【完結】嫌われ者の僕はひっそりと暮らしたい

りまり

文字の大きさ
2 / 53

しおりを挟む
 目を覚ますとそこは実家にある僕の部屋だった。

 周りを見回すが誰もいない。

   長い夢を見ていたような感覚だけど切られた感覚も残っているし、血の匂いも鼻についている。

 どうなっているんだ。

 神様は僕の最後の願い事を叶えてくれたのかな。

   だるい身体を起こしベッドから出ようと床に足をつけ立とうとしたが足がもつれ倒れてしまったのだ、物音に気が付いた侍女が部屋に入ってきてくれたが、その侍女の顔には見覚えがあった。こいつは弟付きの侍女だ。
 
 弟の侍女は嫌そうな顔で僕を下げずんだようにみていいやがった。

 「そのまま死んでくれればよかったのに」

 「僕に毒を盛ったのは君だよね」

 「だからなんです。誰もあなたの言うことなの信じませんよ」

 ニタニタ笑いながら言う。

 そうだ10年前この侍女に殺されそうになり僕が訴えても誰も信じてくれなかった。

 その日から僕は嘘つきと言われ始めたんだ。

 八歳の誕生日を誰にもお祝いされることなく迎えた後のお兄さまたちとのお茶会の日、僕は毒を盛られて生死の境をさまよったんだ。

 神様が僕にくれた二度目の人生だ。

 ならあのような人生にならないように僕にできる精一杯のことをしよう。

 僕は這いつくばりながらベッドサイドに入れてあるあるものを取り出し、それに魔力を流しながら僕は侍女に聞いたのだ。

 「誰に頼まれてこんなことしたの?」

 「それ聞いてご主人様に訴えますか?
 いったところで信じてくれませんよ」

 「そう思うなら言ったらどうなの?
 君に僕を殺すように言って毒を渡した人物はだれ?」

 「そんな人いませんよ。
 私の敬愛するあの人の為ならあんたのこと毒殺することぐらいどうってことないわ」

 やっぱり名前を言わないか……ならもっと他の方法で聞くしかないかな。

 「敬愛するね……あの人はお前のことなど庇ってはくれないよ」

 「そんなことありません!!!!
 あの方は私のことを愛してくれてます。
 もし私がお前に毒をもったのがばれても私はたいした罪にはなりません」

 「だから僕を追い出したっくて嘘ばかりをお父様に言ったの?」

 「旦那様もこんな出来損ないとっとと追い出してしまえばいいのに、そうすればあの方が跡継ぎになる。
 そうすれば私は次期公爵夫人」

 「なれるわけないじゃん。
 僕を貶めてもお兄さまがいる以上僕も弟も公爵家は継げない」

 お兄さまは僕のことをかわいがってくれている。

 僕のことが嫌いなのは弟の方だ。

 馬鹿なのかな……お兄さまは優秀な人だから僕たちが取って代われるはずがないのに……

 「そんなのお前に毒をもったのが次期公爵様と言えばいいだけの話、そうすればあの方が次期公爵に……」

 「そうなれば優秀な子を親戚から養子に迎えるだけだよ」

 「そんなことない!!!
 あの方はとても優秀な方だからすぐに次期公爵として認められる」

 呆れてしまう。

 弟はかわいいだけでハッキリ言って僕以上に何もできない。

 かわいいをアピールしているだけなのがこいつにはわからないようだ。

 「そんなことしたって君とは身分が違い過ぎるから妾ぐらいにしかなれないよ」

 「黙れ!!!!!
 あの方は約束してくれたんだ!!!!
 私を公爵夫人にしてくれるって!!!!!!」

 僕を気が済むまで蹴りつけると部屋を出ていってくれた。

 僕は何とか残り少ない魔力でお兄さまに助けを呼んだところで意識を手放した。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

ぼくの婚約者を『運命の番』だと言うひとが現れたのですが、婚約者は変わらずぼくを溺愛しています。

夏笆(なつは)
BL
 公爵令息のウォルターは、第一王子アリスターの婚約者。  ふたりの婚約は、ウォルターが生まれた際、3歳だったアリスターが『うぉるがぼくのはんりょだ』と望んだことに起因している。  そうして生まれてすぐアリスターの婚約者となったウォルターも、やがて18歳。  初めての発情期を迎えようかという年齢になった。  これまで、大切にウォルターを慈しみ、その身体を拓いて来たアリスターは、やがて来るその日を心待ちにしている。  しかし、そんな幸せな日々に一石を投じるかのように、アリスターの運命の番を名乗る男爵令息が現れる。  男性しか存在しない、オメガバースの世界です。     改定前のものが、小説家になろうに掲載してあります。 ※蔑視する内容を含みます。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

大好きな婚約者を僕から自由にしてあげようと思った

こたま
BL
オメガの岡山智晴(ちはる)には婚約者がいる。祖父が友人同士であるアルファの香川大輝(だいき)だ。格好良くて優しい大輝には祖父同士が勝手に決めた相手より、自らで選んだ人と幸せになって欲しい。自分との婚約から解放して自由にしてあげようと思ったのだが…。ハッピーエンドオメガバースBLです。

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

さんかく
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話 基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想 からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定 (pixivにて同じ設定のちょっと違う話を公開中です「不憫受けがとことん愛される話」)

【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

処理中です...