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45.バレてしまったボドゲ部屋
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ハロウィンの夜、源蔵の自宅はアフターパーティーの為に数名の来客を迎え入れていた。
ナースゾンビの美智瑠、美少女格闘ゲームキャラ衣装の早菜、軍人風メイド服の詩穂、普通にただのバニーガール姿の冴愛らはいずれもコスプレ衣装のままだったが、渋谷でのハロウィンイベントに参加しなかった操と晶は、私服姿で源蔵宅へと姿を見せた。
出迎えた源蔵は彼女らを広いダイニングへと案内すると、用意していたオードブルやピザ、A3ランク牛のサイコロステーキプレートや山盛りのサラダなどを次々とテーブルに並べてゆく。
美智瑠は勝手知ったる何とか宜しく、ワインセラーから高級ワインを数本、適当に見繕ってグラスと一緒に持ち出していた。
「すっごい……ホントに広いですね……!」
この日が源蔵宅初訪問となる操は、豪奢な室内や美しい夜景、そしてセレブだけに許された数々の設備にひたすら目を丸くしていた。
「あとね、プライベートジムとかリラックスルームもあるし、何ならお風呂はサウナとかもあって、超リッチな夜が満喫出来るんだよ!」
冴愛がまるで我が家自慢でもするかの如く、物凄く嬉しそうに語っていた。
操は全く違う世界へと足を踏み入れたかの様な顔つきで、ひたすら感心し、ひたすら驚いていた。
「そういえば課長、こないだオタク歴がチョー長いっておっしゃってましたけど、何かあんまりオタクっぽい部屋無いですよね?」
「まだ僕ん家の全部を見せた訳やないから、坂村さんは想像も出来んでしょうね」
ふふんと鼻を鳴らした源蔵。
資格試験勉強会の間は、全ての部屋を開放した訳ではなかった旨を告げると、早菜と詩穂が目を爛々と輝かせ始めた。
「普段あんまり使ってへんけど、この家にはボドゲ部屋もあるんですよ」
「えー! マジですか? 見たい見たい!」
早菜が物凄い勢いで食いついてきた。詩穂も、すぐに見せろといわんばかりに腰を浮かしかけている。
源蔵はふたりを案内して、メゾネットの二階部へと螺旋階段を上っていった。
そして最も奥まった一室、源蔵のベッドルームの真向かいにある洋室へと迎え入れた。
ここで早菜と詩穂は、歓喜の色を乗せた声を裏返して、大いにはしゃぎまくった。
「わぁ~! すっごぉー! めっちゃ一杯あるー!」
「課長! 全部で幾つぐらいあるんですか?」
壁沿いの書棚をびっしりと埋め尽くすボードゲームやカードゲーム、更にはTRPGの書籍の数々に、興奮を露わにしている早菜と詩穂。
源蔵は書棚のひとつから取り出した目録をぱらぱらと繰ってみたが、まともにカウントしていたのは最初のうちだけで、途中からはなし崩し的になってしまっていた為、正確な数は分からなかった。
「うーん……はっきりとは分からへんけど、多分二千か三千セットぐらいはあるんちゃいますかね。結構ダブって買ってるやつとかもありますし」
これだけの数を全て遊び尽くすには、相当な日数を要するだろう。
そもそも源蔵はここにあるゲーム全てを遊んだ訳ではなく、新品のまま未開封状態のものも結構な数に上っていた。
と、そこへ興味を惹かれたのか、操と冴愛も姿を見せた。ふたり共、大量のゲームの山にすっかり気圧された様子で、半ば唖然としている。
そんなふたりの反応を見て、早菜がふと何かを思いついた様子で両掌をぱんと叩き合わせた。
「楠灘さん、これ、このままにしとくの勿体無いですよ……もし良かったら、リロードでボドゲカフェとかやりません?」
「ん? ボドゲカフェですか」
成程、と源蔵は頷き返した。
金曜の夜や土日限定などでボードゲームカフェとして営業するというのも、悪い話ではない。新たな客層を取り入れるには十分に魅力のある提案であろう。
「神崎さん、どないです? 一回やってみます? 確か店内の倉庫が一室、ほとんど何も使わんまま空きっぱなしになってましたよね?」
「えぇっと、私は全然構いませんけど……」
操は困惑しながら曖昧に頷き返してきた。
曰く、彼女はボードゲームやカードゲームは余り詳しくないから、対応出来るかどうか自信が無いらしい。
すると早菜と詩穂が、任せろとばかりに胸を張った。
「あ、それじゃあボドゲカフェ営業の時だけ、私がスタッフとしてお店に入りますよ」
「あたしもあたしもー。こんな楽しそうなの、見てるだけなんて勿体無いですしー」
どうやら彼女達はこのボドゲ部屋にある商品のうち、三分の一程度は過去に遊んだことがあるらしい。
それでも結構な数に上るから、ふたりの知識と経験はボドゲカフェ運営の際には大きな武器となるだろう。
「ほんなら早速、明日からでもリロードに移しましょか。告知やら何やらにも時間要るでしょうから、正式な営業開始までには二、三週間程はかかるでしょうけど」
そんな訳で、リロードに週末限定ボードゲームカフェという新たな一面が加わる運びとなった。
操も、
「それじゃ私もなるべく沢山遊んでみて、頑張ってルール覚える様にしますね」
と、静かな闘志を燃やし始めた。
その隣で冴愛が、バニーガール姿のままで大きく手を挙げた。
「ウチもやるー! めっちゃ楽しそーじゃん!」
美女四人が経営するボードゲームカフェとくれば、それだけで話題性十分だ。
源蔵はこのネタをグルメインフォメーション課を通して発信出来ないか、後日隆輔に連絡を取って打診してみようと考えた。
「それじゃあさ、今日早速、何か遊んでみよーよ」
冴愛の提案で、酒が入っていても簡単に遊べるゲームを幾つか見繕って、ダイニングに持って下りることになった。
「やー、まさかコスイベントのアフターでボドゲパーティーが出来るなんて……楽し過ぎー」
早菜がすこぶる機嫌良さそうに、自らが選んだゲームの箱を抱えて部屋を飛び出してゆく。
そして源蔵はリロードが秘めている可能性とポテンシャルの高さに、内心密かに期待を膨らませていた。
ナースゾンビの美智瑠、美少女格闘ゲームキャラ衣装の早菜、軍人風メイド服の詩穂、普通にただのバニーガール姿の冴愛らはいずれもコスプレ衣装のままだったが、渋谷でのハロウィンイベントに参加しなかった操と晶は、私服姿で源蔵宅へと姿を見せた。
出迎えた源蔵は彼女らを広いダイニングへと案内すると、用意していたオードブルやピザ、A3ランク牛のサイコロステーキプレートや山盛りのサラダなどを次々とテーブルに並べてゆく。
美智瑠は勝手知ったる何とか宜しく、ワインセラーから高級ワインを数本、適当に見繕ってグラスと一緒に持ち出していた。
「すっごい……ホントに広いですね……!」
この日が源蔵宅初訪問となる操は、豪奢な室内や美しい夜景、そしてセレブだけに許された数々の設備にひたすら目を丸くしていた。
「あとね、プライベートジムとかリラックスルームもあるし、何ならお風呂はサウナとかもあって、超リッチな夜が満喫出来るんだよ!」
冴愛がまるで我が家自慢でもするかの如く、物凄く嬉しそうに語っていた。
操は全く違う世界へと足を踏み入れたかの様な顔つきで、ひたすら感心し、ひたすら驚いていた。
「そういえば課長、こないだオタク歴がチョー長いっておっしゃってましたけど、何かあんまりオタクっぽい部屋無いですよね?」
「まだ僕ん家の全部を見せた訳やないから、坂村さんは想像も出来んでしょうね」
ふふんと鼻を鳴らした源蔵。
資格試験勉強会の間は、全ての部屋を開放した訳ではなかった旨を告げると、早菜と詩穂が目を爛々と輝かせ始めた。
「普段あんまり使ってへんけど、この家にはボドゲ部屋もあるんですよ」
「えー! マジですか? 見たい見たい!」
早菜が物凄い勢いで食いついてきた。詩穂も、すぐに見せろといわんばかりに腰を浮かしかけている。
源蔵はふたりを案内して、メゾネットの二階部へと螺旋階段を上っていった。
そして最も奥まった一室、源蔵のベッドルームの真向かいにある洋室へと迎え入れた。
ここで早菜と詩穂は、歓喜の色を乗せた声を裏返して、大いにはしゃぎまくった。
「わぁ~! すっごぉー! めっちゃ一杯あるー!」
「課長! 全部で幾つぐらいあるんですか?」
壁沿いの書棚をびっしりと埋め尽くすボードゲームやカードゲーム、更にはTRPGの書籍の数々に、興奮を露わにしている早菜と詩穂。
源蔵は書棚のひとつから取り出した目録をぱらぱらと繰ってみたが、まともにカウントしていたのは最初のうちだけで、途中からはなし崩し的になってしまっていた為、正確な数は分からなかった。
「うーん……はっきりとは分からへんけど、多分二千か三千セットぐらいはあるんちゃいますかね。結構ダブって買ってるやつとかもありますし」
これだけの数を全て遊び尽くすには、相当な日数を要するだろう。
そもそも源蔵はここにあるゲーム全てを遊んだ訳ではなく、新品のまま未開封状態のものも結構な数に上っていた。
と、そこへ興味を惹かれたのか、操と冴愛も姿を見せた。ふたり共、大量のゲームの山にすっかり気圧された様子で、半ば唖然としている。
そんなふたりの反応を見て、早菜がふと何かを思いついた様子で両掌をぱんと叩き合わせた。
「楠灘さん、これ、このままにしとくの勿体無いですよ……もし良かったら、リロードでボドゲカフェとかやりません?」
「ん? ボドゲカフェですか」
成程、と源蔵は頷き返した。
金曜の夜や土日限定などでボードゲームカフェとして営業するというのも、悪い話ではない。新たな客層を取り入れるには十分に魅力のある提案であろう。
「神崎さん、どないです? 一回やってみます? 確か店内の倉庫が一室、ほとんど何も使わんまま空きっぱなしになってましたよね?」
「えぇっと、私は全然構いませんけど……」
操は困惑しながら曖昧に頷き返してきた。
曰く、彼女はボードゲームやカードゲームは余り詳しくないから、対応出来るかどうか自信が無いらしい。
すると早菜と詩穂が、任せろとばかりに胸を張った。
「あ、それじゃあボドゲカフェ営業の時だけ、私がスタッフとしてお店に入りますよ」
「あたしもあたしもー。こんな楽しそうなの、見てるだけなんて勿体無いですしー」
どうやら彼女達はこのボドゲ部屋にある商品のうち、三分の一程度は過去に遊んだことがあるらしい。
それでも結構な数に上るから、ふたりの知識と経験はボドゲカフェ運営の際には大きな武器となるだろう。
「ほんなら早速、明日からでもリロードに移しましょか。告知やら何やらにも時間要るでしょうから、正式な営業開始までには二、三週間程はかかるでしょうけど」
そんな訳で、リロードに週末限定ボードゲームカフェという新たな一面が加わる運びとなった。
操も、
「それじゃ私もなるべく沢山遊んでみて、頑張ってルール覚える様にしますね」
と、静かな闘志を燃やし始めた。
その隣で冴愛が、バニーガール姿のままで大きく手を挙げた。
「ウチもやるー! めっちゃ楽しそーじゃん!」
美女四人が経営するボードゲームカフェとくれば、それだけで話題性十分だ。
源蔵はこのネタをグルメインフォメーション課を通して発信出来ないか、後日隆輔に連絡を取って打診してみようと考えた。
「それじゃあさ、今日早速、何か遊んでみよーよ」
冴愛の提案で、酒が入っていても簡単に遊べるゲームを幾つか見繕って、ダイニングに持って下りることになった。
「やー、まさかコスイベントのアフターでボドゲパーティーが出来るなんて……楽し過ぎー」
早菜がすこぶる機嫌良さそうに、自らが選んだゲームの箱を抱えて部屋を飛び出してゆく。
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