54 / 161
第4章 甘い砂糖には裏がある75%
07
しおりを挟む
(……普通?)
開いた唇に指を添えると、自ら放った言葉に疑問を抱く。
「ふ~ん。帰るってそういうことか。普通……ね?」
ニヤニヤ笑う尾鷹が四つん這いで近くと、獣のように郁哉に飛び付いてくる。ソファーに仰向けに倒されると、覆いかぶさる尾鷹の瞳に射抜かれる。
肉食獣よろしく舌舐めずりをすると、郁哉の首筋に噛み付いてきた。肌がチクリとしたのは、歯が食い込んだ訳ではなく吸い付かれたからだ。
その部分を甘噛すると、舌先で肌を転がし、郁哉の耳朶をパクリと食む。パクパクと咥えながら、低音で甘く囁いてくる。
「ねぇ郁哉、さっきのじゃ満足できなかったよね? 俺もまだ足りない。郁哉の酔った姿も唆るけど、エロイ声は聞けてないし、ちゃんとゆっくり優しく抱きたい。郁哉の身体の隅々を舐め尽くして甘く溶かしたい。郁哉が望むように普通に……セックスしよ?」
官能を誘う低音と言葉に、郁哉はまたムラムラとし出してしまう。
なぜこんなに尾鷹に敏感に反応してしまうのか、自分自身が理解できない。
「……なんで、なんで那津は俺を抱きたいんだよ。那津ならほかにも一杯……」
「なんでって……郁哉がいいから」
「それ、全然答えになってないし」
「そう? なら郁哉はなんで俺を拒まないの? 前みたいに暴れて唇でも舌でも切り裂けばいいでしょ。ほら……」
唇を合わせて舌を潜り込ませる。尾鷹はいつでも噛んでいいよ……とでも言うように、ふっくらと弾力のある唇を郁哉の歯列に乗せてくる。
郁哉はまつ毛を震わせると、ゆっくり瞼を閉じ尾鷹の首に腕を回し身体を預けた。それを了承と取った尾鷹は、郁哉の身体を軽々と持ち上げ寝室へと足を進めた。
そっとベッドに郁哉を横たえると、髪を梳きながら顔中にキスをしてくる。恥ずかしさに瞳を潤ませると、クスッと微笑み掛けてきた。
明かりが煌々と点いた室内に頬を染めながら、見下ろす尾鷹の視線から逃れるように瞳を彷徨わせる。
下肢を晒したことは何度もあるが、いざ合意の上でセックスに及ぶとなると気になるものだ。
「……電気……消さないの?」
「ああ、郁哉の全部を見たいから」
「変なの……俺、痩せてるし女より背だって高いし。ちんこも付いてる。胸だって……あうッ!」
「前にも言ったでしょ? 性別なんて些細なことだって。郁哉のペニスは綺麗で美味しい。それに胸ならちゃんとここにある」
部屋着のTシャツの上から胸を弄られ、乳首をキュッと抓られる。
ジーンとする仄かな刺激に、早速変な声を上げてしまう。
「あぅッ!」
「胸は初めてだね。ちゃんとここも感じるんだ」
「んっ、そんなッ感じてなんか」
「ふ~ん。ならこれはどう?」
Tシャツを捲られ、乳輪を擽るように尾鷹の唇が触れてくる。
こそばゆさにケラケラと笑ってしまう。そんな郁哉に、尾鷹はニヤリと口角を上げた。
「余裕って感じ? なら本気出さなきゃね」
「へへっ、擽ったい。本気ってなに言って……ひうぅッ!」
開いた唇に指を添えると、自ら放った言葉に疑問を抱く。
「ふ~ん。帰るってそういうことか。普通……ね?」
ニヤニヤ笑う尾鷹が四つん這いで近くと、獣のように郁哉に飛び付いてくる。ソファーに仰向けに倒されると、覆いかぶさる尾鷹の瞳に射抜かれる。
肉食獣よろしく舌舐めずりをすると、郁哉の首筋に噛み付いてきた。肌がチクリとしたのは、歯が食い込んだ訳ではなく吸い付かれたからだ。
その部分を甘噛すると、舌先で肌を転がし、郁哉の耳朶をパクリと食む。パクパクと咥えながら、低音で甘く囁いてくる。
「ねぇ郁哉、さっきのじゃ満足できなかったよね? 俺もまだ足りない。郁哉の酔った姿も唆るけど、エロイ声は聞けてないし、ちゃんとゆっくり優しく抱きたい。郁哉の身体の隅々を舐め尽くして甘く溶かしたい。郁哉が望むように普通に……セックスしよ?」
官能を誘う低音と言葉に、郁哉はまたムラムラとし出してしまう。
なぜこんなに尾鷹に敏感に反応してしまうのか、自分自身が理解できない。
「……なんで、なんで那津は俺を抱きたいんだよ。那津ならほかにも一杯……」
「なんでって……郁哉がいいから」
「それ、全然答えになってないし」
「そう? なら郁哉はなんで俺を拒まないの? 前みたいに暴れて唇でも舌でも切り裂けばいいでしょ。ほら……」
唇を合わせて舌を潜り込ませる。尾鷹はいつでも噛んでいいよ……とでも言うように、ふっくらと弾力のある唇を郁哉の歯列に乗せてくる。
郁哉はまつ毛を震わせると、ゆっくり瞼を閉じ尾鷹の首に腕を回し身体を預けた。それを了承と取った尾鷹は、郁哉の身体を軽々と持ち上げ寝室へと足を進めた。
そっとベッドに郁哉を横たえると、髪を梳きながら顔中にキスをしてくる。恥ずかしさに瞳を潤ませると、クスッと微笑み掛けてきた。
明かりが煌々と点いた室内に頬を染めながら、見下ろす尾鷹の視線から逃れるように瞳を彷徨わせる。
下肢を晒したことは何度もあるが、いざ合意の上でセックスに及ぶとなると気になるものだ。
「……電気……消さないの?」
「ああ、郁哉の全部を見たいから」
「変なの……俺、痩せてるし女より背だって高いし。ちんこも付いてる。胸だって……あうッ!」
「前にも言ったでしょ? 性別なんて些細なことだって。郁哉のペニスは綺麗で美味しい。それに胸ならちゃんとここにある」
部屋着のTシャツの上から胸を弄られ、乳首をキュッと抓られる。
ジーンとする仄かな刺激に、早速変な声を上げてしまう。
「あぅッ!」
「胸は初めてだね。ちゃんとここも感じるんだ」
「んっ、そんなッ感じてなんか」
「ふ~ん。ならこれはどう?」
Tシャツを捲られ、乳輪を擽るように尾鷹の唇が触れてくる。
こそばゆさにケラケラと笑ってしまう。そんな郁哉に、尾鷹はニヤリと口角を上げた。
「余裕って感じ? なら本気出さなきゃね」
「へへっ、擽ったい。本気ってなに言って……ひうぅッ!」
0
あなたにおすすめの小説
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
ヤンキーDKの献身
ナムラケイ
BL
スパダリ高校生×こじらせ公務員のBLです。
ケンカ上等、金髪ヤンキー高校生の三沢空乃は、築51年のオンボロアパートで一人暮らしを始めることに。隣人の近間行人は、お堅い公務員かと思いきや、夜な夜な違う男と寝ているビッチ系ネコで…。
性描写があるものには、タイトルに★をつけています。
行人の兄が主人公の「戦闘機乗りの劣情」(完結済み)も掲載しています。
忘れられない思い
yoyo
BL
真野匠(25)は、4月から新社会人として働き始めた。
職場の歓迎会の居酒屋で7年ぶりに、高校の時の数学教師だった奥田春人(33)と再会する。
奥田先生のことは、高校生の頃から特別な存在に感じていた匠。
最寄り駅が同じであったことも判明し、そこから急速に距離が縮まっていく二人……
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる