私の大好きなドラゴン

ちょっとした不安

帰ろうとするとお兄ちゃんが話しかけてきた。

【今日は出かける　気をつけろ】

（お兄ちゃん出かけるの？
　オジさんも？）

【ああ　洞窟から出るな】

（いつ帰ってくる？）

【夕方...やつは昼には戻る】

私は思わずお兄ちゃんに抱き着いた。
あー私って素直じゃないから小さい頃寂しいって言わなかったし、
抱き着いたりもしなかったんだよなあ。

いつも共働きで一人でいることが多いせいか”当たり前”になってたし
寂しいって素直に言えなかったんだよね..
”大丈夫”っていつも言ってたっけ...
こちらの世界にきて、お兄ちゃん、オジさんに抱っこしたり
かまってもらえて久しぶりに素直になれたかも...
体が子供だからかも知れないけど...

（お兄ちゃん　これからもずっと一緒にいて良い？）

【ああ】

（オジさんも許してくれるかな......どうしたら伝わる？
　お兄ちゃん私の言ってることはオジさんに伝えれないの？）

【出来ない...】

（なんで？）

【何故か...私でもわからない．．．】

（そう.....）



いつまで一緒にいられるんだろう？....
前の世界でも、両親が病気を持っていたから、いつ亡くなるか不安に思ったり
仕事が、クビになるかもしれないとか、友達も結婚して遠くに行ったり
別れが（生きていくのが）とても恐ろしく感じた......。


結局世界が変わっても、変わらないこともあるな......