前世を思い出した巫女は神のもとに行きたい

だるま

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絡まないでください

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わたし達は神殿に長くいても仕方なかったので、前世で会っていた湖に向かうことにした。
その間話は何もしなかった。
ただ足元が危ないからと、手を繋いで…という、アトス様の理屈には反抗せずに従った。
神殿の話をしてからこの人の瞳に不安が見え隠れしている。
きっとわたしがいなくなるのではないかと不安なのかもしれない。
そして、わたし達2人は湖に来た。


静かな所は変わらない。一般人はそうそうくる場所でもないしね。
今となっては神殿の人も来ないだろう。

「ここも何も変わらないですね。」

「そうだね。変わらない。」
アトス様がわたしの手に握る力を強める。

「どこも行きませんよ。鐘が鳴っても帰りません。」

「そうだね…どうしても過去に引っ張られる時があるんだ。そのときは不安でどうにもならなくなる。」

「だから、あんなに絡んでくるですか…」

「う、うん…」
俯き情けない顔をしている。仕方のない人だ…

「わたしはサニアではありません。」

「そ、それはわかってる。俺だってカインじゃない。」

「わかってますよ。始めちゃらいと思ったけど、面倒見の良い人です。神殿でも、慕われてました。カイン様がそうでなかったとは言いませんが、これまでの政はあなたアトス」がやり遂げたことです。」

「…ありがとう…
ユエ…俺は君を好きでいていいだろうか…」

好き?アトス様の顔を見ると赤くなってる。
ああ、これ告白されてる。
わたしの気持ち…
「好きならそれでいいのでは?
でも、わたしはあなたの気持ちに応えるのはまだできません。」

「えっ返事は先延ばしなのかな?」

「あなたが素晴らしい人なのはわかりましたが、男性として好きかはわたしにはわかりません。
今は友人で…という返事しかできませんが…」

ガックリとアトス様は項垂れる…
「そうかぁ…友人かぁ…」

「そこまで、落胆しなくても…」

「俺、いい物件だと思うんだよ?金持ちだし?顔はいい方だと思うし?仕事はするし。」

「仕事は素晴らしいですが、わたしがそれで靡くと思ってるなら、出直してらっしゃい。」

うん。この人カイン様じゃあないわ。







あれから取り敢えず、友人?として距離が縮まったわたしとアトス様。
友人に?がつくのは、アトス様の絡みが変わらないから。抱きつく、手を繋ぐ、匂いをかぐのはやめてくれない。
今となってはアトス様の精神安定剤となっているのではないだろうか。
そんな日々を過ごしていたある日、図書館に久しぶりに行くこととなった。
仕事である。しばらく城の書庫を管理していたが、図書館へ顔を出すように館長から連絡が来た。
それをアトス様に伝えると、瞬時の後にこりと笑っていた。これは良からぬことを考えてる…
とにかく、用事を済ませに街へ行くことになった。
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