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全ての洗濯物を干し終わりようやく朝・昼兼用で食事を取ることが出来た。
お腹が空ききっている僕の胃には少々きついがこれから遅れた分の練習をするのだからこれぐらい食べておかなければ最後まで持たないだろう。無理矢理詰め込み終わると練習を始めた。
「今日も一日頑張っていこうね。
遅れた分から始めるよ」
「はい、よろしくお願いします」
朝からやるメニューを始めると先輩騎士が隣で数を数え始めた。僕にとって基礎トレは騎士団に入団する前からの練習で、一人でやる時はこれの倍はやっているのではっきり言って楽勝だ。基礎トレが終わり今度は走る番が来ると先輩と一緒に他の人たちをどんどん追い越していく。
周りを眺めながら走っていると、先ほど団長とチチクリ会っていた団員は既に脱落しており救護班に運ばれているのが見えた。先輩も「団長に抱かれた日の練習は免除になっているのに無理するなー」とぼやいているから抱かれる側の負担が大きいのだろうと想像は出来た。
「団長には食わず嫌いはないと思っていたけど、やっぱり外見や体形は気にするんだ」
先輩はぽつりとつぶやいたつもりだろうけど、僕の地獄耳には聞こえた。好きでこの体系なんじゃないのに、僕の実家はど田舎で俺は体力づくりに毎日走っていたけど痩せなかった。
どんなに努力してもこの体型のせいでサボっているのだと言われてしまう始末だ。そんな過去があるから人一倍努力を怠ることはなしなかったし、自分に厳しくあれと心に刻んでいたぐらいだ。
この騎士団なら認めてもらえると信じここに入団したけど……ここでも無理かもしれないと最近思えてきた。
ズルしたわけでもないのに仲間からはズルしていると先輩たちに報告が上がっていると聞いている。
その為、最近は先輩たちが一緒に走り不正がないか見ているのだ。
今日も俺の横を先輩騎士が一緒に走っていた。
「君すごいね……あれだけ走って息一つ上がっていないなんて……」
「僕の田舎何もないので体力作りに走っていたんです」
「それなのに痩せないか……もしかして君には魔力があるのかもしれないね」
「魔力ですか?
そんなことないと思いますけど……」
「調べるだけ調べてみようよ、体型で真面目にやっているのに嘘呼ばわりされるのは赦せないからね」
一緒に走ってくれた先輩により俺の身の潔白が証明されたが、さらに厄介なことになってきたのだ。
この国では十歳になる子供には魔力判定をさせられる。
そこで魔力があれば王宮に上がり魔法の勉強をしなければならないのだ。
魔力がなければ次男以降は実力で上を目指す。
僕も魔力がないからと剣術を習っていたんだ。
そういえば魔力判定ってやったっけ?
考えてみれば両親からお前に魔力はなかったと聞かされていただけで、何かをしたという記憶がない。
それとも寝ている間にされていたのだろうか?
それともわざとしなかったのだろうか?
いくらあの両親だからって……あの両親ならあり得る……
僕は地方の男爵家の四人兄弟の次男で、下に弟と妹がいる。
考えてみれば下の弟は俺のように洗濯や料理を習っていることはなかった。
自分で食べるものは自分で取りに行っていたし……その中で剣術だけは習わせてもらったんだ。
そんなことを考えながら俺は走り切ったのだ。
もちろんその後の筋トレもすべて先輩監視のもと、やり切りましたよ。
時間が余ったので先輩に剣術を教わることが出来て有意義な時間を過ごせたと思う。
先輩たちと汗を流し、食事をし明日が早いので早めの就寝です。
剣術の稽古が楽しすぎて、魔力判定をすることをすっかり忘れていたのです。
怒られることはなかったけど、呆れられてしまったのは言うまでもなかったです。
お腹が空ききっている僕の胃には少々きついがこれから遅れた分の練習をするのだからこれぐらい食べておかなければ最後まで持たないだろう。無理矢理詰め込み終わると練習を始めた。
「今日も一日頑張っていこうね。
遅れた分から始めるよ」
「はい、よろしくお願いします」
朝からやるメニューを始めると先輩騎士が隣で数を数え始めた。僕にとって基礎トレは騎士団に入団する前からの練習で、一人でやる時はこれの倍はやっているのではっきり言って楽勝だ。基礎トレが終わり今度は走る番が来ると先輩と一緒に他の人たちをどんどん追い越していく。
周りを眺めながら走っていると、先ほど団長とチチクリ会っていた団員は既に脱落しており救護班に運ばれているのが見えた。先輩も「団長に抱かれた日の練習は免除になっているのに無理するなー」とぼやいているから抱かれる側の負担が大きいのだろうと想像は出来た。
「団長には食わず嫌いはないと思っていたけど、やっぱり外見や体形は気にするんだ」
先輩はぽつりとつぶやいたつもりだろうけど、僕の地獄耳には聞こえた。好きでこの体系なんじゃないのに、僕の実家はど田舎で俺は体力づくりに毎日走っていたけど痩せなかった。
どんなに努力してもこの体型のせいでサボっているのだと言われてしまう始末だ。そんな過去があるから人一倍努力を怠ることはなしなかったし、自分に厳しくあれと心に刻んでいたぐらいだ。
この騎士団なら認めてもらえると信じここに入団したけど……ここでも無理かもしれないと最近思えてきた。
ズルしたわけでもないのに仲間からはズルしていると先輩たちに報告が上がっていると聞いている。
その為、最近は先輩たちが一緒に走り不正がないか見ているのだ。
今日も俺の横を先輩騎士が一緒に走っていた。
「君すごいね……あれだけ走って息一つ上がっていないなんて……」
「僕の田舎何もないので体力作りに走っていたんです」
「それなのに痩せないか……もしかして君には魔力があるのかもしれないね」
「魔力ですか?
そんなことないと思いますけど……」
「調べるだけ調べてみようよ、体型で真面目にやっているのに嘘呼ばわりされるのは赦せないからね」
一緒に走ってくれた先輩により俺の身の潔白が証明されたが、さらに厄介なことになってきたのだ。
この国では十歳になる子供には魔力判定をさせられる。
そこで魔力があれば王宮に上がり魔法の勉強をしなければならないのだ。
魔力がなければ次男以降は実力で上を目指す。
僕も魔力がないからと剣術を習っていたんだ。
そういえば魔力判定ってやったっけ?
考えてみれば両親からお前に魔力はなかったと聞かされていただけで、何かをしたという記憶がない。
それとも寝ている間にされていたのだろうか?
それともわざとしなかったのだろうか?
いくらあの両親だからって……あの両親ならあり得る……
僕は地方の男爵家の四人兄弟の次男で、下に弟と妹がいる。
考えてみれば下の弟は俺のように洗濯や料理を習っていることはなかった。
自分で食べるものは自分で取りに行っていたし……その中で剣術だけは習わせてもらったんだ。
そんなことを考えながら俺は走り切ったのだ。
もちろんその後の筋トレもすべて先輩監視のもと、やり切りましたよ。
時間が余ったので先輩に剣術を教わることが出来て有意義な時間を過ごせたと思う。
先輩たちと汗を流し、食事をし明日が早いので早めの就寝です。
剣術の稽古が楽しすぎて、魔力判定をすることをすっかり忘れていたのです。
怒られることはなかったけど、呆れられてしまったのは言うまでもなかったです。
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