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宝物を求めて 中
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祖父の日記には、宝の地図を拾った時の経緯と、そしてそれを求めて冒険に出た祖父の冒険談が書いてあった。
しかし後少しのところで祖父は宝物を発見できなかったらしい、しかし旅の間で知り合った人たちと仲良くなり、貿易商を始めた祖父は一代で莫大な遺産を手に入れた。そして宝探しの夢は子供に託すと記してあった。
「でも、父さんは夢を選ばず会社を選んだというわけか」
日記には宝の地図と一緒に入っていた手紙の人物が存在したこと、年代的にも宝の地図が本物であることなども書いてあった。
そしてもし誰もこの宝を探しに行かない場合は、大事に保管しておくのではなく、誰かに譲るなり売るなりして、決して捨てたりしてはならないようにとも書いてあった。
そして僕は祖父の残してくれた痕跡を辿り、そして、新たな出会いと発見を繰り返しながら、一つの島に行きついたのだった。
そこは無人島ではなく個人が管理している島だったので、上陸の許可をもらうため管理している役所にいった。
「で、上陸の目的はなんですか?」
特にリゾートでもない島である。だがここで宝を探しに来ましたといっていいものかどうか。でももし本当に宝が見つかったら、宝は土地の所有者のものということになる。
僕が一瞬躊躇していると、役人が思いがけないことを口にした。
「もしかして、持ってる?」
「何をですか?」
「だから、鍵だよ。これくらいの、真ん中に青い石がついてて周りに翼の模様がある」
「えっ、あ、はい」
それはこの冒険の最中に発見したものだった。
「なら、いっていいよ」
「いいんですか?」
「いいよ。上から鍵を持った人物が訪ねてきたら理由は問わず入れて良いっていわれてるから」
「そうなんですね、ちなみに今までこの鍵を持ってきた人っていますか?」
思わず聞いてしまった質問に、役人は小さく鼻で笑うと「さあな」と答えたのだった。
しかし後少しのところで祖父は宝物を発見できなかったらしい、しかし旅の間で知り合った人たちと仲良くなり、貿易商を始めた祖父は一代で莫大な遺産を手に入れた。そして宝探しの夢は子供に託すと記してあった。
「でも、父さんは夢を選ばず会社を選んだというわけか」
日記には宝の地図と一緒に入っていた手紙の人物が存在したこと、年代的にも宝の地図が本物であることなども書いてあった。
そしてもし誰もこの宝を探しに行かない場合は、大事に保管しておくのではなく、誰かに譲るなり売るなりして、決して捨てたりしてはならないようにとも書いてあった。
そして僕は祖父の残してくれた痕跡を辿り、そして、新たな出会いと発見を繰り返しながら、一つの島に行きついたのだった。
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