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第4幕 盛り沢山な夏休み
06
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すっかり日も落ちパークの遊園地ゾーンに着くと、お腹もいっぱいでリバースするといけないと、絶叫系はやめ、ゆったり系の乗り物をチョイスした。
「園内見渡せるし汽車で一周してみる?」
「うん。イルミネーションも綺麗だし、風が気持ちいいかもな!」
汽車に乗ると車掌さんの格好をしたスタッフが、園内の説明をしながら所々に冗談を交え、コメディータッチに乗客を楽しませてくれる。
そんな説明を聞きながら、明日はあそこに行こといくつか目星をつけていく。暑い夜でも窓のない汽車に、夜の冷んやりとした風が入り込み髪をなびかせる。
なにを見るでも新しいものばかりで、一周回るのにだいぶ時間が掛かったが、車掌さんに降りるときに笑顔で「行ってらっしゃい」と声を掛けられ、パークに居る実感が湧く。
そのあと丁度パレードが始まり、キャラクター達が音楽に合わせて園内を行進するのを少し見てから、パレードが終わる前に観覧車に行き夜景を眺めることにした。
「パレード中だから空いているな!」
「うん、もうちょっと上に行ったら夜景見えるよ」
「あっ、パレード見えるよ! ほらあそこ!」
「どこ? こっちからだと見えない」
悠斗は中腰で俺の座るほうに身体を乗り出させ、俺の頭上に腕を置くと本当だと眺めている。二人の重みで少し傾く観覧車に、落ちるんじゃないかと手すりを握り締めてしまう。
「そういえば瀬菜、観覧車のジンクス知ってる?」
悠斗は俺に顔を向けると、ニコッと微笑みながら質問をしてくる。
「ジンクス?」
「うん、縁起ものみたいな言い伝え。観覧車にもあってね……もうすぐかな?」
上を向く俺の顎を取ると、唇を重ねて舌を差し込み上顎を撫で舌を絡めてくる。急にキスをされた俺は、フルリと身体を震わせ長い口付けに力を抜くと、舌を吸い上げ離れていく行為にトロンとしてしまう。
「クスッ……いい顔しているね。気持ち良かった?」
「なんだよ……急に……」
「観覧車のてっぺんでキスすると、別れないんだって。逆にキスしないと別れるって噂もあるみたい。瀬菜と別れたくないからね。しなきゃと思って」
「そんなジンクスがあるのかよ。なら、もっとしとかなきゃ……だな」
自分から今度は悠斗の唇にちゅっとキスをして舌を絡めると、悠斗が俺の後頭部を抱えもっと深く口腔に入り込んでくる。
「ふっ、んっ、ゆう……と……そろそろ……っ」
「ん……っ、……そろそろ?」
「やけぃッ、ん……っ……見よ……」
「ふふっ……ん、そうだね……」
悠斗に下唇を指で撫でられ、これで安心だねと囁かれ赤くなりながらコクリと頷く。恥ずかしさに顔を外に向け夜景を見るが、潤んだ瞳で見る夜景はぼんやりと歪み、ハッキリと見ることができなかった。
観覧車を降りるとショップに行き、明日買う予定のお土産を物色した。誕生日にはみんなからプレゼントを色々貰った。迷惑を掛けたお礼を兼ねてお土産を渡したい。
おじさんとおばさん……。
美久さんと……オヤジとおふくろも……。
あとは、多澤と村上……。
祐一さんと佐伯さん……う~ん、悩む~。
「園内見渡せるし汽車で一周してみる?」
「うん。イルミネーションも綺麗だし、風が気持ちいいかもな!」
汽車に乗ると車掌さんの格好をしたスタッフが、園内の説明をしながら所々に冗談を交え、コメディータッチに乗客を楽しませてくれる。
そんな説明を聞きながら、明日はあそこに行こといくつか目星をつけていく。暑い夜でも窓のない汽車に、夜の冷んやりとした風が入り込み髪をなびかせる。
なにを見るでも新しいものばかりで、一周回るのにだいぶ時間が掛かったが、車掌さんに降りるときに笑顔で「行ってらっしゃい」と声を掛けられ、パークに居る実感が湧く。
そのあと丁度パレードが始まり、キャラクター達が音楽に合わせて園内を行進するのを少し見てから、パレードが終わる前に観覧車に行き夜景を眺めることにした。
「パレード中だから空いているな!」
「うん、もうちょっと上に行ったら夜景見えるよ」
「あっ、パレード見えるよ! ほらあそこ!」
「どこ? こっちからだと見えない」
悠斗は中腰で俺の座るほうに身体を乗り出させ、俺の頭上に腕を置くと本当だと眺めている。二人の重みで少し傾く観覧車に、落ちるんじゃないかと手すりを握り締めてしまう。
「そういえば瀬菜、観覧車のジンクス知ってる?」
悠斗は俺に顔を向けると、ニコッと微笑みながら質問をしてくる。
「ジンクス?」
「うん、縁起ものみたいな言い伝え。観覧車にもあってね……もうすぐかな?」
上を向く俺の顎を取ると、唇を重ねて舌を差し込み上顎を撫で舌を絡めてくる。急にキスをされた俺は、フルリと身体を震わせ長い口付けに力を抜くと、舌を吸い上げ離れていく行為にトロンとしてしまう。
「クスッ……いい顔しているね。気持ち良かった?」
「なんだよ……急に……」
「観覧車のてっぺんでキスすると、別れないんだって。逆にキスしないと別れるって噂もあるみたい。瀬菜と別れたくないからね。しなきゃと思って」
「そんなジンクスがあるのかよ。なら、もっとしとかなきゃ……だな」
自分から今度は悠斗の唇にちゅっとキスをして舌を絡めると、悠斗が俺の後頭部を抱えもっと深く口腔に入り込んでくる。
「ふっ、んっ、ゆう……と……そろそろ……っ」
「ん……っ、……そろそろ?」
「やけぃッ、ん……っ……見よ……」
「ふふっ……ん、そうだね……」
悠斗に下唇を指で撫でられ、これで安心だねと囁かれ赤くなりながらコクリと頷く。恥ずかしさに顔を外に向け夜景を見るが、潤んだ瞳で見る夜景はぼんやりと歪み、ハッキリと見ることができなかった。
観覧車を降りるとショップに行き、明日買う予定のお土産を物色した。誕生日にはみんなからプレゼントを色々貰った。迷惑を掛けたお礼を兼ねてお土産を渡したい。
おじさんとおばさん……。
美久さんと……オヤジとおふくろも……。
あとは、多澤と村上……。
祐一さんと佐伯さん……う~ん、悩む~。
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