勇者召喚に巻き込まれた僕は異世界でのんびり暮らしたい

りまり

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 この世界に来てそろそろ二か月が立とうというころ、王都からかなり離れた町で魔物が大量発生したと知らせが届いたのだ。

 届いたその日のうちに勇者たちは魔物退治に旅立った。

 騎士団団長率いる軍団と共に颯爽と馬を走らせている所を遠くから見ることが出来たのだ。

 僕もいい加減王城にいるわけにもいかず、宰相閣下に言って城下町で暮らしたいと言ったところ答えは否だった。

 なぜだ!!!!

 最初からそういう約束でここにいたのになぜ今頃になってダメだと言われなければならないのだ。

 何度も掛け合った結果、王城が嫌ならと宰相閣下の邸宅で過ごすようにと言われ、泣く泣くそちらに引っ越す羽目になったのだが……結果としては王城で起きたことと同じことが繰り返され、僕は本当に嫌気がさし何日も邸宅を開けている宰相閣下には悪いが城下町で暮らすことにしたのだ。

 城から抜け出すよりもたやすく抜け出すことが出来たので拍子抜けしたがここで油断は禁物だ。

 宿を取りその日はゆっくりとし、次の日ギルドに行った。

 冒険者ギルドは今回の魔物大量発生に伴いCランク以上は駆り出されていると言っていたのでガランとしているのかと思ったが、思っていた以上に人がいてびっくりした。

 受付に行き自分の境遇を話すとすぐにギルドマスターに面会出来たのはびっくりだけど僕にしたららっきーだったのかもしれない。

 ギルマスに事の顛末を話体の痣を見せると、納得してくれかくまってく話ることになった。

 それからの生活は快適なものだったのは言うまでもない。

 宿屋からギルドの上に空き部屋がありそこを格安で借りることも出来たし、食事も屋台で買ってきてお腹いっぱい食べることが出来た。

 最近は冒険者登録をし、ギルドの依頼を受けちまちまとやってランクを上げ、剣を握ったことがないと言えば剣術の稽古を付けてもらったりと充実していたぐらい快適でしかない。

 そろそろEランクになると言う時、ギルドに宰相閣下だけでなくイケメン君や酔っ払い君まで来たのだ。

 「ここに彼がいることは分かっているのです出して下さい」

 「いきなり来て何を言っているんですか?」

 「私の番がここにいるのは分かっています出して下さい」

 「確かにあなたの言う子でしたら来ましたよ。

 だけど彼自らの意思でここに来たんだ、お宅らにとやかく言われる必要はない」
 
 「彼は私の番です」
 
 「彼の有権を名乗らないで下さい」

 「何を言うのだ、彼か召喚されてから私は目をつけていたし彼に所有権の証を付けた」

 「本当に何勝手なことしてくれるんですか!!!!!」

 イケメン君と宰相閣下が僕の所有権を争っているけど……僕は僕の者でしかないのでそんなこと言われても困るんですけどね。

 「どうでもいいけど、あんな使えないののどこがいいんだ」

 「お前は黙っててくれるかな、使えないのはお前も一緒なんだからね」

 「俺は騎士として日々努力してるだろ!!!!」

 「下っ端の騎士にすら勝てないのに吠えるな」

 その後はやはりまた言い争いを始める始末だ。

 このままここにいてもらちが明かないし、このままいけば貞操の危機と言う奴だと思う。早くランクアップしてこの街を出ようと固く誓ったのは言うまでもない。

 
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