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2章 騎士と少女と界層魔術師
6話 魔術師はツボを押す
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ウィンブルガー王国首都ガーベラより南。
隣国ロミリアユニオンに隣接した湖。
その畔には小さな丸太小屋がある。
「あ”ッッッッッッッッッ!!お”ほッッッッッッ!」
「大人しくしてくださいユキノ様」
でもって。
その丸太小屋は世界に五つしかない界層魔術師事務所であり最強と名高い冠名魔女そして、天才と称される世界で唯一の界層魔術師が住んでいるのだが。
「ちょッッッッッッ!コ”ー”ル”!!そこは!!あ”ッッッ!!らめぇ!!!!」
今日は外まで聞こえるくらいの酷い声が長閑な湖に響き渡っている。
例えるならば熊に襲われたイノシシのような悲鳴だろうか。
「魔女でも足ツボは痛いんですね」
「あッッッたり前でお”あ”ッッッッッッッゔぁッッッッッはぅ!」
「今のは肩です。それでここは────腰です」
「パァーーーーーーーい”っった”あ”ーーーーーーー!!」
丸太小屋ことジュリアス界層魔術師事務所の中では、椅子に座った冠名魔女ユキノ·フローズが弟子であり、この事務所の所長であるコウェル·ジュリアス所長からマッサージを受けている。しかも足ツボの。
「しぬ………し”ぬ”………」
陸揚げされた魚の如く口をパクパクさせているこの魔女。
今日は営業終了とばかりに、ラフな部屋着姿で艷やかな蒼銀の髪を頭の両端で束ね完全にリラックスモード。
容姿もあって『黙っていれば』魅力溢れる人だ。
でもって少々露出多めの部屋着姿。
人が人なら目のやり場に困りそうなモノだが
「ユキノ様、もしかして胃悪いんですか?」
「あ”あ”あ”ーーーーーーーーーやめれーーーーーーー!!!」
このコウェル·ジュリアスという男は慣れたもので、師の谷間とか太ももとか諸々が間近にあろうが動じず足ツボを攻めている。
でもって。
弟子から足裏マッサージを食らっているユキノは、普段の綺麗な声からは考えられない低音や濁音混じりの声を上げ、時に長くしなやかな両手足をジタバタさせながら悶絶している。
その姿は全ての魅力をゼロまで落としており、あの妖艶な『氷華の魔女』たる姿はそこに無い。
「虐待!!魔女虐待禁止!!お師匠様命令ーーーーーーー!!ぐわぁーーーーーーーーー!」
そして絶叫と共に椅子から転げ落ちる。
鈍い音が響いたのは後頭部を床に打ち付けたからだろう。多分。
で。
頭を擦りつつ、ぷるぷる震えながら起き上がり弟子ことコウェルを涙目でジトッと見つめる冠名魔女。
そこに最強の魔女たる威厳は一つもない。
「ユキノ様がやれって言ったんですよ。マッサージ」
そして、無駄に爽やかに笑う弟子。
線の細い中性的な顔に実に無垢な────見方によっては真っ暗な────笑みを浮かべている。
「言ったけど足ツボとは言ってないもん!!
フツーはマッサージって肩もみとかさあ!!色々他にもあるじゃん!!」
弟子を指差し吊り気味の目を普段の倍ぐらい吊り上げてギャンギャン吠えるユキノ。
一方のコウェルは「これが一番効きますから」と物凄く良い笑顔である。
でもって更に
「ううう……コレが本当に効いてるのがムカつく……」
コウェルの足裏マッサージはかなり効く。
王都の腕利きマッサージ師がハンカチを噛んで悔しがる位によく効くので一部の顧客────しかもほぼ魔女や魔導師────からマッサージの依頼も来ることがあるので実は貴重な収入源でもある。
それはさておき。
「王都で感じた気配なんだったんてしょうね」
王都での事を思い出し、商売道具ならぬ足ツボマッサージ用の道具をしまいながら呟くと、ジトッとコウェルを睨んでいたユキノも「あー」と呆けた声を出した。
「変な感じだったよねー。
ここに居るってわざと教えてるような?そんな感じだったし。どちらにせよいい気分では無かったよね。コール、もしかしてどっかで誰かの恨みでも買ったんじゃないの?」
椅子に座り直したユキノは足を擦りながら首を傾げる。
王都のカフェを出た辺りからずっと誰かがついてきていたのは気配で分かっていた。
仮にその追っ手がアサシンの類だったなら気配を消して追ってくるだろうし、その他の悪意のある輩ならもっと直接的に出てくるハズだ。
コウェルに対する妬みとかそういうモノは常日頃から同業者にぶつけられているが、恨みとなると思い当たる所は───
「思い当たる節が無いんですよね。アーマライト家以外からは……」
────アーマライト家ことアーマライト界層魔術師事務所。
「マンイーターの件でしょ?アレは向こうが全部悪いじゃん。セレちゃんも『貴方は被害者側ですから』って言ってたじゃない」
「まあ、確かにそうですけど」
ユキノがセレちゃんことセレスティアの声真似をしながら宣うのを見つつ、コウェルは苦笑いする。
世界に五つしかない界層魔術師事務所のウチのひとつアーマライト界層魔術師事務所。
フェザーと同じくウィンブルガーに籍を置く界層魔術師事務所であり古参の事務所だ。
しかし様々な事柄におおらかで柔軟なフェザーと違い、彼らは魔術師としての矜持。
そしてなによりも家柄と名家としての誉に重きを置く事務所だ。
それ故にアーマライト家は名家の出身でもなく、魔術師の家柄でもないコウェル·ジュリアスという存在そのものを嫌っている。
嫌っているから──────
「確かにじゃなくてさ。殺されかけたんだからねキミは」
────命を狙う。
コウェルも学生時代に命を狙われた。
理由は『魔術師として家柄が相応しくない』
ただそれだけの事で極めて残酷な手で殺されかけた。
その時はユキノやホノカ達が助けに来てくれたので事なきを得たし、調停機関と学院、更に総組までもが間に入りアーマライト界層魔術師事務所には半年間の活動停止という処分が下された。
本来であれば界層魔術師事務所の名も取り上げられる所だったが、界層魔術師事務所が学生を手に掛けたという事実は世界的に混乱を招く可能性が高かった事と、コウェルが『大騒ぎにしたくない』と言った事もあり、この件は調停機関預かりとなり表沙汰にはされなかった。
『書類上の重大な不備』が発覚したとして半年間の活動停止という名目で公表はされたので、さすがに多少の騒ぎにはなったがそれもすぐに収まり事態は穏やかに収束した。
─────しかし。
それでも黒い噂が絶えないのがアーマライト界層魔術師事務所。
監査こそ入っているとはいえ三大義務の遵守が怪しいとか、殺しに手を貸してるとか、聖者と関わりがあるなんて話も良く聞く噂だ。
─────そういった理由もあり。
アーマライト界層魔術師事務所は人気も無い。
学生の間ではアーマライトよりもジュリアス界層魔術師事務所のほうが圧倒的に人気だったり、ここ最近では依頼数もジュリアス界層魔術師事務所の方が多かったりする。
まあ、歴史や資金面は雲泥の差。まさに月とスッポンだが。
「ハルト団長に相談したほうが良いですかね?」
「しなくていいよ~~~。それに私達、王都なんて一ヶ月に一回くらいしか行かないんだからさぁ~」
こんな辺鄙な場所まで来ないでしょ。と付け加えユキノは大きな欠伸をした。
そして部屋の隅の長椅子に目を向けると座っていた椅子から立ち上がり、
「ちょっと昼寝するねー、夜ご飯出来たら起こしてー」
トコトコ歩いて長椅子に近寄りそのままボフッという音と共に横になった。
「わかりました。じゃあ、僕は畑見に行ってきますね」
「あーい……よろしくー…………」
柔らかいクッションにぐでっとした顔を埋めて返事するユキノに伝え、コウェルはカゴと鎌を片手に小屋を出た。
隣国ロミリアユニオンに隣接した湖。
その畔には小さな丸太小屋がある。
「あ”ッッッッッッッッッ!!お”ほッッッッッッ!」
「大人しくしてくださいユキノ様」
でもって。
その丸太小屋は世界に五つしかない界層魔術師事務所であり最強と名高い冠名魔女そして、天才と称される世界で唯一の界層魔術師が住んでいるのだが。
「ちょッッッッッッ!コ”ー”ル”!!そこは!!あ”ッッッ!!らめぇ!!!!」
今日は外まで聞こえるくらいの酷い声が長閑な湖に響き渡っている。
例えるならば熊に襲われたイノシシのような悲鳴だろうか。
「魔女でも足ツボは痛いんですね」
「あッッッたり前でお”あ”ッッッッッッッゔぁッッッッッはぅ!」
「今のは肩です。それでここは────腰です」
「パァーーーーーーーい”っった”あ”ーーーーーーー!!」
丸太小屋ことジュリアス界層魔術師事務所の中では、椅子に座った冠名魔女ユキノ·フローズが弟子であり、この事務所の所長であるコウェル·ジュリアス所長からマッサージを受けている。しかも足ツボの。
「しぬ………し”ぬ”………」
陸揚げされた魚の如く口をパクパクさせているこの魔女。
今日は営業終了とばかりに、ラフな部屋着姿で艷やかな蒼銀の髪を頭の両端で束ね完全にリラックスモード。
容姿もあって『黙っていれば』魅力溢れる人だ。
でもって少々露出多めの部屋着姿。
人が人なら目のやり場に困りそうなモノだが
「ユキノ様、もしかして胃悪いんですか?」
「あ”あ”あ”ーーーーーーーーーやめれーーーーーーー!!!」
このコウェル·ジュリアスという男は慣れたもので、師の谷間とか太ももとか諸々が間近にあろうが動じず足ツボを攻めている。
でもって。
弟子から足裏マッサージを食らっているユキノは、普段の綺麗な声からは考えられない低音や濁音混じりの声を上げ、時に長くしなやかな両手足をジタバタさせながら悶絶している。
その姿は全ての魅力をゼロまで落としており、あの妖艶な『氷華の魔女』たる姿はそこに無い。
「虐待!!魔女虐待禁止!!お師匠様命令ーーーーーーー!!ぐわぁーーーーーーーーー!」
そして絶叫と共に椅子から転げ落ちる。
鈍い音が響いたのは後頭部を床に打ち付けたからだろう。多分。
で。
頭を擦りつつ、ぷるぷる震えながら起き上がり弟子ことコウェルを涙目でジトッと見つめる冠名魔女。
そこに最強の魔女たる威厳は一つもない。
「ユキノ様がやれって言ったんですよ。マッサージ」
そして、無駄に爽やかに笑う弟子。
線の細い中性的な顔に実に無垢な────見方によっては真っ暗な────笑みを浮かべている。
「言ったけど足ツボとは言ってないもん!!
フツーはマッサージって肩もみとかさあ!!色々他にもあるじゃん!!」
弟子を指差し吊り気味の目を普段の倍ぐらい吊り上げてギャンギャン吠えるユキノ。
一方のコウェルは「これが一番効きますから」と物凄く良い笑顔である。
でもって更に
「ううう……コレが本当に効いてるのがムカつく……」
コウェルの足裏マッサージはかなり効く。
王都の腕利きマッサージ師がハンカチを噛んで悔しがる位によく効くので一部の顧客────しかもほぼ魔女や魔導師────からマッサージの依頼も来ることがあるので実は貴重な収入源でもある。
それはさておき。
「王都で感じた気配なんだったんてしょうね」
王都での事を思い出し、商売道具ならぬ足ツボマッサージ用の道具をしまいながら呟くと、ジトッとコウェルを睨んでいたユキノも「あー」と呆けた声を出した。
「変な感じだったよねー。
ここに居るってわざと教えてるような?そんな感じだったし。どちらにせよいい気分では無かったよね。コール、もしかしてどっかで誰かの恨みでも買ったんじゃないの?」
椅子に座り直したユキノは足を擦りながら首を傾げる。
王都のカフェを出た辺りからずっと誰かがついてきていたのは気配で分かっていた。
仮にその追っ手がアサシンの類だったなら気配を消して追ってくるだろうし、その他の悪意のある輩ならもっと直接的に出てくるハズだ。
コウェルに対する妬みとかそういうモノは常日頃から同業者にぶつけられているが、恨みとなると思い当たる所は───
「思い当たる節が無いんですよね。アーマライト家以外からは……」
────アーマライト家ことアーマライト界層魔術師事務所。
「マンイーターの件でしょ?アレは向こうが全部悪いじゃん。セレちゃんも『貴方は被害者側ですから』って言ってたじゃない」
「まあ、確かにそうですけど」
ユキノがセレちゃんことセレスティアの声真似をしながら宣うのを見つつ、コウェルは苦笑いする。
世界に五つしかない界層魔術師事務所のウチのひとつアーマライト界層魔術師事務所。
フェザーと同じくウィンブルガーに籍を置く界層魔術師事務所であり古参の事務所だ。
しかし様々な事柄におおらかで柔軟なフェザーと違い、彼らは魔術師としての矜持。
そしてなによりも家柄と名家としての誉に重きを置く事務所だ。
それ故にアーマライト家は名家の出身でもなく、魔術師の家柄でもないコウェル·ジュリアスという存在そのものを嫌っている。
嫌っているから──────
「確かにじゃなくてさ。殺されかけたんだからねキミは」
────命を狙う。
コウェルも学生時代に命を狙われた。
理由は『魔術師として家柄が相応しくない』
ただそれだけの事で極めて残酷な手で殺されかけた。
その時はユキノやホノカ達が助けに来てくれたので事なきを得たし、調停機関と学院、更に総組までもが間に入りアーマライト界層魔術師事務所には半年間の活動停止という処分が下された。
本来であれば界層魔術師事務所の名も取り上げられる所だったが、界層魔術師事務所が学生を手に掛けたという事実は世界的に混乱を招く可能性が高かった事と、コウェルが『大騒ぎにしたくない』と言った事もあり、この件は調停機関預かりとなり表沙汰にはされなかった。
『書類上の重大な不備』が発覚したとして半年間の活動停止という名目で公表はされたので、さすがに多少の騒ぎにはなったがそれもすぐに収まり事態は穏やかに収束した。
─────しかし。
それでも黒い噂が絶えないのがアーマライト界層魔術師事務所。
監査こそ入っているとはいえ三大義務の遵守が怪しいとか、殺しに手を貸してるとか、聖者と関わりがあるなんて話も良く聞く噂だ。
─────そういった理由もあり。
アーマライト界層魔術師事務所は人気も無い。
学生の間ではアーマライトよりもジュリアス界層魔術師事務所のほうが圧倒的に人気だったり、ここ最近では依頼数もジュリアス界層魔術師事務所の方が多かったりする。
まあ、歴史や資金面は雲泥の差。まさに月とスッポンだが。
「ハルト団長に相談したほうが良いですかね?」
「しなくていいよ~~~。それに私達、王都なんて一ヶ月に一回くらいしか行かないんだからさぁ~」
こんな辺鄙な場所まで来ないでしょ。と付け加えユキノは大きな欠伸をした。
そして部屋の隅の長椅子に目を向けると座っていた椅子から立ち上がり、
「ちょっと昼寝するねー、夜ご飯出来たら起こしてー」
トコトコ歩いて長椅子に近寄りそのままボフッという音と共に横になった。
「わかりました。じゃあ、僕は畑見に行ってきますね」
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