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そら汰★

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「ククッ、少しは分かっているね」
「……なにがだよ」
「雪ちゃんの脳みそはちゃんと機能してるってこと」
「はぁ? 俺そんなになにも考えてないように見えるの?」
「そういう訳じゃないけどね。あぁ、このカフェ結構有名だよね。顔面偏差値が高いって女子が騒いでいた場所だ」

 胸ポケットに手を当てると、先ほどまであったはずの名刺がなくなっていた。振り返ると蒼海が持っているではないか。

「ちょっ、お前……いつの間に! 返せよ!」

 手を伸ばし名刺を奪い取ろうとすると、ひらりと交わされてしまう。手足の長い蒼海なのだ。背伸びをしたところで届くはずがない。

「雪ちゃんには似合わないお店だよ」
「それはお前が決めることじゃない。あーー腹立つーー! 決心付いた! 絶対ここでバイトする! 見ていろよ? 人気ナンバーワンになってやるからな!」

 カフェで人気もなにもないが、売られた喧嘩は買う主義だ。ぴょんぴょん跳ね腕を伸ばすと、手首を掴まれ壁に押し付けられてしまう。

「駄目だよ。雪ちゃんは僕達だけの雪ちゃんだから」
「なに訳分かんないこと──ッ! んッ、んんッ──!」

 下からすくい上げるように唇を奪われ、深く舌を差し込まれてしまう。静かになったトイレの個室には、リップ音と鼻から抜ける吐息が響いていた。
 抵抗し強張る身体はすぐに力が抜け、膝か震えてしまう。蒼海のキスは身体中を舐められているようで気持ちがいい。
 緩んだ脚の間に割り込む蒼海の太ももが、クイクイとペニスを押し上げ冷めていたはずの身体を火照らせてくる。

「……やめッ……んッ」
「やめていいの?」

 濡れた唇をぽってりと紅く染め、涙交じりの瞳で睨み付ける。

「その顔だよ。それで良く人気ナンバーワンとか言うよね。欲情した顔で睨まれても逆効果。煽ってるようにしか見えないよ。ほら、触って? 僕の凄いでしょ? 雪ちゃんがそうさせているんだよ」

 蒼海の股間に掌を導かれると、大きく膨れ上がったペニスが制服のズボンの上からでも確認できる。存在感にゴクリと唾を飲み込んでいると、いつの間にやらズボンを緩められ直に尻たぶを揉まれていた。

「ねぇ、お尻は自分で弄った?」

 首筋に舌を這わせながらそう言う蒼海に、ふるふると首を横に振り否定と合わせて愛撫を遮る。フッと笑う唇が肌を通して伝わってくる。
 尻たぶから離れた掌にホッとする。流石にここで最後までヤル訳にはいかない。けれど成長してしまったものはどうにか処理をしなければ収まりが付きそうにない。
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