王子×悪戯戯曲

第25幕 伝えるということ

09

　互いに何度も謝罪を口にしても足りないぐらいだった。離れていても気持ちは一緒。心配し合って、でも二人で踏ん張って生きてきた。
　この数年の気持ちは計り知れない。それに比例するように、会話も途切れそうにない……でも……。

「瀬菜……抱きたい……」

　熱い眼差しで真っ直ぐ俺を見つめながら悠斗に誘われる。頬を紅くしながらコクリと頷き、悠斗の首に抱きついた。
　再会したときは最悪だった。けれど思いが通じ合った今だからこそ、俺自身も欲していた。

「うん、俺も……悠斗を感じたい」

　奪い合うように深くキスを交わす。脳がとろけ、キスだけで身体から力が奪われてしまいそうだ。甘い息を吐きながら、激しく絡まる舌に酔いしれた。
　離れる唇を追いかけると、悠斗にクスッと笑われてしまう。

「キスだけでイッちゃうでしょ？」
「へへっ、お互いにな？」

　グイッと腰を押しつけると、互いの陰茎の膨らみが服の上からぶつかり合う。

「これは大変だね」
「だね……うわっ！」

　腰を支えられスルリと脱がされていくズボンと下着。白く細い足がシャツの下から覗いていた。

「少し背が伸びたからかな？　瀬菜の足、妙に唆る」
「細くて女の子みたいだろ？」
「女の子……というか、瀬菜っぽい。痩せてるのに、お尻はモチモチで柔らかいし」
「うぅッ……」
「ここも柔らかいね？」
「それは……お前が無理矢理したからッあッ……ンッ」

　蕾の皺を探るように、クニクニと指の腹が確かめている。一度解れたそこは今なお柔らかく、すんなりと飲み込んでしまいそうだ。
　浮かしたお尻が揺れ、膝がガクガクと震えてしまう。ストンと悠斗の膝に腰を降ろしひと息吐くと、胸に頭を預けた。

「ダメだね。瀬菜が目の前に居ると、焦っちゃう……早く繋がりたいって。ちゃんと気持ちよくしたいけど、制御が上手くできないよ」
「へへっ、悠斗が制御してるところなんて、俺今までだってあんまり見ていないよ。でも……それでいい。お前が求めてくれるだけで俺は気持ちいいから。だからさ……これ……早くくれよ」
「でも瀬菜……さっきより俺の……大きいと思うよ？」

　そう言いながら悠斗は窮屈そうなファスナーを開くと、ポロリと俺の目の前に亀頭を披露した。
　ウッと息を飲みその大きさに声を失う。赤く色付いた先端から、蜜が溢れテラテラと雁を光らせていた。何度も目にしてきたはずなのに、狼狽えている自分がいる。確かに最初は痛いと思ったが、先ほどもしっかり受け止めることができた。

「でも、さっき……俺の中にちゃんと」
「あー……実はね、さっき全部は無理で」
「嘘っ……だって、奥にちゃんと……」
「瀬菜も久々だし、俺を拒んでいたから無理だったんだ。それに俺マスターベーションはしてたけど、何年も焦がれていた瀬菜が目の前に居るだけで破裂しそう……」

　下半身を丸出しに悠斗は爽やかにそう言った。ニコッと微笑む姿は、キラキラオーラ全開の王子様というのにだ。
　チラリと下に目を向けると、悠斗のペニスがビクビクと血管を浮き上がらせ跳ねている。ゴクリとその外見に唾を飲み込むと、ひらめいたとばかりに俺は四つん這いになり、大きなそれを口に頬張った。