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僕とお菓子作り
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「メアリー?どうしたんだ?」
時間通りに厨房へ行くとそこにはメイド長のメアリーがいた。仕事中は淡々と無表情でいるメアリーが幼い頃は少し苦手だった。今ではそんな気持ち微塵もないが。
「私もご一緒させていただきたく思いまして。よろしいでしょうか?」
「うん、みんなでするほうが楽しいだろうしね」
「坊、メアリーが部屋を用意してくれたからそっちに移動しよう」
「厨房ではだめなのか?」
どうしてだろう?
「あ、ああ…えぇと……」
「厨房では今夜の晩餐の用意をしている最中なのですよ。シャーロット様がいらっしゃるので皆張り切っておりまして。」
「そうか、それは邪魔してはいけないな。晩餐楽しみにしているよ」
様子のおかしいオスカーに代わりメアリーが教えてくれる。
僕はそれを聞きシャーロットを思い出し顔が緩んでしまう。
「っかわい……隣の部屋に準備をしております」
「ん?あぁ、ありがとう!」
メアリーが何かボソッと言った気がしたが気のせいかな…?
𓏸𓈒⊹ ◌
【メアリー視点】
ウィリアム様はころころと表情が変わります。何を考えているのかすぐにわかってしまうほど。今もシャーロット様を思いふにゃりと微笑まれ、大変愛らしいです。
思わず声に出てしまいました。
聞き取れなかったのか不思議そうな顔をしていますが、そこも可愛らしいです。
昔は私が無表情すぎて怖かったのか懐いてくれませんでしたが、オスカーと結婚してからは段々と私の表情も豊かになったようで今ではグレース様とのお茶会を一緒にしないかとのお誘いを受けるほどです。嬉しいものです。
「何を作るんだ?」
部屋につき、キラキラと目を輝かせてウィリアム様に問われました。
「時間もあまりねぇしクッキーにしようと思っている」
オスカーが答えながら小麦粉をウィリアム様に渡します。
一緒に作る、と言ったので私も始めます。
ウィリアム様は紅茶を入れるのは私よりも上手なのにも関わらず、何故かお菓子作りは壊滅的な腕前です。多分、お料理も同じなのでしょう…
𓏸𓈒⊹ ◌
「ウィリアム様!」
「坊!!!」
「あああああああ…!ぼっちゃま!!!」
「まてまてまてまて!ウィル!!」
少し目を離すと謎の物体を入れようとしたり、勝手に分量を増やしたりするウィリアム様。
焦りすぎて呼び方も昔のものになってしまいました。
止めてもきょとんとされてますし……
「これ入れたほうが美味しいかなって思ったんだけどだめ?」
こてん、と首を傾げるウィリアム様。可愛さで心が揺れてしまいます
「……だめです。クッキーにデミグラスソースなんてだめに決まっています!そもそもどこからそんなものを取ってきたのですか!」
しょぼん、とされていますがそれは絶対にだめです。
「坊、何か入れたいのなら紅茶はどうだ?」
「紅茶?」
「ああ、それはいいですね。茶葉を入れたクッキーは香りが立ってとても美味しいですよ」
「シャロ嬢からもらったやつを使えばきっと美味しいものができるぞ」
オスカーの言葉を聞いてぱぁっと笑顔になるウィリアム様。笑顔は年相応で幼さが出ています。頭がいいウィリアム様はとても達観されていてたまに14歳だと忘れてしまいそうになります。
「どれくらい!?これくらい!?」
「まてまてまて!多すぎる!!そんなに入れてももったいないだけだ!!少しでいいんだ…」
今このときは、14歳の少年らしいお姿です。
⋈ ・・・・・・・・・・・・・・✶・・・・・・・・・・・・・・ ⋈
遅くなりました…ちょっと短い……
時間通りに厨房へ行くとそこにはメイド長のメアリーがいた。仕事中は淡々と無表情でいるメアリーが幼い頃は少し苦手だった。今ではそんな気持ち微塵もないが。
「私もご一緒させていただきたく思いまして。よろしいでしょうか?」
「うん、みんなでするほうが楽しいだろうしね」
「坊、メアリーが部屋を用意してくれたからそっちに移動しよう」
「厨房ではだめなのか?」
どうしてだろう?
「あ、ああ…えぇと……」
「厨房では今夜の晩餐の用意をしている最中なのですよ。シャーロット様がいらっしゃるので皆張り切っておりまして。」
「そうか、それは邪魔してはいけないな。晩餐楽しみにしているよ」
様子のおかしいオスカーに代わりメアリーが教えてくれる。
僕はそれを聞きシャーロットを思い出し顔が緩んでしまう。
「っかわい……隣の部屋に準備をしております」
「ん?あぁ、ありがとう!」
メアリーが何かボソッと言った気がしたが気のせいかな…?
𓏸𓈒⊹ ◌
【メアリー視点】
ウィリアム様はころころと表情が変わります。何を考えているのかすぐにわかってしまうほど。今もシャーロット様を思いふにゃりと微笑まれ、大変愛らしいです。
思わず声に出てしまいました。
聞き取れなかったのか不思議そうな顔をしていますが、そこも可愛らしいです。
昔は私が無表情すぎて怖かったのか懐いてくれませんでしたが、オスカーと結婚してからは段々と私の表情も豊かになったようで今ではグレース様とのお茶会を一緒にしないかとのお誘いを受けるほどです。嬉しいものです。
「何を作るんだ?」
部屋につき、キラキラと目を輝かせてウィリアム様に問われました。
「時間もあまりねぇしクッキーにしようと思っている」
オスカーが答えながら小麦粉をウィリアム様に渡します。
一緒に作る、と言ったので私も始めます。
ウィリアム様は紅茶を入れるのは私よりも上手なのにも関わらず、何故かお菓子作りは壊滅的な腕前です。多分、お料理も同じなのでしょう…
𓏸𓈒⊹ ◌
「ウィリアム様!」
「坊!!!」
「あああああああ…!ぼっちゃま!!!」
「まてまてまてまて!ウィル!!」
少し目を離すと謎の物体を入れようとしたり、勝手に分量を増やしたりするウィリアム様。
焦りすぎて呼び方も昔のものになってしまいました。
止めてもきょとんとされてますし……
「これ入れたほうが美味しいかなって思ったんだけどだめ?」
こてん、と首を傾げるウィリアム様。可愛さで心が揺れてしまいます
「……だめです。クッキーにデミグラスソースなんてだめに決まっています!そもそもどこからそんなものを取ってきたのですか!」
しょぼん、とされていますがそれは絶対にだめです。
「坊、何か入れたいのなら紅茶はどうだ?」
「紅茶?」
「ああ、それはいいですね。茶葉を入れたクッキーは香りが立ってとても美味しいですよ」
「シャロ嬢からもらったやつを使えばきっと美味しいものができるぞ」
オスカーの言葉を聞いてぱぁっと笑顔になるウィリアム様。笑顔は年相応で幼さが出ています。頭がいいウィリアム様はとても達観されていてたまに14歳だと忘れてしまいそうになります。
「どれくらい!?これくらい!?」
「まてまてまて!多すぎる!!そんなに入れてももったいないだけだ!!少しでいいんだ…」
今このときは、14歳の少年らしいお姿です。
⋈ ・・・・・・・・・・・・・・✶・・・・・・・・・・・・・・ ⋈
遅くなりました…ちょっと短い……
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