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僕と友人
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朝はさんざんだったが、今日は初日ということでクラス発表と簡単な式典、HRがあるだけだ。
式典では国王陛下の挨拶や学園の教師達の紹介などが行われた。最後に学園長から庶民が通う第二学舎から貴族が通う第一学舎に移動の生徒がいるということが伝えられた。ご丁寧にその生徒の紹介まで。
ステラ・ヒース男爵令嬢
ヒース男爵といえば、庶民向けに事業を展開している商家だったのが業績を認められ30年ほど前に爵位を賜った家だ…最近ではその事業の業績も下がっているようだが…
「ステラ・ヒースですっ!よろしくお願いします!!皆さん、ぜひ仲良くしてください!!」
入学したての初等部の生徒がするような挨拶だな…淑女教育は受けていないのか?第二学舎からの移動をする時点で、最低限の貴族マナーと言葉遣いは教えられるべきだろう。中等部から高等部に上がるまでに学園は1ヶ月ほど休みだったのに、その間に家庭教師も雇わなかったのか…?いや、雇えないほどにまで業績は下がっているのだろうか…
彼女の挨拶で一瞬ホールがざわついたが、国王陛下もいらっしゃる場ということもありすぐに静まった。
まぁ、関わることもないご令嬢のことを考えても仕方ない。それよりも、何故か今年は姉上と同じクラスになった。嬉しいが、少し違和感がある。
初等部の3年間はお姉様と同じクラスになることはなかった。友人の双子も6年間で同じクラスになったことがなく、兄弟はわけられていると思っていた。だが、今年は僕と姉上どころか、双子も僕達と同じクラスだ。殿下も。
考えているうちに式典は終わった。
「「ウィル」」
駆け寄ってきたのは友人である双子だ。
「アラン、アレン。今年は2人と同じクラスだな」
アラン・セヴァリー
アレン・セヴァリー
セヴァリー家の位は伯爵で、身分は上で年下の僕と友人になってくれた。この学園に入って初めてできた友人だ。
2人と話しながら教室へ移動する。
「初めてだよね!!こんなこと!」
「同じクラス嬉しい。でも、ちょっと変な感じする」
「だよな。僕も同じことを思ったよ。成績の偏りも酷そうだ」
2人も成績がよく、毎回トップ10に入っている。
「殿下と同じ。嫌。」
「アレン!ばか!!人が多いところでそれは言っちゃだめだよ!!俺達しかいないときならいいけど!」
「まぁまぁ。皆もう行ってしまってこの辺りには僕達だけしかいないから…って、あれは……」
少し先に周りをキョロキョロと見まわしている生徒が1人。
「初等部みたいな子」
「あんなピンクの髪は他にいないしな!!」
アレンと同じ感想を持っていたことに少し笑ってしまう。急に笑った僕に二人は不思議そうにしている
「いや、彼女の自己紹介中に同じ事を思っていたなぁと」
「あれは酷かった」
「仕方ないよね!」
話していると、彼女はこちらに気がついたみたいで駆け寄ってきた
「あ、あの…!高等部1年のAクラスってどこかわかりますか…!?」
まさかこの子も同じクラスなのか…
「すぐそこにある階段を3階まで上がって右に進めばいいですよ」
「え……?」
丁寧に教えたつもりなんだけどわからなかったのか?
「あ、いえ、ありがとうございます!」
パタパタと足音を立てて走っていった。
「さっきの、えってどういう意味なんだ…?」
「「さぁ」」
ほんとに、この二人は興味のないことには無関心だな。
急ぐこともないので僕達は中庭をまわってから教室へ向かった。
𓏸𓈒⊹ ◌
教室へはいるとクラス半分くらいの生徒が各々談笑していた。
姉上も既に居られて、お話をされていた。
「ウィルまた "お姉様" を見てるー!」
お姉様を強調し茶化してくるアラン。
「うるさい。いいだろ別に」
「照れてる」
指摘されて、照れくさくなって二人の背中をバシっと叩いた
「あっ!!」
2人とじゃれていると、教室全体に響く女の子の大声。その声で教室内は静まり返った。
こんな事をするのは一人しかいない。
声の方を見ると、ピンクの髪の女子生徒が駆けてきていた。
この子は走らないと移動できないのか…
「わー!!同じクラスだったんだね!さっきはありがとう!私はステラ!仲良くしてね!」
握手を求めるように差し出される手…
一般のご令嬢と違いすぎて、どうすればいいのかわからない……
ちらりと横にいる二人を見てみるが我感せずというふうに目も合わない。
はぁ…
「えぇ、よろしくお願いしますね」
彼女の差し出された手をとり口づけるふりをする。
ヒース嬢の斜め後ろに1人の女子生徒が歩いてきた。姉上と同じように少しツリ目で気の強そうな子だ。
「リリー・シャノンと申します。発言よろしいでしょうか」
「シャノン嬢、いかがされました?」
丁寧にカーテシーを取り許可を求めてきた。シャノン…確か子爵の位だったな
「レオンバルド様、発言を許可していただきありがとうございます。そして、大変申し訳ございません…」
「なんで謝ってるの?」
「このように、ステラはまだマナーを教わっていないようなのです。僭越ながら先程まで、私が教えていたのですがそれも微々たるものでございます。本日のご無礼はどうかお許しください……」
自分は全く悪くないのにシャノン嬢は自分の責任だと頭を下げた。
「シャノン嬢、頭を上げてください。貴女は何も悪くない。彼女のことも式典でなんとなくわかっていましたから。」
シャノン嬢の行動に横のさっきまで何もないところを見ていた2人は感心したように彼女を見つめている。
「リリー?どういうことなの?私のことを言っているの?どうして謝っているの?」
「少し静かにしてて…!申し訳ございません、私共は下がらせていただきます。失礼致します」
また頭を下げ席に戻って行った。ヒース嬢をつれて。
「あの子いい子」
「そうだね!!」
シャノン嬢の事は気に入ったようだ。
「僕達も席に着こうか。そろそろ教師の来る時間だ」
その後すぐに教師が来た。ちなみにライアン殿下は国王陛下に呼ばれたらしく、教室には来なかった。
初日から疲れた……
式典では国王陛下の挨拶や学園の教師達の紹介などが行われた。最後に学園長から庶民が通う第二学舎から貴族が通う第一学舎に移動の生徒がいるということが伝えられた。ご丁寧にその生徒の紹介まで。
ステラ・ヒース男爵令嬢
ヒース男爵といえば、庶民向けに事業を展開している商家だったのが業績を認められ30年ほど前に爵位を賜った家だ…最近ではその事業の業績も下がっているようだが…
「ステラ・ヒースですっ!よろしくお願いします!!皆さん、ぜひ仲良くしてください!!」
入学したての初等部の生徒がするような挨拶だな…淑女教育は受けていないのか?第二学舎からの移動をする時点で、最低限の貴族マナーと言葉遣いは教えられるべきだろう。中等部から高等部に上がるまでに学園は1ヶ月ほど休みだったのに、その間に家庭教師も雇わなかったのか…?いや、雇えないほどにまで業績は下がっているのだろうか…
彼女の挨拶で一瞬ホールがざわついたが、国王陛下もいらっしゃる場ということもありすぐに静まった。
まぁ、関わることもないご令嬢のことを考えても仕方ない。それよりも、何故か今年は姉上と同じクラスになった。嬉しいが、少し違和感がある。
初等部の3年間はお姉様と同じクラスになることはなかった。友人の双子も6年間で同じクラスになったことがなく、兄弟はわけられていると思っていた。だが、今年は僕と姉上どころか、双子も僕達と同じクラスだ。殿下も。
考えているうちに式典は終わった。
「「ウィル」」
駆け寄ってきたのは友人である双子だ。
「アラン、アレン。今年は2人と同じクラスだな」
アラン・セヴァリー
アレン・セヴァリー
セヴァリー家の位は伯爵で、身分は上で年下の僕と友人になってくれた。この学園に入って初めてできた友人だ。
2人と話しながら教室へ移動する。
「初めてだよね!!こんなこと!」
「同じクラス嬉しい。でも、ちょっと変な感じする」
「だよな。僕も同じことを思ったよ。成績の偏りも酷そうだ」
2人も成績がよく、毎回トップ10に入っている。
「殿下と同じ。嫌。」
「アレン!ばか!!人が多いところでそれは言っちゃだめだよ!!俺達しかいないときならいいけど!」
「まぁまぁ。皆もう行ってしまってこの辺りには僕達だけしかいないから…って、あれは……」
少し先に周りをキョロキョロと見まわしている生徒が1人。
「初等部みたいな子」
「あんなピンクの髪は他にいないしな!!」
アレンと同じ感想を持っていたことに少し笑ってしまう。急に笑った僕に二人は不思議そうにしている
「いや、彼女の自己紹介中に同じ事を思っていたなぁと」
「あれは酷かった」
「仕方ないよね!」
話していると、彼女はこちらに気がついたみたいで駆け寄ってきた
「あ、あの…!高等部1年のAクラスってどこかわかりますか…!?」
まさかこの子も同じクラスなのか…
「すぐそこにある階段を3階まで上がって右に進めばいいですよ」
「え……?」
丁寧に教えたつもりなんだけどわからなかったのか?
「あ、いえ、ありがとうございます!」
パタパタと足音を立てて走っていった。
「さっきの、えってどういう意味なんだ…?」
「「さぁ」」
ほんとに、この二人は興味のないことには無関心だな。
急ぐこともないので僕達は中庭をまわってから教室へ向かった。
𓏸𓈒⊹ ◌
教室へはいるとクラス半分くらいの生徒が各々談笑していた。
姉上も既に居られて、お話をされていた。
「ウィルまた "お姉様" を見てるー!」
お姉様を強調し茶化してくるアラン。
「うるさい。いいだろ別に」
「照れてる」
指摘されて、照れくさくなって二人の背中をバシっと叩いた
「あっ!!」
2人とじゃれていると、教室全体に響く女の子の大声。その声で教室内は静まり返った。
こんな事をするのは一人しかいない。
声の方を見ると、ピンクの髪の女子生徒が駆けてきていた。
この子は走らないと移動できないのか…
「わー!!同じクラスだったんだね!さっきはありがとう!私はステラ!仲良くしてね!」
握手を求めるように差し出される手…
一般のご令嬢と違いすぎて、どうすればいいのかわからない……
ちらりと横にいる二人を見てみるが我感せずというふうに目も合わない。
はぁ…
「えぇ、よろしくお願いしますね」
彼女の差し出された手をとり口づけるふりをする。
ヒース嬢の斜め後ろに1人の女子生徒が歩いてきた。姉上と同じように少しツリ目で気の強そうな子だ。
「リリー・シャノンと申します。発言よろしいでしょうか」
「シャノン嬢、いかがされました?」
丁寧にカーテシーを取り許可を求めてきた。シャノン…確か子爵の位だったな
「レオンバルド様、発言を許可していただきありがとうございます。そして、大変申し訳ございません…」
「なんで謝ってるの?」
「このように、ステラはまだマナーを教わっていないようなのです。僭越ながら先程まで、私が教えていたのですがそれも微々たるものでございます。本日のご無礼はどうかお許しください……」
自分は全く悪くないのにシャノン嬢は自分の責任だと頭を下げた。
「シャノン嬢、頭を上げてください。貴女は何も悪くない。彼女のことも式典でなんとなくわかっていましたから。」
シャノン嬢の行動に横のさっきまで何もないところを見ていた2人は感心したように彼女を見つめている。
「リリー?どういうことなの?私のことを言っているの?どうして謝っているの?」
「少し静かにしてて…!申し訳ございません、私共は下がらせていただきます。失礼致します」
また頭を下げ席に戻って行った。ヒース嬢をつれて。
「あの子いい子」
「そうだね!!」
シャノン嬢の事は気に入ったようだ。
「僕達も席に着こうか。そろそろ教師の来る時間だ」
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