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真実と薔薇の庭3
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「デリック、それすごいメダルなんじゃなかったの? あの子にあげちゃうの?」
「黙ってろよブリジット。あとついてくんな」
腹の虫がおさまらないデリックは、一人で子供たちの荷物置きの部屋に向かった。
屋敷の中では大人たちが談笑しており、人目を避けるように移動しているデリックの存在には気づいていない。
「あった。これだ。……ふん、あいつ、気味の悪い目の色をしやがって。俺に逆らうならどうなるか思い知らせてやる」
デリックはハウンドが持ってきていた革の鞄に自分のメダルを滑り込ませる。
部屋は屋敷の中でも奥まった場所にあったが、子供の荷物に興味を持つ者も誰もいないので目論見は容易に達成できた。
そしてさっきまでいた庭に戻り、大声で叫ぶ。
「メダルがない! 誰かが盗んだんだ!」
走り回っていた子供たちは驚いて顔を見合わせる。
デリックがあれだけ自慢げにしていたメダルのことだろう。
盗みという異常事態に子供たちは顔を青くする。
「お前らのうちの誰かか?」
デリックはふんぞり返ってポケットをチェックしはじめる。
誰も覚えがないと困惑している。
デリックが自分でハウンドの鞄にいれたのだから当然なのでてきとうに切り上げた。
そしてブリジットに目配せする。
ブリジットは真っすぐにハウンドを指さした。
「さっきあの子が持っていくのをみた気がするわ」
「お前か。さっきのことで怒ってんだろうが、盗むのは犯罪だぜ」
「盗んでいない」
「じゃあ調べても問題ないよな」
ハウンドは頷いた。
あれだけ見せまわっていたのだから、デリックがどこかで失くしたのだろうとしか思えなかったのだ。
ハウンドは正直にポケットを見せたり上着を脱いだりした。
メダルはないものの、デリックもそれは分かっている。
「いや、ブリジットは持っていったって言ったんだ。おい、気色悪い赤眼野郎。鞄の中を見せろよ」
「ご自由にどうぞ」
ハウンドはため息をついて面倒そうに許可する。
事実、覚えのないことで絡まれるのは面倒なのだろう。
それがまたデリックをむかつかせる。
さあ鞄を持ってくるぞといったところで、不安になった子供の誰かがまた大人を呼んだらしい。
窃盗だということで、今度はさすがに子供の喧嘩といった雰囲気ではない。
デリックは内心余計なことを、と思った。
大事にするのではなく、とにかくハウンドに恥をかかせたかっただけなのだ。
全てデリックが仕組んだことなので、ばれたらどうしようと不安な気持ちが顔を覗かせる。
使用人がハウンドの鞄を持ってきて、みんなの前で中身を検める。
するとメダルが出てきた。デリックが入れたので当然だ。
「どうして……」
「黙ってろよブリジット。あとついてくんな」
腹の虫がおさまらないデリックは、一人で子供たちの荷物置きの部屋に向かった。
屋敷の中では大人たちが談笑しており、人目を避けるように移動しているデリックの存在には気づいていない。
「あった。これだ。……ふん、あいつ、気味の悪い目の色をしやがって。俺に逆らうならどうなるか思い知らせてやる」
デリックはハウンドが持ってきていた革の鞄に自分のメダルを滑り込ませる。
部屋は屋敷の中でも奥まった場所にあったが、子供の荷物に興味を持つ者も誰もいないので目論見は容易に達成できた。
そしてさっきまでいた庭に戻り、大声で叫ぶ。
「メダルがない! 誰かが盗んだんだ!」
走り回っていた子供たちは驚いて顔を見合わせる。
デリックがあれだけ自慢げにしていたメダルのことだろう。
盗みという異常事態に子供たちは顔を青くする。
「お前らのうちの誰かか?」
デリックはふんぞり返ってポケットをチェックしはじめる。
誰も覚えがないと困惑している。
デリックが自分でハウンドの鞄にいれたのだから当然なのでてきとうに切り上げた。
そしてブリジットに目配せする。
ブリジットは真っすぐにハウンドを指さした。
「さっきあの子が持っていくのをみた気がするわ」
「お前か。さっきのことで怒ってんだろうが、盗むのは犯罪だぜ」
「盗んでいない」
「じゃあ調べても問題ないよな」
ハウンドは頷いた。
あれだけ見せまわっていたのだから、デリックがどこかで失くしたのだろうとしか思えなかったのだ。
ハウンドは正直にポケットを見せたり上着を脱いだりした。
メダルはないものの、デリックもそれは分かっている。
「いや、ブリジットは持っていったって言ったんだ。おい、気色悪い赤眼野郎。鞄の中を見せろよ」
「ご自由にどうぞ」
ハウンドはため息をついて面倒そうに許可する。
事実、覚えのないことで絡まれるのは面倒なのだろう。
それがまたデリックをむかつかせる。
さあ鞄を持ってくるぞといったところで、不安になった子供の誰かがまた大人を呼んだらしい。
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デリックは内心余計なことを、と思った。
大事にするのではなく、とにかくハウンドに恥をかかせたかっただけなのだ。
全てデリックが仕組んだことなので、ばれたらどうしようと不安な気持ちが顔を覗かせる。
使用人がハウンドの鞄を持ってきて、みんなの前で中身を検める。
するとメダルが出てきた。デリックが入れたので当然だ。
「どうして……」
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