[完結]愛していたのは過去の事

シマ

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前編

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 私ーカナリアーには愛していた婚約者がいました。
 何故、過去形なのか?一年前に婚約破棄致しましたからね。

 いくら政略的な親が決めた婚約とは言え、彼の言う所の友人であるサラ様に嫌がらせをしたと文句を言われ、しかも腐った心根の女の話は聞かないと突き飛ばされて怪我をして黙っていると思いますか?

 私には無理ですわ。百年恋も一瞬で冷めると云うものです。

 ですから、両親に全てを話して解消させて頂きましたわ。彼のご両親は反対されましたが、私が学園で受けた仕打ちと彼の行動調査資料を確認されて黙りましたわ。この婚約自体、我が家に余り利のある物ではありませんでしたしね。今日の卒業パーティーが終われば彼の顔を見ずにすむと喜んでいたのですよ?なのに……

「カナリア、そろそろ結婚式の日取りを決めたいんだ」

 ……馬鹿ですか?それともご両親からの話を聞いていなかったのですか?まぁ、先ずは回りに誤解されたくないので、ハッキリさせましょう。

「婚約者でも無い方に呼び捨てされたく無いので止めて下さい」

「は?な、何を言って……」

「一年前に婚約破棄は済んでおります」

「そんな馬鹿な!!」

 ですから馬鹿は貴方ですよね?どうしたら婚約が継続されていると思うのですか?自分の行動を考えれば当然の結果ではありませんか?
 呆然とされる彼に、婚約破棄の経緯を説明しました。

 その1
 歩みよりが無く、親睦を深める事をしなくなった事。
 具体的に言えば、パーティーへのエスコートを全くしなくなった事。エスコートをしない事の連絡処か、ドレスや装飾品も数年間贈られておらずお茶会にすら無断キャンセルで不誠実な態度である事。

 その2
 サラ様と親密な関係である事。その上、冤罪で人を非難して怪我をさせた事。

 当然、両親が決めた婚約ですから、両親の同意の元、破棄の手続きは完了しております。

「聞いてないぞ!何を勝手にしている!」

 ……ですから、両親に決定権がありますから私に言われても困りますわ。文句がおありのようですね?ご両親から直接、お話を聞かれたらどうですか?
 彼は怒りでお顔が真っ赤ですが、私には関係ございません。

「俺を愛していたのでは無いのか!」

「……それは、もう過去の話ですわ」

「過去……とは……?」

「当然でございましょう?愛は永遠ではございません。無償の愛など私は持ち合わせておりませんので、失礼いたしますわ」

 折角のパーティーですが、こうも騒がれてしまえば悪目立ちいたしますし、退場させて頂きますわ。

 さようなら皆様。

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