4 / 9
イザベルと王子
マリアンヌの登場
しおりを挟む
庭にやってきてからしばらくして、急展開が訪れた。
突然現れた女性は、艶やかな髪と明るい緑色のドレスを身に纏っている。
自信満々な表情で堂々と言い放つ。
「フィリップス殿下!お会いできて光栄ですわ!」
彼女は間違いなくフィリップス王子の幼馴染みだと有名なマリアンヌ・コルベール公爵令嬢だった。
マリアンヌが来てからは、王宮の廊下が一気に騒がしくなる。
二人は仲良さげに並び立ち、ますます取り巻きが集まってしまう始末だ。
それでもイザベルは心配せずに見守る。
この時点ではまだフィリップス様に好意を持っていないし、何より二人は楽しそうだからいいやと思ってしまう。
そのうち会話は流れ始めた。
「ねぇ……今度一緒に食事会はいかがかしら?きっと楽しいわ!」
マリアンヌは積極的に誘う。
「あぁそうだな。考えておくよ」
彼は微笑む。
そんなやりとり見聞きしているうちに、複雑な気持ちが混ざり始めていた。
もし仮にフィリップス様を受け入れた場合、彼女との未来を描けなくなるのではないかと考える。
もちろん選択肢が無いわけでもない。
しかしこれ以上深追いすると、厄介事は増えそうな気がしていたため迷い続けた。
その日の夜、侍女メアリーに相談を持ちかけた。
「どうしたものかしら……」
悩むイザベルに対して、侍女は冷静な返答を述べてくれる。
「まずは落ち着いてくださいませ。もしフィリップス王子が結婚したいと考えていらっしゃるのであれば、もう結婚しましょう!!」
断言するような力強さ感じる言葉聞いて、一瞬安心感を得ることができた。
やっぱり結婚するしかないかな。
権力は手に入るし、悪いことじゃないよね。
決意を固めて寝床についた。
翌朝、早速行動に移す。
とりあえずお返事を伝えるために、フィリップス様の所へ向かった。
廊下曲がり角突き当たりまで来た瞬間、驚愕する光景に出くわす。
なんとフィリップス王子がマリアンヌとキスをしていた。
二人が唇を重ね合わせているなんて。
衝撃があまりにも大きくて頭が真っ白になり、足元から崩れ落ちてしまった。
気が付いたら、自分の部屋のベッドの上で横になっていた。
一体どこまで見ていたんだろう……。
思い出そうとしても全く脳裏に浮かばず、ぼんやりとした記憶が残るだけ。
不安を募らせていた時だった。
侍女の呼びかける声が聞こえてくる。
「お嬢さま、ご気分は如何でしょうか?」
ゆっくり体を起こして尋ね返した。
「えっとあの後、倒れたんじゃなかったかしら」
メアリーは小さくうなずいて教えてくれる。
「そうです。王子様の部屋の前から連れ戻しました。あなた様は相当ショックをお受けになっておりましたから、少し休まれてはいかがでしょうか?」
優しい助言を頂戴しながら、少しずつ落ち着き始めるよう努力した。
突然現れた女性は、艶やかな髪と明るい緑色のドレスを身に纏っている。
自信満々な表情で堂々と言い放つ。
「フィリップス殿下!お会いできて光栄ですわ!」
彼女は間違いなくフィリップス王子の幼馴染みだと有名なマリアンヌ・コルベール公爵令嬢だった。
マリアンヌが来てからは、王宮の廊下が一気に騒がしくなる。
二人は仲良さげに並び立ち、ますます取り巻きが集まってしまう始末だ。
それでもイザベルは心配せずに見守る。
この時点ではまだフィリップス様に好意を持っていないし、何より二人は楽しそうだからいいやと思ってしまう。
そのうち会話は流れ始めた。
「ねぇ……今度一緒に食事会はいかがかしら?きっと楽しいわ!」
マリアンヌは積極的に誘う。
「あぁそうだな。考えておくよ」
彼は微笑む。
そんなやりとり見聞きしているうちに、複雑な気持ちが混ざり始めていた。
もし仮にフィリップス様を受け入れた場合、彼女との未来を描けなくなるのではないかと考える。
もちろん選択肢が無いわけでもない。
しかしこれ以上深追いすると、厄介事は増えそうな気がしていたため迷い続けた。
その日の夜、侍女メアリーに相談を持ちかけた。
「どうしたものかしら……」
悩むイザベルに対して、侍女は冷静な返答を述べてくれる。
「まずは落ち着いてくださいませ。もしフィリップス王子が結婚したいと考えていらっしゃるのであれば、もう結婚しましょう!!」
断言するような力強さ感じる言葉聞いて、一瞬安心感を得ることができた。
やっぱり結婚するしかないかな。
権力は手に入るし、悪いことじゃないよね。
決意を固めて寝床についた。
翌朝、早速行動に移す。
とりあえずお返事を伝えるために、フィリップス様の所へ向かった。
廊下曲がり角突き当たりまで来た瞬間、驚愕する光景に出くわす。
なんとフィリップス王子がマリアンヌとキスをしていた。
二人が唇を重ね合わせているなんて。
衝撃があまりにも大きくて頭が真っ白になり、足元から崩れ落ちてしまった。
気が付いたら、自分の部屋のベッドの上で横になっていた。
一体どこまで見ていたんだろう……。
思い出そうとしても全く脳裏に浮かばず、ぼんやりとした記憶が残るだけ。
不安を募らせていた時だった。
侍女の呼びかける声が聞こえてくる。
「お嬢さま、ご気分は如何でしょうか?」
ゆっくり体を起こして尋ね返した。
「えっとあの後、倒れたんじゃなかったかしら」
メアリーは小さくうなずいて教えてくれる。
「そうです。王子様の部屋の前から連れ戻しました。あなた様は相当ショックをお受けになっておりましたから、少し休まれてはいかがでしょうか?」
優しい助言を頂戴しながら、少しずつ落ち着き始めるよう努力した。
4
あなたにおすすめの小説
冬薔薇の謀りごと
ono
恋愛
シャルロッテは婚約者である王太子サイモンから謝罪を受ける。
サイモンは平民のパン職人の娘ミーテと恋に落ち、シャルロッテとの婚約破棄を望んだのだった。
そしてシャルロッテは彼の話を聞いて「誰も傷つかない完璧な婚約破棄」を実現するために協力を申し出る。
冷徹で有能なジェレミア公爵やミーテも巻き込み、それぞれが幸せを掴むまで。
ざまぁ・断罪はありません。すっきりハッピーエンドです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
婚約破棄されたので、ミドリアイランドの住人を買収して国を統合します
常野夏子
恋愛
婚約破棄——それは、リリアーナ・ヴァルディスから
「王子の婚約者」という肩書きを奪った。
だが同時に、彼女を縛っていたすべての“正しさ”を解き放つ。
追い出されるように向かった辺境の地、ミドリアイランド。
そこは王国から見捨てられ、
しかし誰の支配にも完全には屈していない、曖昧な土地だった。
ノーア帝国物語 愚か者の王太子が娼婦に夢中で王家断絶してしまいました
有栖多于佳
恋愛
古代ローマ時代に酷似したノーアの国では長く三英雄の一族による寡頭政治が行われていたが、王太子が戦勝パーティーで婚約者のユリアに婚約破棄を告げたことにより、その治世が崩れていく。その訳は王太子だけが知らなかったのだが。古代を舞台にしたざまあです。
やんちゃな公爵令嬢の駆け引き~不倫現場を目撃して~
岡暁舟
恋愛
名門公爵家の出身トスカーナと婚約することになった令嬢のエリザベート・キンダリーは、ある日トスカーナの不倫現場を目撃してしまう。怒り狂ったキンダリーはトスカーナに復讐をする?
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる