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SMプレイは趣味じゃない..?

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目が覚めると同時に、むせ返るような悪臭に、思わず吐きそうになる。

とりあえず体を起こし、周りに誰もいないことを確認してドアの方に近寄り、ドアノブを回してみる。

まぁ..当然と言うか鍵が閉まって開かない。

「さぁーてどうしたもんかぁ..」

正直、こんなとこさっさとおさらばしたいとこだけど..なんと言ってもここは戦場の最前線。

考えもなしに逃げたら兵士に捕まるどころか、魔物に食われかねない..

それは嫌だなぁ..でもここにいても死んじゃうかもだし..

「...とりあえず様子見だな..」

そう言えば、ここなんの部屋なんだろう..

周囲を見渡すと、ゴツゴツしいトゲが着いた棺のようなものから、ギロチン、三角木馬など..

言わいる、拷問道具が所狭しと置いてある。

それに..壁にまで付着した赤いシミ..

考えたくはないが、おそらく人間の血が乾いたシミだろう..

ここ..怖すぎるだけど(´TωT`)

ひとまず気絶してる奴を起こすために、近づこうとした瞬間。

扉が開き部屋に誰かが入ってくる。

僕は咄嗟に床に伏せる。

心臓の音が自分にまで聞こえてくる..

バレれば、1番先に標的にされかねない..

「あれ..?誰かいた気がしたんだけど..気のせいかな..」

カツカツと聞こえてくる足音。

あれ?この声さっきも..

「んー..やっぱり気のせいか..」

どうやらこちらには、気づいていない様子..

ホッとしてると何か準備する音が聞こえてくる。

薄く目を開け確認する。

すると、何かを火で燃やしてる様に見えた。

しかし、直ぐにそれがなんなのか分かってしまう。

爛々と赤く光る鉄..

鉄の表面には数字が掘られている。

彼女はそれをニコニコしながら気絶している奴隷近ずき、思い切り肩に押し当てた。

人の肉が焦げる匂いと、男の叫び声。

男の体は何度も痙攣し背中は反り返り、整体がちぎれそうなぐらいの絶叫を発している。

それを、悲鳴の演奏を楽しむが如く微笑む彼女の姿は、狂気そのものだった。

しかもこの世界では、背中や肩に焼印をされた奴隷は主人に絶対服従せねばならない..

次々と上がる絶叫。

それが段々とこちらに迫ってくるのだと思うと、気が狂いそうで仕方なかった。

すると足音が僕の前で止まる。

自然と体が震えだし、止めようとしても上手く力が入らない。

「....君..起きてるでしょ..」

彼女の一言に、心臓と体がビクりと震える。

ゆっくりと目を開けると、彼女はしゃがみこみこちらの顔を覗き込んでいた。

「ピィ...?!!?!」

ビックリしすぎて変な声が漏れ出す。

すると彼女はクスッと笑うと、僕の頭に手を添え撫で始める。

その優しい手に、少し体の緊張が休まる気がした。

しかしそれを見過ごさなかったかのように、彼女は手に持つ焼印を僕の方に思い切り押し当てる。

「あぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁ!!?!!?!!?!!?」

熱い..熱い..

他の人同様に泣け叫び体を反らせる。

その姿に彼女は今まで以上に声を出して笑った。

「素敵!!!!その声とっても可愛い..!!!!」

何度も何度も..

何度も何度も何度も...

熱いのがやまない..止まらない..

助けて..たす..けて..

誰もいない場所に手を伸ばし助けを求める。

しかし誰も助けちゃくれない..

誰も..

この部屋には泣き叫ぶ少年の声と、狂ったように笑っている少女だけなのだから。
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