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第9章 キラキラ砂糖は奇跡の輝き90%
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てっきり同じような香りだと郁哉は思っていた。
郁哉がキョトンとすると、尾鷹が匂いについて教えてくれた。
「この匂いは、俺達だけにしか嗅ぎ分けられない」
「えっ? それって……どういうこと?」
二人だけ……ということは、他者にはこの芳しい匂いが分からないということなのか。
「俺達が感じている匂いはフェロモンによるもの。基本的にそれは無臭のはずなんだ。人間の嗅覚では感じ取れない。けど俺達が持っているフェロモン……リラブと名付けられたそれは、恐らく人工的に作られたもの。俺は母さんの腹にいたときに受け継ぎ、郁哉は事故に遭って母さんから受け継いだ。夢の中で母さんはそれをギフトと指していた」
どんな経緯でその化学物質ができたのかは不明だが、尾鷹の母親が与えてくれた贈りもの。
「小さい頃、母さんからも同じように、お菓子を焼いたような甘い匂いがしていた。それはセックスを……いや、体液が出ると噎せ返るほど濃厚に。けど周りの人間はそれに当てられることはあっても、匂いは感じていなかった。つまり匂いを確認できるのは、リラブを持った者だけだと推測している」
以前七瀬からもラボで説明を受けていた郁哉だが、新たな事実に快感を忘れ目を拡げていた。
確かに尾鷹が刺され噎せるほどの甘い匂いが街に溢れていたはずだが、話題にも上がっていなかった。それはつまり尾鷹の推測が正しいと物語っている。
「驚いた? 郁哉には迷惑な話だよ」
「ううん。びっくりはしたけど俺、嬉しい……」
頬を染めながら郁哉は尾鷹の胸に顔を埋め、肺深くまで匂いを吸い込んだ。
「この美味しそうな那津の匂い、俺だけのものなんだって優越感が半端ないもん。もしほかにもリラブ? を持った人がいたら嫌だな。ねぇ、いると思う?」
「どうかな。少なくとも母さんと郁哉以外で、匂いを感じたことはない」
「そっか……俺も那津だけだよ? それに……那津の体液……甘くて美味しいし……ひとり占めできないのは嫌だ……」
汗ばむ厚い胸元にチロチロと舌を這わせると、ビクッと尾鷹は震えていた。
郁哉はいるかも分からない相手に嫉妬していた。
自分の男だ……誰にも渡したくない……と、執着心がムクムクと顔を覗かせる。
尖らせた舌で乳輪を刺激すると、ぷくりと尾鷹の乳首が顔を出す。
「ん……っ、こらッ、そんなことをしていると、またドロドロになるまで犯すぞ」
「うん……いいよ? 今日はゆっくり……なんでしょ?」
クイッと顎を上向かせられると、尾鷹は唇を緩く愛撫しそのまま深く塞いできた。
ちゅくちゅくと口腔を一頻り嬲ると、糸を引きながら唇が離れていく。
「郁哉が望むのならいくらでも。たっぷりと愛し合おうか」
その言葉を切っ掛けに、二人はまたベッドを淫らに軋ませる。
Return Love──。
愛を返し、その愛を受け取り、また愛を返す。
限りのない永遠に紡がれる愛の受け渡しは、夜が明けるまで甘い匂いを室内に漂わせ飽きることなく続けられた──。
**第1部 完**
第2部──❥To be continued……
郁哉がキョトンとすると、尾鷹が匂いについて教えてくれた。
「この匂いは、俺達だけにしか嗅ぎ分けられない」
「えっ? それって……どういうこと?」
二人だけ……ということは、他者にはこの芳しい匂いが分からないということなのか。
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以前七瀬からもラボで説明を受けていた郁哉だが、新たな事実に快感を忘れ目を拡げていた。
確かに尾鷹が刺され噎せるほどの甘い匂いが街に溢れていたはずだが、話題にも上がっていなかった。それはつまり尾鷹の推測が正しいと物語っている。
「驚いた? 郁哉には迷惑な話だよ」
「ううん。びっくりはしたけど俺、嬉しい……」
頬を染めながら郁哉は尾鷹の胸に顔を埋め、肺深くまで匂いを吸い込んだ。
「この美味しそうな那津の匂い、俺だけのものなんだって優越感が半端ないもん。もしほかにもリラブ? を持った人がいたら嫌だな。ねぇ、いると思う?」
「どうかな。少なくとも母さんと郁哉以外で、匂いを感じたことはない」
「そっか……俺も那津だけだよ? それに……那津の体液……甘くて美味しいし……ひとり占めできないのは嫌だ……」
汗ばむ厚い胸元にチロチロと舌を這わせると、ビクッと尾鷹は震えていた。
郁哉はいるかも分からない相手に嫉妬していた。
自分の男だ……誰にも渡したくない……と、執着心がムクムクと顔を覗かせる。
尖らせた舌で乳輪を刺激すると、ぷくりと尾鷹の乳首が顔を出す。
「ん……っ、こらッ、そんなことをしていると、またドロドロになるまで犯すぞ」
「うん……いいよ? 今日はゆっくり……なんでしょ?」
クイッと顎を上向かせられると、尾鷹は唇を緩く愛撫しそのまま深く塞いできた。
ちゅくちゅくと口腔を一頻り嬲ると、糸を引きながら唇が離れていく。
「郁哉が望むのならいくらでも。たっぷりと愛し合おうか」
その言葉を切っ掛けに、二人はまたベッドを淫らに軋ませる。
Return Love──。
愛を返し、その愛を受け取り、また愛を返す。
限りのない永遠に紡がれる愛の受け渡しは、夜が明けるまで甘い匂いを室内に漂わせ飽きることなく続けられた──。
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第2部──❥To be continued……
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