勘弁してください、僕はあなたの婚約者ではありません

りまり

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 僕の名前はリ-シャと言う。

 決してルカではない。

 僕はアイテムボックスから着替えと剣を取り出し身に着けた。

 執事や侍女長たちは僕がこうなるのがわかっていたのだろうだから色々教えてくれたのだ。冒険者ギルドもその一つだ。冒険者ギルドには登録できる年に執事に連れて行ってもらい登録し、クエストもこなしていたのでお金もあるしなんなら王都に僕の拠点となるお家もあるのだ。

 知らないのは公爵家の奴らだけ、僕が放置子だとギルドマスターも知っているので国外追放だけで済んだと思うんだけど、騎士たちは僕が着替えギルドカードを見せるとすんなり中に入れてくれた。

 「こんなんで大丈夫なの?」

 「追放されたのはルカであってリーシャではない」

 「そうそう、ギルドカードにもリーシャと書かれているしな」

 騎士たちはニヤニヤしながら言うのだ。

 この国そのうち暴動でも起きるんじゃないか?と心配してしまうぐらい緩い。

 僕はその足でギルドに行くと中では僕の話で持ちきりだ。

 「国外追放大変だったな」

 「本当ですよ。
 そんな暇あるんだったらダンジョンに籠ります」

 「お前ならそういうと思って、王様にこっそり教えておいた」

 「マスターできる男はかっこいいですね」

 「少しは惚れ直したか?」

 「もとから惚れていないので惚れ直すことはありませんが」

 僕は方々手を尽くしてくれたギルマスの頬にお礼のキスをした。

 ギルマスは隙あらば唇を奪おうとしてくるし、寝こみも襲ってくる油断ならない相手だが今回は偉い人に口利きしてくれ追放処分だけで済んだんだこれぐらい安いものだ。

 「できれば唇にしてくれればさらに俺ガンバちゃうんだけどな」

 「……内容次第でお願いします」

 「もちろんリーシャを悲しませた奴らを懲らしめないとね」

 これは止めても止まらないな。

 「お手柔らかに……」

 僕はギルマスの望むままキスをしたが、ギルマスが満足するまで口内を貪られたのは言うまでもない。

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