邪魔しないので、ほっておいてください。

りまり

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 そうです。

 この世界は私の弟がドハマりしていた世界です。

 悪役令嬢が可哀そうだと嘆いていたのを覚えている。

 常識的なことを言っているのに嫌味を言われただの嫌がらせをしただのと悪役令嬢の婚約者に泣きつき、まんまと婚約者の座を仕留めたしたたかな女だと言っていた。

 そのヒロインが私を階段から突き落としたローズだ。

 悪役令嬢は突き落とされた私で、これって逆の立場よね?

 私が突き落とすのであって突き落とされるのは変だよね?

 バグってる?

 今の私に婚約者もいないし、これってこのままいけば何も起こらずに学園生活をおくれるのではと考えたが、ゲームの矯正力と言うものを考え、邪魔せず友人を作りその方たちと過ごす様にしよう。

 後お父様に言って屋敷のあちらこちらに撮影用の魔道具を設置してもらうように言わなければ、そうだ学園にも伝えてもらわなければ後、もし婚約の打診があればそれはすべて断ってもらうようにしなければいけませんね。

 そんなことを眠っている中思っているとお父様に呼ばれる声が聞こえたのだ。

 意識が浮上し目を覚ますとそこにはやつれた顔のお父様がいた。

 「良かった。目を覚ましてくれたんだね」

 お父様は私を抱きしめさめざめと泣きだしたのだ。

 泣いてしまったお父様を私が背中をトントンと叩いているのを温かい目で見守っている執事に、私が階段から落ちた後のことを聞いた。

 案の定私が突き落とそうとしたから抵抗して逆に私が落ちたと言ったそうだ。

 その嘘は目撃者が多かったことから虚偽とされ、親子ともども捕まったそうだ。

 ざまあないなと思いながらも、お父様との離婚は成立しているので大丈夫かと思ったが慎重になった方がいいだろうと思い、私が頭を打ったことで思い出したすべてのことをお父様に話した。

 お父様も執事も真剣に聞いてくれ、学園側や王家にも話を通してくれたのだ。

 もしどんな形でもローズ親子が出てきても大丈夫なように手を打っておくことにしたのだが、ローズの物に執着したり人の物を取る所は前世の幼馴染に似ていると思った。

 あの執着は怖かった。

 私が死んだのも幼馴染のせいなのだから、あの時あの場に何故彼女がいたのか不思議でならないけど今度こそ生き延びて長生きしてやるんだから!!!!!



 
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