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プロローグ
しおりを挟む少年には夢があった。
ここよりも広い世界を見てみたい。
そんな漠然とした夢が。
何も無く真っ白で────寒いだけのこの場所だけでなく。
華やかで明るい世界を1人で歩いて旅してみたい。
誰でも抱くようなそんな夢が。
「おーい、大丈夫??」
だが、夢というのは時に残酷なものである。
踏み出した一歩目が奈落に続く落とし穴なんて事はザラにある。
「え、嘘、生きてるよね?」
落とし穴ではなくとも
歩みが向かう先が悪い事もある。
「わ、すごい熱!!」
しかし、彼の場合は歩んだ先に───
「よい……しょっと……」
────手を差し伸べ、その先を示してくれる人が居た。
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