双子の妹の代わりに学園に来ているのですが、どうやら乙女ゲームの世界だったようです。

りまり

文字の大きさ
4 / 15

3

しおりを挟む
 さらに顔が真っ赤になり頭から湯気が出ているようだ。

 あり得ないです。

 初めて会った女性にあんなことをするなど、誤解されてもおかしくないじゃないですか!!!!!!

 僕は火照った体が冷めるのをまって入学式の会場に向かった。

 流石にすっぽかすのはまずいですしね。

 会場に入ると殿下はすでに来ており僕の姿を見るとニコニコ笑っているのだ。

 殿下が先生に話しておいてくれたらしく、中に入ると先生が席まで案内してくれ席に着いたのだがかなり目立ってしまった。

 あちらこちらから視線を感じる。

 目立ちたくなかったのに!!!!!!!!!

 穴があったら入りたいし、穴がなくてもどこかに隠れたい。

 いたたまれないなか父親だけは娘が目立ったと大喜びしていたのは言うまでもないです。

 勘弁して欲しい、あの様子だと殿下の方から近づいてきそうだがはっきり言って近づかないで欲しい。

 僕はクラスに入ると殿下の婚約者様が本を読んでいるのがみえた

 僕は彼女に近づきおずおずと声をかけた。

 「本を読んでいるところ申し訳ございません。
 私はマリー・グラッセと言います。
 先ほど殿下に助けられた者なのですが、殿下やナターシャ様にご不快な噂が流れては大変なのでこうして申告に参りました」

 「そんなことをわざわざ言いに来てくれたのですか?」

 「殿下には連れの者が居ませんでしたし、もし誤解を生むような噂が流れては殿下の名に傷がつきますし、ナターシャ様の何も傷がついてしまう、それだけは避けたかったのです」

 「……ありがとう、そう言ってきたのはあなたが初めてよ。
 殿下はお優しいから困っている人がいると手を貸したくなるらしいの、その行為を相手が誤解してしまって今までに何度大変な目に合ったか……」

 「あの行為は誤解を生みます。
 なのでやはりご報告出来てよかったです」

 僕は軽やかに笑い胸をなでおろした。

 「……マリーと言ったわね。私とお友達になってくれないかしら?」

 「私でいいのですか?」

 「ええ、貴方がいいわ」

 僕の初めての友達が出来た。

 凄く嬉しいし、こんなきれいな人が友達なんて誇らしかった。

 彼女は公爵家のご令嬢でナターシャ様と言うのだけど、マリーに爪の垢でも煎じて飲ませたいぐらいお淑やかで優雅な方だ。

 僕の家も伯爵家とそこそこの家柄なのに教育が行き届いていないのがバレバレなほど雲泥の差で本当に恥ずかしいよ。

 これで殿下が近づいてきてもナターシャ様の所に来たと思われて一石二鳥!!!!

 タイミングを計ってナターシャ様には事情を話さないとな思う僕なのです。

 少し憂鬱です。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果

ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。 そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。 2023/04/06 後日談追加

王太子が護衛に組み敷かれるのは日常

ミクリ21 (新)
BL
王太子が護衛に抱かれる話。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騎士は魔王に囚われお客様の酒の肴に差し出される

ミクリ21
BL
騎士が酒の肴にいやらしいことをされる話。

同性愛者であると言った兄の為(?)の家族会議

海林檎
BL
兄が同性愛者だと家族の前でカミングアウトした。 家族会議の内容がおかしい

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...