出来て、大人になったね。
僕も今まで、やんちゃな君が心配だったんだよ。
弟の心配をする僕の気苦労が分かるだろう?」
気配もなく静かにラルクが部屋へ入ってきた。
「ラル兄わざと気配を消してきただろう!
盗み聞きかよ。
いつも俺は真面目に話してるし、心配するような事もしてねーよ。
それにしても、モナは大丈夫なのか?。
だってちょっと歩いたり走ったりしただけだろう?
疲労だなんて龍族の俺らが訓練か戦闘した後しか聞いた事ないし
それに今だって熱っぽいんだ。
体が弱いとは聞いてたけど思ったより弱いからこれから先が心配だよ。」
普段から明るいロイドも困惑した顔で兄ラルクに話かけた。
「前に聞いた事があるけど、母上も昔から体が弱かったらしいし、
メスは魔力が多いほど幼少期に体を壊しやすいらしい。
しかも黒龍のメスは久しぶりで
御祖父様の代より前に一人か二人いた位でこれから先
色々と騒がしくなるかもしれないから気を付けないといけない。」
ラルクはロイドからモナを受け取り、ロイドの腕の中にいる
ノエルの頭をなでながら言った。
「ノエル、一番モナと近い君が冷静に対応できるように
兄として強くならないといけないよ。
まずは使用人を困らせたらいけないよ。」
「ピ」
ノエルはシュンとなりながらも、
目は力ずよく決意したかのようにラルクを見つめた。
「我ら黒龍は敵も多いし、メスは貴重だから狙われやすい。
外敵からも、モナ自身の体も心も
これから僕達3人で守っていかないといけないんだ。
でもこれだけは覚えていて欲しい。
妹のモナだけじゃない。
かわいい弟達も僕は心配だから決して無理はしてはいけないよ。
助け合う事が大事なんだ。
一人で抱えこんではいけないよ。」
「それこそ、ラル兄もだよ。
頼りになる最強の弟達がいる事を忘れないでくれよ。」
「ピ」
ロイドとノエルはラルクに笑顔で話しかけた。
我が息子三人の話してる様子を部屋の外で聞いていた
父ルイは口元が笑みになりながら無言で自室に戻った。
窓から見える夕日を見ながら
そばに控えていたセバスに背を向けながらルイは話しかけた。
「子供たちの成長は著しいものだなあ。
それに、私も兄上たちに会いたくなってしまったよ。
兄弟とはいいものだな。」
昔を懐かしむようにセバスは微笑みながら話した。
「ラルク様ロイド様ノエル様を見ていると
レイン様カイ様と旦那様の幼少の頃を思い出します。
負けず劣らず仲の良いご様子でした。」
「今だから、ようやく分かる事がある。
兄上達から”守られて”いる事を....。昔も、今も。
守られているだけで本当に申し訳ないと思ってるんだ。」
長い沈黙の後にセバスは独り言のように話だした。
「私は、以前レイン坊ちゃんカイ坊ちゃんの二人が去る際に
”ルイに重荷を背をわせて申し訳なく思っている”
”ルイは真面目過ぎるから助けてほしい” と
それぞれに同じ事を言われました。
一方通行ではないのです。お互いが思いあっておいでです。
お互いに守り合えばよろしいではないでしょうか。
そして御二人とも、きっと兄という立場のアレク様のように、
無理をしてはいけないと思っているでしょう。
”助け合う” ”一人じゃない”事が一番大事なのです。
レイン坊ちゃんもカイ坊ちゃんもきっと同じ思いで頑張っておられます。」
「セバス、感謝する.....。
フフフ.......黒龍の一族の災厄三凶最恐三兄弟と呼ばれる我ら三兄弟を
坊ちゃま呼びが出来るお前こそ最強かもな。」
「お三方のお世話をしておりましたゆえ、
幼少の頃、”セバシュ”と呼ぶ可愛らしすぎる
御三方を知っております私にとっては
災厄三凶最恐三兄弟等、微塵も思えないのでございます。」
「昔の話はやめてくれ。」
「かしこまりました。
最後に旦那様、くれぐれもご自愛下さいませ。
失礼いたします。」
静かにセバスは部屋を出て行った。
ルイはセバスには敵わないと心の中で思った。
今日は気分が滅入ってる事も、
これから色々と忙しくなる事も、何もかも分かった上で
ご自愛くださいと言ってきたのがとても嬉しかったのだ。
今日はそれぞれの白龍公・赤龍公・青龍公・緑龍公から
溺愛禁止令を止めた事についての苦言・苦情の問い合わせが届いた。
そして、それぞれの兄達から外の情勢や近況報告とともに
私の事をとても案じる言葉を書き綴った手紙を握りしめ
夕日が沈む広い空を見ながらつぶやいた。
「兄上達、私の為に他所に行って、
私を黒龍公に”してくれた”事は存じております。
少しは私を頼って下さい。
昔のように呼んで下さい。
”黒龍公”では無く”ルイ”と....。
唯一の私の我がままを聞いてくれませんか?」
ルイは仕方ないと分かっているが、
二つの手紙の黒龍公という宛名を悲しいと思いながら強く握りしめ、
この場にいない遠くにいる二人の兄を思い、
すがるように空に向けてしばらく見ていた。
その夜、具合がよくなった私を見ると、
ラルク兄はロイド・ノエルをラルクの部屋へ呼んで私と4人で仲良く寝た。
もちろん、ロイドとノエルは寝相が悪いので
私はラルクに守られながらぐっすり寝ました。
いつも一人で寝る事が多かった前の世界での私は
兄弟の雑魚寝がとても心地よい気分だった。
こちらに来て当たり前と思える日常がとても幸せに感じる。
孤独では無い事がこの世で一番幸せなのかもしれない。
「起きたか?主治医に見てもらったら
疲労と興奮が原因で倒れたって言ってたぞ?
ラル兄も心配していたが午後の家庭教師が来たから
終わり次第来ると思うぜ。
まあ俺は午後の訓練は終わったから
俺がお前の魔力を循環させてるから少しは
気分は良くなってるはずだが、どうだ?
モナは本当に体が弱いんだな。」
「ピー」
私は熱があるのか体がだるくて体を動かすのも億劫だったので
そのまま寝てしまった。
「失礼いたします。ロイド様ノエル様をお連れ致しました。」
ノエルは眠ってる私を見るなりノエル専属の従者に
抱えられていた腕から飛び出して飛んできた。
「お前は下がっていいぞ。
ノエルが暴れただろう?ご苦労だったな。」
ロイドは顔や手に真新しいひっかき傷を作った従者を見て
間違いなくノエルが付けた傷だろうと思い、声をかけた。
「とんでもございません。失礼いたします。」
ノエルを連れてきた従者ヨハンはこの頃新しく入った
モナのメイドの旦那だったよなとロイドは考えていたら、
モナに体当たりする勢いでこちらに突っ込んで来た
ノエルを片手で素早く掴んでモナを右腕にノエルを左腕に抱えて話しかけてきた。
「ノエルも心配だったんだな。
モナが倒れた後、双子だから分かるのか
空から飛んで来たのはいいが、あまりにも汚れていて
無理やり洗ってくるように使用人に頼んだが、
ノエルお前、相当困らせただろう。
気持ちは分かるが程々にしろよ。
それにお前も兄としてしっかりしないと
モナを守れない頼りない兄になるぞ。」
「ロイドから真面目な話を聞くのは久しぶりだね。
弟や妹が出来て、大人になったね。
僕も今まで、やんちゃな君が心配だったんだよ。
弟の心配をする僕の気苦労が分かるだろう?」
気配もなく静かにラルクが部屋へ入ってきた。
「ラル兄わざと気配を消してきただろう!
盗み聞きかよ。
いつも俺は真面目に話してるし、心配するような事もしてねーよ。
それにしても、モナは大丈夫なのか?。
だってちょっと歩いたり走ったりしただけだろう?
疲労だなんて龍族の俺らが訓練か戦闘した後しか聞いた事ないし
それに今だって熱っぽいんだ。
体が弱いとは聞いてたけど思ったより弱いからこれから先が心配だよ。」
普段から明るいロイドも困惑した顔で兄ラルクに話かけた。
「前に聞いた事があるけど、母上も昔から体が弱かったらしいし、
メスは魔力が多いほど幼少期に体を壊しやすいらしい。
しかも黒龍のメスは久しぶりで
御祖父様の代より前に一人か二人いた位でこれから先
色々と騒がしくなるかもしれないから気を付けないといけない。」
ラルクはロイドからモナを受け取り、ロイドの腕の中にいる
ノエルの頭をなでながら言った。
「ノエル、一番モナと近い君が冷静に対応できるように
兄として強くならないといけないよ。
まずは使用人を困らせたらいけないよ。」
「ピ」
ノエルはシュンとなりながらも、
目は力ずよく決意したかのようにラルクを見つめた。
「我ら黒龍は敵も多いし、メスは貴重だから狙われやすい。
外敵からも、モナ自身の体も心も
これから僕達3人で守っていかないといけないんだ。
でもこれだけは覚えていて欲しい。
妹のモナだけじゃない。
かわいい弟達も僕は心配だから決して無理はしてはいけないよ。
助け合う事が大事なんだ。
一人で抱えこんではいけないよ。」
「それこそ、ラル兄もだよ。
頼りになる最強の弟達がいる事を忘れないでくれよ。」
「ピ」
ロイドとノエルはラルクに笑顔で話しかけた。
我が息子三人の話してる様子を部屋の外で聞いていた
父ルイは口元が笑みになりながら無言で自室に戻った。
窓から見える夕日を見ながら
そばに控えていたセバスに背を向けながらルイは話しかけた。
「子供たちの成長は著しいものだなあ。
それに、私も兄上たちに会いたくなってしまったよ。
兄弟とはいいものだな。」
昔を懐かしむようにセバスは微笑みながら話した。
「ラルク様ロイド様ノエル様を見ていると
レイン様カイ様と旦那様の幼少の頃を思い出します。
負けず劣らず仲の良いご様子でした。」
「今だから、ようやく分かる事がある。
兄上達から”守られて”いる事を....。昔も、今も。
守られているだけで本当に申し訳ないと思ってるんだ。」
長い沈黙の後にセバスは独り言のように話だした。
「私は、以前レイン坊ちゃんカイ坊ちゃんの二人が去る際に
”ルイに重荷を背をわせて申し訳なく思っている”
”ルイは真面目過ぎるから助けてほしい” と
それぞれに同じ事を言われました。
一方通行ではないのです。お互いが思いあっておいでです。
お互いに守り合えばよろしいではないでしょうか。
そして御二人とも、きっと兄という立場のアレク様のように、
無理をしてはいけないと思っているでしょう。
”助け合う” ”一人じゃない”事が一番大事なのです。
レイン坊ちゃんもカイ坊ちゃんもきっと同じ思いで頑張っておられます。」
「セバス、感謝する.....。
フフフ.......黒龍の一族の災厄三凶最恐三兄弟と呼ばれる我ら三兄弟を
坊ちゃま呼びが出来るお前こそ最強かもな。」
「お三方のお世話をしておりましたゆえ、
幼少の頃、”セバシュ”と呼ぶ可愛らしすぎる
御三方を知っております私にとっては
災厄三凶最恐三兄弟等、微塵も思えないのでございます。」
「昔の話はやめてくれ。」
「かしこまりました。
最後に旦那様、くれぐれもご自愛下さいませ。
失礼いたします。」
静かにセバスは部屋を出て行った。
ルイはセバスには敵わないと心の中で思った。
今日は気分が滅入ってる事も、
これから色々と忙しくなる事も、何もかも分かった上で
ご自愛くださいと言ってきたのがとても嬉しかったのだ。
今日はそれぞれの白龍公・赤龍公・青龍公・緑龍公から
溺愛禁止令を止めた事についての苦言・苦情の問い合わせが届いた。
そして、それぞれの兄達から外の情勢や近況報告とともに
私の事をとても案じる言葉を書き綴った手紙を握りしめ
夕日が沈む広い空を見ながらつぶやいた。
「兄上達、私の為に他所に行って、
私を黒龍公に”してくれた”事は存じております。
少しは私を頼って下さい。
昔のように呼んで下さい。
”黒龍公”では無く”ルイ”と....。
唯一の私の我がままを聞いてくれませんか?」
ルイは仕方ないと分かっているが、
二つの手紙の黒龍公という宛名を悲しいと思いながら強く握りしめ、
この場にいない遠くにいる二人の兄を思い、
すがるように空に向けてしばらく見ていた。
その夜、具合がよくなった私を見ると、
ラルク兄はロイド・ノエルをラルクの部屋へ呼んで私と4人で仲良く寝た。
もちろん、ロイドとノエルは寝相が悪いので
私はラルクに守られながらぐっすり寝ました。
いつも一人で寝る事が多かった前の世界での私は
兄弟の雑魚寝がとても心地よい気分だった。
こちらに来て当たり前と思える日常がとても幸せに感じる。
孤独では無い事がこの世で一番幸せなのかもしれない。
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