前世を思い出した巫女は神のもとに行きたい

だるま

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浄化をします

3

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1回目の浄化は終わった。でもこれで終わりではない。1回ですむはずがないのだ。まさに50年分の穢れがまだあるのだから。


久しぶりだったので力が入りすぎてしまった。一旦休憩にすることにした。
わたし達は祠から離れ、見晴らしのいいところに移動した。
風が気持ちいい…少し早いが昼食にしようか。




「………」

なんでいつまでいるの領主…

「君って目で語るの多いね。面白いけど。」

「言わんとしたことがわかるのでしたらもう、浄化も終わったことですし帰られたらどうですか?」

「せっかくだしね。まだ君といたんいだよね。」

若い女性が聞いたら勘違いされそうだ。





「ねね。これ何?美味しい!」

「ああ、これはね…」

ミコトは口に詰めて食べるのがクセなのか?可愛いからいいけど。

不本意の中、領主と昼食を共にしてる。わたしの弁当でね!
ミコトが思いのほか食べるので、多めに作ってきたのだが、領主が食べる分まで賄えてしまった。
領主も何食わぬ顔で食べてるし。毒味せんでいいんか?

「君、料理うまいね。」

「どうも。」

みるみるうちに料理がなくなる。ミコトもよく食べるが、この領主もよく食べる…
まぁ作ったものを平らげてくれるのは嬉しいものだけど。


「この前の試験のとき初めて浄化をみたけど、今回のは前回よりすごいね。あれが本当の浄化なんだね。すごく綺麗だったよ。」

「それはどうも。」

「今更なんだけど、君ミコト様見えてるんだね。」

あっ……
マダムが見えてたから、この人もみえてると思ったのだが、わたしが見えてることは知らなかったのか!

「………ええ。まぁ…」
墓穴を掘った気分だ。

「代々神殿を守る領主の血筋はミコト様が見えるんだ。
今の神官や巫女はみんなミコト様は見る力はない。
そして浄化もできない…」

えっ領主の血筋ってミコト見えてたの?
前世では領主達はミコトは見えてなかった。いつから?





昼食を終え、休憩できたことで浄化の再開だ。
今日はできて後2回かな…



「ミコト、祈りの歌でリクエストある?」

「そうだね~春の歌がいい!」

「そう。わかった。」

わたしはまた手を組み歌う。祈りの歌などはたくさん種類がある。覚えるのが大変だが…
わたしは意識を集中させ、リクエストの春の歌を歌う。


♪~

前世ではミコトのリクエストをよく聞いていた。本人も希望するものの方がいいかな?と単純に思っただけなのだが、思いのほかミコトの受けが良かったのでそれが習慣になっていた。


歌が終わり、2回目の浄化が終わった。
わたしは続けて今日3度目の浄化を始めた。




流石に疲れた…
やってもやっても穢れがなくなってる気がしない。
もう1回するか…

「ダメだよ!
今日はこれで終わり!」

ミコトが中止してきた。

「でも……」

「穢れはちゃんと落ちてる。でも50年分はそんなすぐには落ちないから。」

「なんか、服の汚れがこびりついて落ちないみたいな会話だね。」

「………」
領主黙ってろ!
ミコトに止められた以上、従うしかないか。
確かにこれ以上は帰れなくなってしまう。

祠を出て少しばかりの休憩を取ることにした。




木に身体を預け目を閉じる。
力の枯渇は命の危険がある。前世では各担当で浄化をしても1日1回程度。3回もしたのは初めてだ。

「大丈夫かい?」

心配になったのか領主が気にかけたきた。

「大丈夫です。少し休めば、家に帰れますので。」

「送ろうか?」
「結構です。」
きっぱりすぐに切り返した。
もう帰ってよ領主。こっちはあんたまで気を向けるのが大変なんだよ。



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