アキの日常2

チキ

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アキの日常2

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いつの間に知らない世界に来たアキ。
混乱する中、現地の人と思われる男に助けられる。
「あ!そういえばあなたの名前聞いてないわね、ごめんなさい沢山失礼な態度を取って、お名前聞いてもいいですか?」と急に改まるアキ。
男は笑いながら答える「おう、俺はムドリ!」
「そう、ムドリさんね、私はアキです。色々とありがとう!」お礼を伝えながらアキは今後どうすればいいのか顔が曇る。
ムドリは「大丈夫だ!たまにアキみたいなヤツが来るからさ向こうに村長の事務所があるんだ、そこで相談してきな!後大体同じヤツが同じ所に戻って来るからさ、みんなその辺に家もつくってるよ、まあ取り合えず村長んとこに行ってきな!」とアキの背中をポンポンする。
少し不安げなアキだか笑顔をみせ「分かったありがとう!」と伝え歩き出す。
村長の事務所についたアキ。
「すみません~。」恐る恐る戸を叩く。
「はい、どーぞ。」少し年配の女性が出てくる。
「先程日本からきて、ムドリさんにこちらに行くといいと聞いて...」とアキが言うと「あー!日本からね、説明書を渡すのでこちらにどーぞ!」と中のテーブルへ案内される。
木で出来た素敵な建物だ。
村長さんは小学校の教科書のような冊子を出すとアキへ手渡す。
「来たばかりなら大変ね、まずは家からね」そう言うと冊子をめくりアキに説明する。
「別の世界から来た人は、その時目覚めた場所に又戻って来る事があるの。何回も来る人もいるし、一回きりの人もいるけどまあ家を作れば目印になるから。」
と話しを続ける。
「あ、すみません。私お金無いんです。何も持ってなくて...」アキが慌てて言うと
「あ~、最初に話すのを忘れてたね、お金は必要ないの、あなたたちがこの世界を作ってるんだから。」え?!アキがビックリした表情になると、村長さんは笑いながら
「ビックリした?そうよね、私も何だか分からないけど、そういう事らしいのよ。」
「まあ、実際は国が負担するから大丈夫よ、心配しないで!あなた達のように別の世界から来た人に心良く居てもらえれば良い世界に、そうでなければその様な世界になると伝えられているからそうなっているの、まあ限度はあるけどね、あなたに何かあっても私が協力するからここを訪ねるといいわよ!」心強い村長さんの言葉に
アキは「ありがとうございます。」と安心した顔で笑う。
取り合えず家をつくるってどうしたらいいのだろう。アキは時間がかかるだろうしその間どうしようかと悩む。
すると村長さんは教科書のような冊子のページをめくり「このなかの物から好きな物を選んで、家を建てたい所に行って、選んだ物を指で擦るのそしたらチップみたいな物が出てくるから、それをつまんで建てたい場所に置いて離れると自然と家が展開されるから待つだけね!建てられない所だったり人や生物がいるとエラーになるから気をつけてね、スムーズにいけば10分、かかっても2時間ではできるはずよ!」
「まあやって見て!何かあればまた聞きに来ればいいから?」と背中をポンポン叩き励まされる。
「ありがとうございます!やってみます!」アキはドキドキしながら事務所を後にした...。
事務所を出たアキは初めに寝転んで居た場所まで来ると村長さんからもらった冊子を確認する。「この世界で過ごすあなたへ、か。」なるほど、さっきの家のページは...と。あったあった。どれも素敵だな~、1人だし憧れのログハウスもいいな~!家具もそろってるんだ便利だな~!ウキウキしながら写真を見渡す。
「これにしよう!」色々あったが少し遠慮がちに小さな木の家にした。
「まあ今は1人だしこの位かな?」
木の家の写真を擦るとパラと小さなチップが出てきた。不思議。まあ取り合えずやって見よう。
アキはそのチップを床に置くとチップはパラパラパラと紙を広げるようにどんどん大きくなった。
「オー!すごい!」すると途中でピーッ!ピーッ!ピーッ!と音が鳴った。
「え?なに?なに?」慌てていると手に持っていた冊子の家のページが赤く光っている。めくると、作っている家の写真が今の変な形に止まった状態に変わっていて家の右下に赤丸が付いている「回収する場合は5回タッチ、移動は指でスライドして下さい。か、」アキは何となく5回タッチしてみた。すると写真の赤丸からスワ~ッと水が溢れるように何かが飛び出てアキの足元にパタンと落ちた。「え?!何?」ビックリしながら足元を見ると、スライムが落ちている。
「わ~!」アキはビックリして飛び上がった。
スライムは笑っているのか分からないが上下にブニャンブニャンとゆれた。
「おーい!アキ~!どうだ家は出来たか~?」遠くの方からムドリがやって来た。
スライムを退かしたからか、家は又パラパラパシンパシンと音を立てて完成に近づいた。「今できそう。」アキは駆けよって来たムドリに話す。
「お、こじんまりしたヤツにしたんだな。」ムドリが言うと「まあ1人だしね。」とアキが答えた。
ムドリは笑いながら「前に来たヤツが大きい物にしてなんか面倒くさいって後悔してたからさ、アキはどんなヤツにしたのか気になったんだ」とイタズラっぽい顔になる。「家は作り直せないの?」アキは疑問そうに話す。「そうなんだ、いくつも建てたり作り直すにはちゃんと申請して理由が通らないとダメだな。」ムドリは続けて「売買するのは基本的にダメだし、自分の物だけど借りてるみたいなもんだな。自分の世界に戻ると、その冊子のヤツに自動回収されるからさ」
なるほどね~。アキは納得した。
そのうちに完成した家に入ってみる。
ムドリは「じゃあね又来るよ!」
とどこかに行ってしまった。自宅に帰るのだろうか?
アキは家に入るとキレイな室内と意外と頑丈そうな建物に驚いた!「お~!いいね!」一回り見てベッドで一息ついた。
今頃みんなどうしてるのかな?向こうはそんなに時間たってないようだけど...。
疲れたのかアキはそのうちに寝てしまっていた.....。
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