弱っちいお前と俺達

叶美

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俺と仲間(愛冬side)

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じりじりとセミの声が聞こえる夏の日。

アイスを食いながらテレビを見ていた。

俺は吉川愛冬(ヨシカワ アイト)
この家でシェアハウスしながら暮らしてるどこにでも居そうなフリーターだ。

なぜシェアハウスしてるかって?
んー……ただ家賃が安く住むからって理由だな!

んでこの家には俺の他に三人住んでいる。

隣でそのまま溶けるんじゃないかと思うくらいだらけてる翔太(ショウタ)。

「今日の飯何にしようかな……」

難しそうな顔をしながら冷蔵庫の中とにらめっこしてる絆希(ツナキ)。

もう夕方になるって言うのに自分の部屋で寝てる正吾(ショウゴ)。

俺らは高校からの友達でよく悪さをしたりまぁ仲のいい四人だと思う。

最近は悪さもしなくなったしだいぶ落ち着いてダラっとした生活を男四人で寂しく過ごしている。

「愛冬~悪ぃけど、正吾起こしてきてくれ!」

出た…あいつ起こすの大変なんだよなぁ…

「絆希が起こしてこいよめんどくさいなぁ。」

俺はだるそうに返した。
だってあいつ起きねーんだもん。

絆希が呆れた顔をしてこう言った。

「んなら、愛冬と、翔太二人で起こしてきてくれ。
あ、起こさねーんなら飯はないと思えよ?」

絆希はお母さんみたいなところがあるんだよな。
ほら、『言うこと聞かないとご飯抜きだからね!』
的なアレ。
そっくりなんだよな

「待って!なんで僕まで!?」

翔太が俺をじっと見つめて何かを訴えてくる。
……あー何も見えてないっと!


「翔太、行くぞ」

俺は翔太をじっと見つめて行くぞと念じた。

「……はい。はい。行きますよ」

これが俺らの日常だった。
 
しかし……この家は広いなぁ。

ここに来て半年経っても慣れない広さだ。

あぁ。俺らの家は三階建てで、一階に玄関と物置とトイレがあって、
二階にリビング、物置と化してる和室、風呂が。
三階にそれぞれの部屋と残りの二部屋。

普通だと思うだろ?
一部屋一部屋が広いんだよ。

家主は正吾で、こいつはなかなかの金持ち確か親がでっかい会社の社長だと聞いた。

羨ましいよな……


そんな事を思いながら正吾の部屋の前まで来た。

……ん?

部屋の中から話し声が聞こえる。

「起きてんじゃねーの?」

翔太に聞くと首をかしげた。

「起きて……る?テレビの音……?」

翔太にもわかんないみたいだしノックしてみた。

「正吾~起きてんのか?
入るぞ~」

正吾はパンツ一丁で寝転びながらスマホをいじっていた。

「起きてるぞ~何のようだ?」

なんだ。起きてたのか。

「飯まで起きとけよ~?
絆希に起こしてこいって言われただけ。」

「はいよー。」


正吾が起きてるなんて珍しい……

「翔太……ってあれ?」

翔太が居ない。
自分の部屋にでも行ったんだろな。
まぁいいや。

リビングに戻ってまた寝転がる。

飯まで後3時間。
……散歩がてらコンビニ行くか。


「コンビニ行ってくるわ。」

「アイス買ってきて!」

翔太のおねだり……
子供かよ……笑

「自分で行けよな」

そんな会話をして家を出た。
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