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第6幕 計画は入念に、愛情込めて
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どんな罰ゲームを用意されるのか不安ではあるが、頑張ることには損はないと、勉強に打ち込むための切っ掛けを作る。メラメラと闘争心が湧くのは、古来から受け継がれた狩猟採集社会の男子のさがなのかもしれない。
「はは……これは寝てらんないな。悠斗、早速教えてー」
「瀬菜は英語が苦手だよね? 暗記しなきゃいけない系は大丈夫?」
「あ~~、英語嫌い。スペルの順番とか間違えちゃうんだよ。ほかの科目は夏休みの宿題で、結構覚えているかも?」
苦手科目を重点的に見てもらい、普段以上に真剣に取り組んだ。二時間ほど黙々と勉強をすると、今日は結構頑張ったし時間も遅いから解散しようということになった。
みんなが帰ると、俺はテストとは別に悠斗のプレゼントを考え始める。普段使ってもらえるもの、もし自分が貰ったら嬉しいもの。悠斗が似合いそうなもの。高価でなくてもいい。きっと高価なものは悠斗を心配させてしまうから。
一番考えがまとまるお風呂に入りながらボーッとする。お湯に肩まで浸かり、ブクブクと水遊びをする。あれでもないこれでもないと悩んでいると、長時間浸かっていることを忘れてしまう。
これはいいかもしれないと思う頃には、すっかりのぼせてしまい目眩を起こしながら浴室を出る。
フラフラとしながら水を求めてキッチンに向かうと、おふくろが帰って来ており「真っ赤な顔でなにフラフラしているのよ。お酒でも飲んだの?」と、医者でありながら未成年に対してなにを言っているんだと呆れてしまう。
水を一気に飲み「湯あたりじゃ! おやすみー」とひと言伝え部屋に戻ってベッドにダイブした。
まだ形にもなっていないプレゼントを、さてさてどうやって作ろうかと悩む。
少しでも喜んんでくれたら……。
悠斗のほんわかする笑顔が見れたらいいな……。
プレゼントを受け取る悠斗を脳裏に浮かべる。ふわりと嬉しそうに笑っている。そんな想像だけで俺も嬉しくなってくる。瞳を閉じニマニマしているうちに睡魔に襲われ、幸せを感じながら眠りについた。
***
ここ何日か学校が終ると四人で俺の家か、悠斗の家で勉強漬けな日々が続いていた。罰ゲーム効果で結構みんな必死である。
学校では普段と変わらない日常を過ごしている。けれどこの日は少し違っていた。俺は真面目な顔で、三浦さんに相談を持ちかけていた。
「そういうことなら任せて! 難しそうに思えるけど意外と簡単だし、時間もまだ結構あるから瀬菜っちでも大丈夫だよ!」
三浦さんはそう言うと、快く俺のお願いを引き受けてくれた。
「本当に! はぁ~、良かった……。考えたはいいけど、俺にできるか心配だったんだ。お願いついでに、買い物とかも付き合ってもらえたりする?」
「うん、いいよー。でも立花君、私と瀬菜っちが一緒に出掛けたら怒るんじゃないかな?」
「へっ? なんで?」
首を傾げる俺に、三浦さんはムフフッと笑みを見せる。
「はは……これは寝てらんないな。悠斗、早速教えてー」
「瀬菜は英語が苦手だよね? 暗記しなきゃいけない系は大丈夫?」
「あ~~、英語嫌い。スペルの順番とか間違えちゃうんだよ。ほかの科目は夏休みの宿題で、結構覚えているかも?」
苦手科目を重点的に見てもらい、普段以上に真剣に取り組んだ。二時間ほど黙々と勉強をすると、今日は結構頑張ったし時間も遅いから解散しようということになった。
みんなが帰ると、俺はテストとは別に悠斗のプレゼントを考え始める。普段使ってもらえるもの、もし自分が貰ったら嬉しいもの。悠斗が似合いそうなもの。高価でなくてもいい。きっと高価なものは悠斗を心配させてしまうから。
一番考えがまとまるお風呂に入りながらボーッとする。お湯に肩まで浸かり、ブクブクと水遊びをする。あれでもないこれでもないと悩んでいると、長時間浸かっていることを忘れてしまう。
これはいいかもしれないと思う頃には、すっかりのぼせてしまい目眩を起こしながら浴室を出る。
フラフラとしながら水を求めてキッチンに向かうと、おふくろが帰って来ており「真っ赤な顔でなにフラフラしているのよ。お酒でも飲んだの?」と、医者でありながら未成年に対してなにを言っているんだと呆れてしまう。
水を一気に飲み「湯あたりじゃ! おやすみー」とひと言伝え部屋に戻ってベッドにダイブした。
まだ形にもなっていないプレゼントを、さてさてどうやって作ろうかと悩む。
少しでも喜んんでくれたら……。
悠斗のほんわかする笑顔が見れたらいいな……。
プレゼントを受け取る悠斗を脳裏に浮かべる。ふわりと嬉しそうに笑っている。そんな想像だけで俺も嬉しくなってくる。瞳を閉じニマニマしているうちに睡魔に襲われ、幸せを感じながら眠りについた。
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ここ何日か学校が終ると四人で俺の家か、悠斗の家で勉強漬けな日々が続いていた。罰ゲーム効果で結構みんな必死である。
学校では普段と変わらない日常を過ごしている。けれどこの日は少し違っていた。俺は真面目な顔で、三浦さんに相談を持ちかけていた。
「そういうことなら任せて! 難しそうに思えるけど意外と簡単だし、時間もまだ結構あるから瀬菜っちでも大丈夫だよ!」
三浦さんはそう言うと、快く俺のお願いを引き受けてくれた。
「本当に! はぁ~、良かった……。考えたはいいけど、俺にできるか心配だったんだ。お願いついでに、買い物とかも付き合ってもらえたりする?」
「うん、いいよー。でも立花君、私と瀬菜っちが一緒に出掛けたら怒るんじゃないかな?」
「へっ? なんで?」
首を傾げる俺に、三浦さんはムフフッと笑みを見せる。
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