婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~

白井

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舞踏会7

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「あらあら、あれだけ目立っておいてこんなところに引っ込んでいるなんて、主催者が泣くわよ」

「セシリア様!」

「もう、セシリアでいいわよ。ね、ステラ」

 セシリアははしばみ色の瞳を片方ばちんと閉じてウインクをする。
 豪奢な青い夜会ドレスを着た彼女は品がありながらもむしろ快活に見えた。
 おずおずと「セシリア……」と口にすると、彼女は嬉しそうに笑う。

「あなたねえ、ステラを独り占めするなんてどういう了見よ。こんなブローチまで用意して、心が狭すぎるのよ」

「なんとでも仰ってください。私がいない隙に他の男が近づくなんて二度とごめんです」

 ハウンドとセシリアはやはり気安い関係のようだった。

「仲がいいのね」

 純粋な感想だった。
 バーンズ侯爵家の娘と仲がいいということはハウンドの正体を知るヒントになるかと思ったくらいだ。
 しかし二人は心底うんざりしたように否定した。

「心外です。私はステラ様だけですよ」

「私だって生まれた時からアーノルド一筋よ!」

 疑っていたわけではないが、二人の様子から何度も揶揄されたのだろう。
 借りるわよ、と不満げなハウンドを置いてステラ手を引きデザートのテーブルに向かう。

「あなた、ハウンドにほだされてない? 顔とかに」

「そ、そんなことはないと思うけれど」

 胸を張って否定できるほどの自信はステラにはなかった。

「二人は昔からの付き合いなの?」

「ええ、まあね。とはいってもあいつはずっと領地にいたし、会ったのは最近よ。むかつく態度なのは昔から変わらないけれど」

 甘いケーキを食べながら苦々し気に語るセシリアだが、ステラにとっては意外な情報もあった。

(ハウンドがむかつく態度?)

 ステラにとってハウンドはいつも物腰穏やかだった。
 目的が分からないうちは奇妙で恐ろしいと思わないこともなかったが、基本的にはずっと優しすぎるくらいに優しい。

「ハウンドにとってあなたは特別なんだと思います」

 セシリアはふきだすのを抑えようとして、無理だったようで扇子を広げて口元隠しながら笑っていた。

「違うわ。逆よ逆! あいつは誰に対してもどうでもいいというか、見下してるというか。まあ天才だから仕方ないのかもしれないけれど。あなただけが特別なのよ」

 知らない話がぽんぽんと出てくる。

「天才ってなにかあったの?」

 ステラが困惑しているとフルーツを小さく切っていたセシリアは何かを考えているように大人しくなり、そして顔を青くさせた。

「まさかステラ。まだハウンドの家のこと知らないの?」

「わ、私はなにも。名前しか教えてもらっていないし、馬車の家門もよく見えなくて。昔会ったことがあるみたいなんだけれど」


「ああ……。あなたは小さかったものね」

 セシリアはステラの胸で輝くブローチに不愉快そうに視線を落とした。

「あいつ、そんなブローチまで用意して……。これ見よがしにお揃いにして、独占欲丸出しじゃない」

 どきっとして思わずブローチに指で触れる。

「あの、やっぱりこのブローチって」

 そういうことなのだろうか。

「虫よけに決まってるわよ。あいつのラペルピンも同じ宝石だったし……え、まさか気付いてなかったの? ということはステラに了承なしってこと? 信じられない」

 言われてみればハウンドのラペルピンも薄紅色の宝石だった。
 しかし目の色と合わせているのかと思って納得していたのだ。珍しいと思った
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