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第7幕 ドキドキ☆クリスマス
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お風呂から上がり頭を乾かしてもらうと、案の定足りないとばかりに攻められました……。
約束したとはいえ、数時間前の自分の言動を修正できるものならしたい……そう後悔するほどに。やはりこの男は王子というより、ケダモノ絶倫魔王だ。
久しぶりに腰に重みを感じるほど攻め立てられ、今はフワフワベッドで一眠りし目が覚めたところだ。
隣で涼しい顔でスヤスヤと寝息を立てている悠斗をジッと見つめ、頰を抓りたい衝動にかられるが、起こしてしまうとまた始まるんではないかと思いそっとしておく。
普段は大人びた顔で爽やかイケメンだが、こうして眠っている姿は高校生らしさもあり幼くも見える。大体俺より先に目を覚ます悠斗も、今日は疲れたのか一向に起きる気配はなさそうだ。
そっとベッドを抜け出しトイレに向かうと、喉が乾燥してしまうと低めの設定にしていた室内は、裸でウロつくには肌寒い。冷えてしまう前に用を済ませ水分補給をすると、早々にベッドに戻り悠斗にピッタリと寄り添う。俺の体温を温めるように悠斗は寝ぼけながら抱きしめてくる。
まだ朝が明けるまでは時間があるよと、無言で伝え俺の頭をスンスンとしながら深く息を吸い込み、また寝息を立て始める。冷えた身体が徐々に悠斗の熱で温められると、俺も自然と眠りに落ちていった。
***
サラサラとした肌触りにフワフワな毛布。
ウトウトとしながらも気持ちのいい目覚め。
毛布は羽根布団の上に掛けたほうが温かいが、俺は肌に触る部分をフワフワ毛布にしたいので逆にしてもらう。悠斗と二人で眠るときは布団の中に熱が籠るので、そのほうが案外丁度いい。
「はよ……」
「おはよう瀬菜。ハッピークリスマス」
「へへっ、ハッピークリスマス」
「よく眠れた?」
「うん。もうちょっと眠りたいけど……ケーキ食べたい」
モゾモゾと身じろぎながら、ボソリと呟く言葉に悠斗はクスクス笑っている。
「……起きて早々にケーキだなんて、食いしん坊だね?」
「だって、昨日は結局お腹苦しくて食べられなかったし……その、悠斗シツコイし……」
「俺にはケーキよりも、甘くて美味しかったもん仕方ないよ」
「なにが仕方ないんだよ。今日は絶対ケーキだかんな!」
「はいはい。なら、ちょっと並ぶみたいだけど評判のケーキ屋さんに行って食べよう?」
「あ、うん……あのさ………」
評判のケーキ屋さんなら、女装しなければなんだか恥ずかしくなりそうで、食べたいがグッと我慢をする。
「その……今日は女装したくない。男二人じゃ笑い者かなって」
「そっか、俺はどちらでも構わないよ。そうだな……なら、テイクアウトして家で食べる? デパ地下なら色々なお店入っているし」
「うん‼ 俺、三個……いや、五個‼」
「ふふっ、五個も食べられるの? ホールで買ってもいいぐらいだね?」
「だって色んな味楽しみたいじゃん♪」
「瀬菜らしいね」
今日の予定をベッドの中で戯れながら決めると、支度を始めた。服装は来たときと同じ物で、ボーイッシュだったからか違和感はない。ウイッグと化粧をしないだけで、男の子に変身した俺に「瀬菜君ミラクル!」と、祐一さん達にもビックリされた。お世話になったお礼をしてから、デパ地下スイーツを求めホテルをあとにした。
約束したとはいえ、数時間前の自分の言動を修正できるものならしたい……そう後悔するほどに。やはりこの男は王子というより、ケダモノ絶倫魔王だ。
久しぶりに腰に重みを感じるほど攻め立てられ、今はフワフワベッドで一眠りし目が覚めたところだ。
隣で涼しい顔でスヤスヤと寝息を立てている悠斗をジッと見つめ、頰を抓りたい衝動にかられるが、起こしてしまうとまた始まるんではないかと思いそっとしておく。
普段は大人びた顔で爽やかイケメンだが、こうして眠っている姿は高校生らしさもあり幼くも見える。大体俺より先に目を覚ます悠斗も、今日は疲れたのか一向に起きる気配はなさそうだ。
そっとベッドを抜け出しトイレに向かうと、喉が乾燥してしまうと低めの設定にしていた室内は、裸でウロつくには肌寒い。冷えてしまう前に用を済ませ水分補給をすると、早々にベッドに戻り悠斗にピッタリと寄り添う。俺の体温を温めるように悠斗は寝ぼけながら抱きしめてくる。
まだ朝が明けるまでは時間があるよと、無言で伝え俺の頭をスンスンとしながら深く息を吸い込み、また寝息を立て始める。冷えた身体が徐々に悠斗の熱で温められると、俺も自然と眠りに落ちていった。
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サラサラとした肌触りにフワフワな毛布。
ウトウトとしながらも気持ちのいい目覚め。
毛布は羽根布団の上に掛けたほうが温かいが、俺は肌に触る部分をフワフワ毛布にしたいので逆にしてもらう。悠斗と二人で眠るときは布団の中に熱が籠るので、そのほうが案外丁度いい。
「はよ……」
「おはよう瀬菜。ハッピークリスマス」
「へへっ、ハッピークリスマス」
「よく眠れた?」
「うん。もうちょっと眠りたいけど……ケーキ食べたい」
モゾモゾと身じろぎながら、ボソリと呟く言葉に悠斗はクスクス笑っている。
「……起きて早々にケーキだなんて、食いしん坊だね?」
「だって、昨日は結局お腹苦しくて食べられなかったし……その、悠斗シツコイし……」
「俺にはケーキよりも、甘くて美味しかったもん仕方ないよ」
「なにが仕方ないんだよ。今日は絶対ケーキだかんな!」
「はいはい。なら、ちょっと並ぶみたいだけど評判のケーキ屋さんに行って食べよう?」
「あ、うん……あのさ………」
評判のケーキ屋さんなら、女装しなければなんだか恥ずかしくなりそうで、食べたいがグッと我慢をする。
「その……今日は女装したくない。男二人じゃ笑い者かなって」
「そっか、俺はどちらでも構わないよ。そうだな……なら、テイクアウトして家で食べる? デパ地下なら色々なお店入っているし」
「うん‼ 俺、三個……いや、五個‼」
「ふふっ、五個も食べられるの? ホールで買ってもいいぐらいだね?」
「だって色んな味楽しみたいじゃん♪」
「瀬菜らしいね」
今日の予定をベッドの中で戯れながら決めると、支度を始めた。服装は来たときと同じ物で、ボーイッシュだったからか違和感はない。ウイッグと化粧をしないだけで、男の子に変身した俺に「瀬菜君ミラクル!」と、祐一さん達にもビックリされた。お世話になったお礼をしてから、デパ地下スイーツを求めホテルをあとにした。
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