私の大好きなドラゴン

どら娘

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温泉にて

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私はまたしても川辺に行き、必死に脇や顔に水を付け、拭いたりしていた。

私女の子で、まだ少女なのに汗臭い?
恥ずかしい!やっぱり、コマめに水浴びをしないと...
オジさんに臭い女と思われたくないよー
(男と思われてるけど...)
そう色々と考えていたら、

下流から登るように黄色いのが、川の中から近付いてきた。

【コーン?前より金ピカに見えるね!
 会いに来てくれたの?おはよう!】

(おはよ...)

今度は若葉のような緑色の物体が空から飛んできて、
私の右横に着地してきた。
(おはよう!)

【チビも来たの?おはよう!チビも色が黄緑?っぽくなったね..?
 二人共昨日はごめんね私意識失っちゃって今日は一緒に遊べれる?】

コーンとチビに問いかけたら

(いい...。)
(うん! 遊ぶ!)

2匹とも前よりハッキリとした
うれしそうな声が私に届き、それぞれすり寄ってきた。


【あ!匂いといえば・・・
 そういえば!コーン、ここら辺でキレイな水で、
 安全で回りから見えないような所ない?
 良ければ温かいお湯が出る所...温泉知らない?】

(あ...る、温たたかい水が出る所...)

【本当に!!そこに行こう....
 でも、オジさんに伝えるにはどうしよう..
 お兄ちゃんに頼もう....お兄ちゃーーーーーーーーーーん】

私は洞窟にはいなかったのでとりあえず、心の中で叫んで呼んでみた。
しばらくするとお兄ちゃんが、空から飛んできた。

【お兄ちゃんおはよう!朝どこ行ってたの?】

(.......狩り)

【狩?あーご飯だったんだー。
 お兄ちゃん私ねチビとコーンと遊びたいの、
 でもオジさんに伝えれないからお兄ちゃんが説明して?】

(....我も.....行く)

【お兄ちゃんも一緒に行くの?場所はねコーンが知ってるって!!
 とりあえず私洞窟に戻らなきゃコーン・チビあとで呼ぶね!】





洞窟に戻ると、オジさんは腹をさすりながら朝食を作って待っていたみたいだった。
(遅かったな、またゼガンと一緒だったのか?
 さっき、こいつから聞いたけど、昼もゼガンと一緒に遊ぶらしいじゃないか
 まったく妬けちゃうねー)

私は確かにオジさんのドラゴンなのに
私とばっかり一緒はダメなのかも...と思って動揺して頭が自然とコテンと下がった。
そこへオジさんは私にデコピンをしてきて、

(冗談だよ!俺はしばらくの間毎日外に出る。夜には帰るから
 これからは、毎日俺の仕事が終わるまでゼガンと一緒に遊んでな!
 こんな無口な奴と付き合えるのは俺かお前だけだし、
 俺も不思議に思うんだが、本当にゼガンといて楽しいか?)


私は首を縦に振ってニコっと笑った。


(まあ俺もお前も変わってるって事だな!)

私はそんなたわいない話がとても幸せに感じた。
朝食の間もオジさんの膝の上で食べた。

最初はおじさんの正面に座って食べてたら、
オジさんの精悍な顔と昨夜一緒に寝た胸板の硬さやデコのキス等を
悶々と思い出して赤面して顔を合わせるのが恥ずかしくしてたら、

(熱があるのか?)
と心配されたので走ってオジさんの膝の上に乗って私は誤魔化した。


(甘えん坊だなー)

と頭を撫でながら私はオジさんの膝の上で食べていた。
もちろんアーン付きで...。

でも、耳元でオジさんの息がかかった時、
ふと”汗臭い”と言われた事を思い出して横に座ろうとしたら、

(お前 落ち着きがねーよなあ!男はドッシリ構えとかないとモテねーぞ)

といいながら結局元の位置に戻された。



朝食が終わったらオジさんは
さっさと仕事?に出かけたので、私も温泉に向けて洞窟を出た。

【楽しみ! チビ!コーンいる?】

すると近くにいたみたいで直ぐに来が、

(場所なら我も知っておる..我に乗って先に向かうぞ...)

お兄ちゃんは私の襟を咥え、ヒョイと首を上に向け回転させ背に乗せた。
私は宙返りしてお兄ちゃんの背に着地した。

【び.....びっくりした。】

私が背に乗るのを確認したらお兄ちゃんは飛び立った。

【チビとコーンが...】

(後で来る...)


ルー君の時は宙ぶらりんで、恐怖そのものだったが空の旅は意外と怖くなかった。
お兄ちゃんの背はなぜか掴まらなくてもいいくらい安定して
しかも、温かかった。

【なんで温かいの?】

(我の魔力で覆っておる...故に落ちる心配も寒さも心配ない)

【へえーそうなんだ。気持ちいいね!今度また、乗せてくれる?】

(ああ...)





ルー君の時の飛行とは違い、存分に楽しみながら目的地へと着いた。
そこは岩場で天然の隠れ露天風呂みたいな風景で、
湯も入浴剤が入ってるみたいに白っぽくて透けて見えない色をしていた。
しばらくするとチビ・コーンがそれぞれ入れ替わりに到着した。


私はこれだったら、裸でも大丈夫そう...と思い
3人ともあっちを向いて!と指をさして言い
こちらを向いていない事を確認して裸になって入った。


【うーん気持ちいい!!やっぱり日本人は温かい熱い温泉よねー
 疲れが取れていく見たい!ふーーーーーーっつ】

(入る!)
チビも入って器用に泳いでいた。
コーンはプカプカと浮いて漂っていた。
お兄ちゃんも奥の方で半分ぐらい浸かれる所で目をつぶって座っていた。


私はコーンの背中にうつ伏せに乗り泳ぐようにグルグルと周辺を回った。
シャチに乗って川辺を泳ぐ映画を見た時のワンシーンの夢のような感じで
私はウカレテいた。.....。
つまり.......私は熱い温泉の熱にのぼせてしまい寝てしまった....。

私が目が覚めると素っ裸でうつぶせに岩の上に寝ていた。
仰向けじゃなかったのが唯一の救いだが、
私を囲むようにチビ・コーン・お兄ちゃんが座って見ていた。

うつぶせの状態で私は、(あーなんで素っ裸ー布ぐらい巻けばよかった....)
私は女として心の中で後悔しまくった。
今この状態でも”おしり”丸出しなのはわかってるから

【今すぐ全員目をつぶってーーーーーーーーーー】


コーンとチビは目をつぶったが、
お兄ちゃんが目をつぶってなかったから、私は怒りながら言った。
【お兄ちゃん目をつぶってって言ってるでしょー】

(.......なんでだ。
 人間は裸が恥ずかしいのか?無意味だ。
 お前が気を失ってる間ずっとお前を見ていた....。
 ドラゴンは一度覚えた事は忘れる事は無い。目を閉じた所で意味はない。)

(とにかく嫌なの!恥ずかしいの!
 お・お兄ちゃん怒るよ!)

(............)

私はお兄ちゃんが目をつむったのを確認して急いで着替えた。

その後、私は恥ずかしくて自分の中で悶々として
お兄ちゃん・チビ・コーンが何か話しかけても上の空で無言で座っていた。

(ライル...また戻る...)

ゼガンはショックを受けたのかどこかへ飛んで行ってしまった。


【お兄ちゃん?もしかして、何か話しかけた?】

(うん!)
(ああ....)

チビとコーンはそれぞれに答えた。

【私頭いっぱいで無視しちゃったんだ。........もうバカバカ】
私は自分で自分の頭をたたきまくった。





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