私の大好きなドラゴン

どら娘

文字の大きさ
18 / 48

ゼガンとライルと出会えた俺の大切な場所

しおりを挟む
今日のライルは様子がおかしい
朝は腹減って機嫌が悪かったが、急に俺に甘えてきた。

俺は子供にとにかく嫌われてきたから、
どうしたらいいか、分からない。
俺のダチのカミルに前に聞いてたことを参考にしてるが..

①子供は気分屋だからいちいち腹を立てない。
②食事・お手洗いは気に掛けること 失敗しても怒らない。
③必ず子供の目線にしゃがんで話す。
④子供は寂しがるからスキンシップをする

最低限俺は頑張ってるつもりだ...
だが、これまで全部したが成功?したのはライルだけだ。

俺は、人から、怖がれ、恐れられ、驚愕している その顔を
俺が見るのがなにより嫌だった。
だが、ライルは俺の目を見るし怖がりもしないし、
生まれてこの方、俺に抱き着いてくる奴なんて、娼婦ぐらいだ...。


昨日の夜もライルが眠そうにしていて、
とてつもなく愛しくなる...変な意味じゃないぞ!
試しに胡坐をかいた俺のところに置いたら直ぐに眠った。
安心しきった顔を見ると初めて子供がかわいいと思った。
とても幸せな気分になった。


もう、俺手放せねーかも...
俺の目を見てくれるのは、両手で数えるほどしかいない。
ましてや、子供は皆無だ。

あの、ドラゴンでも気難しい部類に入る
ゼガンも平気みたいだし、何より心地いい。
朝もゼガンと会ってたらしい..
ゼガンに朝、頭の中で話しかけたら、ライルといると言ってた時は
びっくりして目が覚めたぜ...
俺は初めて一緒にいたい奴を見つけた気がする。


俺は子供を作るつもりは昔から無かった。
俺に流れてる血が、俺自身がとても憎いからだ。
この世にもう増やさなくていい...この流れてる血族を...


だから、俺は一人でいいと思ってるし、
ドラゴンとの契約は俺にとって最大の良縁だ。
契約すれば、契約者同士にしか望まない限り子ができないし、
できる確率は当人同士望んだ上でも、かなり低い...。

俺は最高にゼガンと出会えて契約してうれしい。
俺が初めて、俺が※望んだものが叶ったからだ....

だから、俺が初めてゼガンと会い、
契約したこの場所・洞窟が大好きだ。
たまに、今みたいに暮らしている。

しかも、ここはドラゴンの聖地と言われている場所だ。
ダンデライオンが多く咲いてる土地......

この聖地にしか咲かないし一度も枯れた事がなく
かつての王龍が死に際に、どこからか、
この土地にダンデライオンという花と名を持ち帰り、去ったとされる場所である。


この地で俺は、また2度目の良縁とも言えるライルに出会った。




ライルが食べ終えて俺の背に体重を乗せ、見上げてきた。
(そういえば、言ってなかった。
 俺は昼にちょっとこれからの事を相談しに、
 カミルっていうダチに会いに行くから、
 昼には戻る、それまで、留守番してるんだぞ..
 ゼガンも用事があってな...夕方になると思う...
 大丈夫か?)

 【大丈夫】と、ライルが言ってるような泣いてるような、笑いをして
 行く時間まで今日は何故かずっと俺にしがみついて抱き着いてきた。


(そろそろ、行くぞって...?)

ライルは上目遣いに見て俺の服を引っ張って何か訴えてきた。

(何だ?しゃがめって? )

すると、クビに手をまわしてギュっとしたかと思ったら、
俺のほっぺに、”ちゅ”としてきて照れてるのか
下を向いてはにかんでた。

(しかたねーな ”ちゅ”)

ああーそういえば村でもガキが親にしてたなあー
いってらっしゃいのつもりか?
しゃべれねーから余計にスキンシップがいるんだろうなー

俺もライルのおでこに軽くキスした。

昨日の夜、あのゼガンが”ちゅー”して見ろと
言ってきた原因が分かったぜ...
ライルがボーっとおでこを抑えながら照れていた。

(バン!!)俺はその後、ライルの背中を軽くたたいて

(ひ弱じゃ女の子にもてねーぞ!昼飯までには戻るからな!)
と言い俺は振り返らず出て行った。

洞窟を出てカミルの元へ急ぐ為
ゼガンを呼んだ

(ゼガン、ライルと一緒に暮らしていいか?)

【.......ああ】

(よし!じゃあ出発だ、色々と用意するもんがあるからな....)

これから、こいつらと暮らす為、守る為、
何より俺自身の為に....
カミルへ相談しに出発だ。


その日、俺は昼に戻ると入口に転がってた片方の靴と
1個のピーの実を見て、
洞窟を見て.............不安になり、叫んだ。



(ライルーーーーーーーーーーー)













しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

処理中です...