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罪013
しおりを挟む俺達が街へと踏み入れる前に、ケンタウロスの男兵士が出迎えてくれた。
赤い髪のイケ面な顔立、顔だけで充分に何か幸せが舞い込んできそうな、それ程のオーラがある。
馬の部位にも、鎧を纏い、もう、馬人戦車と言っても良いだろう。
裸体の上から纏った甲冑。そこから覗く腹。
身体も良い感じに引き締まり、腹筋はバキバキに割れている。
華奢な俺が更にガリガリに見えてしまう程である。
一緒に風呂には入りたくないタイプだ。
「緑髪の美人の竜騎士、卑猥な目をした茶髪、黒ローブの男。それに同じ服装、髪型の女…ん?1人足らないようですが?」
駄目だ、妹設定にした事で、ややこしい事になってしまった。
パルメには後で、キチンと説明しておこう。
どうやら、このイケ面ケンタウロスはパルメの弟さんらしい、詰り、この国の王子様って訳だ。
彼の名前は、ゴルゴン・サジタリアン。
「俺は 佐藤 真白、こっちは 佐藤 クルルです。」
「姉上が待ち侘びて居ります。さぁ、真白様こちらへ。」
城まで続く道に、甲冑を着たケンタウロス達が左右に立ち、ラッパを吹く!
それと共に、ドラムの音が鳴り響き、宛らパレードの様である。
基本、ケンタウロス達は皆、馬の部位にも服を着ている。
スカートやら、布を掛けているだけの人も居れば。鎧や、ズボンを履いている人も居る。
下着とかどうなってるんだろうか。
興味を注ぐ服装だな。
街人、いや、街馬人達は皆、黄色い声援を上げている。
「きゃー。ゴルゴン様ー!」
「え?パルメ様の婿様って人間なの?」
「あの人何処かで見た事あるんだけど。」
皆、色々と声援を送ってくれているが、殆どが、イケメン王子に向けて送られている声援だ。
城の入り口を抜け、城内へと入った所で、ゴルゴンが口を開いた。
「真白様、姉上からお話は伺っております。今回、ケンタウロス達を助けて頂き、感謝致します。」
「んー。いや、結局の所、倒したのはパルメなんだけどね。ゴルゴンさん、そんな堅苦しい話し方しなくても良いですよ。」
ゴルゴンさんは驚いた顔をし、直ぐ様、表情を変え、イケメンスマイルを俺に放ってきた。
キラリと光る白い歯。眩しいぜ!
「流石は兄上となるお方、心が海の様に広い!では兄様、部屋はメイド達が案内します。俺は用意があるのでこれで失礼します。」
おいおいおいおい。兄様って何だ?
凄く嫌な予感しかしないのだが…。
城内は何処も豪華な装飾がされていて、この国の豊かさが感じられる。
驚きなのはケンタウロスに合わせて、ドアなどの作りが1.5倍ほど大きい事だ。
余りの豪華さに緊張した俺とは違ってクルルは落ち着いている。
「主人様、まるで…漆黒のジャングルを弄り抜け…やっと辿り着いた…秘密花園の様ですね…。」
「ん………?あぁ、凄い豪華で、凄い場違いだな…俺達。」
クルルの官能表現に突っ込む余裕もない程に俺は緊張していた。
メイド服を着たケンタウロス達が、俺達を部屋へと案内してくれる。
「では、こちらでお待ち下さい。」
案内された部屋も豪華である。
更に緊張が高ぶり、トイレに行きたくなって来たんだが…こういう場所のトイレって、1人で行くと迷いそうなんだよな。
部屋を出ようとするメイドを呼び止め!場所を聞くことにした。
「すいません!トイレに行きたいんですが?」
「といれ?ですか?」
どうやら、トイレという言葉は、この世界では使われていないらしい…何といえば伝わる?厠?便所?
すると、クルルがボソリと…指を振りながら答える。
「あの…たぶん…主人様は個室に入り込み…、欲情に塗れた竿を曝け出し….、そこから聖水を吹き出します。それはジョボジョボと卑猥な音を立て…己の恥辱に塗れた液体を全て欲望のままに吐き出します…。終わってしまえば…、まるで…一夜限りの出来事の様に…、その行為を綺麗サッパリ忘れるかの様に….、その出し切った欲望という名の体液を洗い流してしまう…そう言った場所の事を言っているのかと思います。」
「逆に訳わからんわ!」
思わず突っ込んでしまったが…。
たった3文字しかないトレイの説明に、そこまでの長文ストーリーは要らないだろが。
まさか、クルルがここまでの官能表現女だとは思いも寄らない事だが、こんなにスラスラと話をしてくれる様になった事は、喜ばしい事なのだろうか…。
クェスチョンマークが出るような表情で首を傾げるメイド、もう1人のメイドが横から囁やく。
「御不浄の事じゃない?」
「あーなるほど。こちらです。」
何だと!クルルの説明で伝わったのか!
驚きは隠せないが、排尿感はもっと隠せない。
俺は縺れた脚で、御不浄とやらに駆け込んだのだった。
ーーーーー 何だ!これは…。
便器が風呂桶の様にでかい。
人間が大をする為には、かなりの開脚をしなければ
便器を跨ぐ事すらままならない。
それこそ、開脚に力尽きてしまえば、便器に真っ逆様である…。
ケンタウロスの御不浄とやらは…余りにも危険な場所だった。
「ふぅ。小で良かった。」
俺はホッと心を撫で下ろし、チャックを下げ降ろしたた。用を足し、鼻歌交じりに手を洗っていると、パカパカと走る蹄の音が勢い良く通り過ぎていった。
何だか凄い急いでいたが?
俺は先ほどの部屋に戻り扉を開けた。
すると、そこには赤い髪をサラリと靡かせ、頭にはティアラをつけた、白いドレスの美女が立っていたのである。
「おお!待ち兼ねたぞ旦那様!よく来てくれた!あ、あ、あの、2人に話があるのだが…まぁ、ソファーに掛けてくれてないだろうか?」
「この声は…パルメなのか…。」
パルメが全くの別人になっていたのである。
髪の毛や服装でこんなに変わるのか…。
言われるまま俺達がソファーに座ると、パルメは向い側の大きなソファへと上がり、膝を折る様に座り込んだ。
そうやって、座るんだ…。
少し間を開け、静寂が漂う。
パルメの奴、何か緊張してやがるな?
何だか更に嫌な予感がする…。
するとパルメは咳払いをし、語り始めたのだった。
しかも、クルルに向けて…。
「クルル、お前は真白を愛しているか?」
「私は…身も心も主人様に捧げています。」
「済まないが、元奴隷だったと?それは、愛故の気持ちなのか、付き従う思いからの気持ちなのか?聞かせてもらえないだろうか?」
おいおい、そんな事、もし、後者なら俺はどう答えたら良い…。聞きたく無い。俺はクルルを愛している。
それは同情などでは無く、歴とした愛情でだ。
俺も彼女への愛が増すにつれ、その事は触れたくても触れられない禁句の言葉になってしまった。
彼女の気持ち…。それは俺だって知りたいが、答えによっては
「待ってくれパルメ!それは聞かないでくれないか?」
俺の制止を気にする事なく、クルルが食い付く。
「主人様、私はあなたを推したい申しております。始めは奴隷故の義務として、接しておりました。でも、それは泡のようにパチンと消えて行き、透き通った水が顔を出し、それはあなた色へと染まっていきました。私は愛しています!あなたの側に居る事が、私の運命であり、使命であり、生命と等しきそんざいです。」
「ご馳走さまだ!クルル!私はこの男を愛している。お前には負けない程の気持ちでいる。だが、お前達の仲を引き裂くとかは無い、私は2番手でも構わない、いや、寧ろ2番手では無いと嫌な程だ!そこでだ、どうか、この男との結婚を許してもらえないだろうか?」
「私は別に構わないですが、主人様が妻を何人持とうが誰にも負ける気はありませんので。」
「そうか、有難う。私も同じく負ける気は無い!この男がプロポーズを受けてくれるならば、私はお前のライバルであり、家族だ!その時はよろしく頼む!」
「はい!」
「旦那様、会話を聞いて分かってはいるだろうが、改めてお願いしたい!私を!私をお前の妻にして貰えないだろうか?お前しか有り得ないんだ。必ずお前の心を私に向けてみせる!その為ならどんな努力も惜しまないつもりだ!急ではあるが、今から私の父にあって欲しい。答えはそれから聞かせてくれ。」
「えーーっ!いきなり親父さんに、いや、国王様に会うのかよ…。」
これはもう、逃げる事は出来なさそうだ…。
何だこの急展開は、いつからパルメは俺にそんなに好意を抱いていたのだろうか?
これは媚薬のせいなのか?
俺とクルルはパルメに連れられて王室へと足を踏み入れたのだった。
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