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四話 いざ、フィールドへ

『クァシャアァァッ!』

球根に足の生えたような形をした植物型エネミーについて、解ったことがいくつかある。
まず、どれもこれも動作が緩慢としていて隙が多い。
しかし、一旦何かしらを『敵』と認識すると、蔦部分を振り回しながら奇声を上げて周囲の同種エネミーを引き寄せ、袋叩きにしようとしてくる。
とは言えこの自由領域フィールドではそもそもエネミー数が少ないため、10匹ほど倒したところでようやくその特性に気付いたくらいだ。
最初はてっきり単なる威嚇行為かと思った。
……ナナは怯えていたが。

そして、アマリと出逢った時説明されたように、気配遮断のスキルが上手いらしい。
動きが遅いせいで動いても殆ど物音はしないし、辺りに生えている草と同じ緑色なので花以外が同化していて後ろを向かれていると視認し辛い。
そのせいでエネミーのほうから先にこちらを見つけていつの間にか背後に近寄ってきて、ナナが襲われかけたことも何度かあった。
アマリ曰く、このようにこちらからアクションを起こさずとも襲ってくる敵は『アクティブエネミー』と呼ばれ、この自由領域フィールドの植物型エネミー全てがそうではないがある程度はアクティブエネミーである、とのこと。

「んー……想定以上で予定外だなぁ……」

15匹目のエネミーをカズキが倒したところで、後ろからアマリの唸り声が聞こえた。
アイテムボックスに7つ目の『プラントの葉』がドロップするのを確認しつつ、何が? と問う前に、ナナが震える声を発する。

「わ、私……本当に何も出来てなくて……」
「そう、それ。それなんだよ。ナナちゃんの出る幕が無い」
「と言っても、そうしたら俺はどうしたら良いんだ?」

確かにナナとアマリの言う通り、ナナは何も出来ていない。
しかし敵は倒しているし、カズキの目的である『フェザーブレードの使い心地を試す』はつつがなく実行中だ。
おそらく自分はこれを購入するだろうし、リャンの店に戻ってアマリに支払って貰うことになるだろう。

「……カズキはエンオンの技能については解ってるよね? さすがに」
「まぁ、なんとなくは」

技能について、と言われても主語が大きすぎて漠然としている。
なので曖昧に濁しつつ、ある程度の、もしくは最低限の知識はあると返した。
アマリは眉根を寄せると、ぴんと人差し指を立ててすらすらと説明する。

「なんらかの技能を繰り返し使う事でスキルポイントを得て、同カテゴリの技能に割り振る事が出来る。そう、つまり今の状態は……」
「……そうか、俺の剣系スキルは上がってもナナのスキルが全く上がらないのか」

VRMMOという慣れないもので、剣という扱った事もないものを扱っていた事で、頭からすっぽ抜けていた。
そう、これではナナの成長の余地が無いのである。

「そういう事。それで君たちには選択肢をあげよう」
「選択肢……ですか?」

うんうんと大仰に頷いたアマリは、腰に手を当てると『選択肢』という言葉を持ち出した。
不安そうな顔のナナがそれを見上げ、アマリはにっこりと口角を上げるとこう告げる。

「ここよりもうちょっと迷宮ラビリンスに近い自由領域フィールドまで行ってもう少し強いエネミーと戦うか。もしくは、カズキは一切攻撃しないで囮になるか。さあ、どうする?」
「奥、行くか」
「えぇ!?」

一切攻撃しないなんてつまらないにも程がある。
そう思って即答したが、ナナは乗り気ではないらしく、頓狂とんきょうな声をあげた。

「あ、でもさっきまでナナは我慢してたのか。じゃあ別に俺が囮になるんでも構わないけど」
「えっ、あ、その……そういう意味じゃなくてですね……私本当に戦った事が無いに等しいので、もし死んじゃったりしたらアマリさんにもカズキさんにもご迷惑を……」
「迷惑とかそういうのは考えなくてよーし! せっかく三人もいるんだし、もうちょっと奥行ってみようか! ナナちゃんもエンオンの戦闘に慣れる為ならこのくらいの荒療治頑張れ頑張れ!」

さーてレッツゴー! と言いながら、アマリはずかずかと自由領域フィールドの奥へと進んでいく。
……結局アマリが決めるのか。
そう思いつつも、おろおろするナナを守る役割は自分のものだ。
ここより強い敵が現れる自由領域フィールドで、後衛のナナを守りつつ、ナナにも戦闘に貢献して貰わなくてはならない。
それに何かあったとしても、アマリはたまに迷宮ラビリンスの浅い所を探索していると言うし、ならば自由領域フィールドの敵くらいなら一人でもどうにかなるのだろう。

「大丈夫だよ、ナナ。俺も頑張って守るし、俺がダメでもアマリがきっとなんとかしてくれる。アマリが大丈夫だって言うなら大丈夫だろ」
「大丈夫とは……言ってない気がするんですけどぉ……」

もはや泣きそうな顔をしながら、両手で杖を握り締めて震える足で付いてくるナナ。
それを見ると若干可哀想にも思うが、決まった事はしょうがない。
しかし、ここで問題が一つ。

「なぁ、死んだらどうなるんだ?」

ナナは『死んじゃったりしたら』と言っていたが、死んだらどうなるか知らなかった。
さすがにどこぞの映画や小説じゃあるまいし、ゲーム内で死んだらリアルでも死にますなんてことにはならないだろう。
アマリは周囲を警戒しているのか、最前を歩きながら振り向くことなく答える。

「一時間その場で死体して、一時間経ったら拠点に設定してある街かギルドのアジトに強制送還。その間に誰かが蘇生アイテムか蘇生術をかけてくれればその場で復帰」
「ほー。じゃあもし死んだらアマリが蘇生してくれるって考えで良いのか?」
「蘇生薬の相場が5000リルって解った上で死んでくれるつもりなら考えてもいいけど、どうせそろそろリアルでもご飯だろうし一時間死体してても問題なくない?」

……冷たい。
そう思いつつ、今の自分はアマリに完全に『介護』されている状態だ、我儘は言えない。
アマリの言う通り、当初の予定である『30分』は刻一刻と近付いていた。
アマリにもナナにも、当然カズキにもリアルの生活があるのだから、ある程度のところで切り上げるのは当然の判断だ。
ただでさえ彼女にはこのフェザーブレードを買って貰う予定なのだ、その上蘇生薬を使って蘇生してくれとまでは言い辛かった。
5000リル、がどのくらいのものなのかピンと来ないが、フェザーブレードが数万くらいのようなので、それなりに高いのだろうということはなんとなく理解できる。

歩いていると、だんだん周囲の風景も変わってきた。
先程までの自由領域フィールドと比べると背の高い草が増え、見通しが悪くなった。
それに何よりどことなくじめじめとしていて、不快指数が高い。
リアルの梅雨の時期を思わせるような空気を肌で感じて、VR技術の進歩に息を吐く思いだったが、1匹目のエネミーを見つけたことで頭をXYZ ONLINEエンドオンラインのそれに切り替えた。

「あいつね、レッドプラント。さっきまで戦ってたプラントの上位種。たぶん流石にフェザーブレードでも一撃とは行かないと思うし挙動も違うから気を付けてね」

指を差してエネミーの説明をすると、アマリはカズキとナナの後ろへと下がる。
敵の数は最初の自由領域フィールド同様まばらに見えるが、レッドプラントとやらはプラントと比べると一回り図体が大きかった。
目測で1.5m程度、そして色も紅葉を思わせるような紅で、自由領域フィールドの風景に溶け込んでいるとは言い難い。
1m程度だったプラントと比べると、なるほど確かに上位種然としている。
純粋に体力も高そうに思えたが、今度は自分が我慢をする番だと思い、カズキはフェザーブレードを鞘から抜き放つと横に構える。
ナナとレッドプラントの中間地点に立つようにして、レッドプラントからの攻撃があったとしても受け流す体勢を取った。

「了解、とりあえず俺は攻撃しないで注意を引きつけるようにするから、ナナは魔法を撃ってくれ」
「わ、解りましたっ!」

慌てた声が背後で聞こえたが、数秒後にレッドプラントの身体に無数の切創が走る。
そのダメージでこちらに気付いたらしく、レッドプラントは奇声を上げながら蔦を振り上げた。
プラントと同じなら、このまま鞭のように振り下ろしてくる筈だ。
しかし、プラントよりこいつは身体が大きな分蔦も長く、下手をしたらナナにまで届いてしまう。

「させるかッ!」

振り下ろされた蔦に狙いを定め、斬り払うようにフェザーブレードを横に薙いだ。
斬り落とされた蔦ははらりと落ち、荒いポリゴンとなって霧散する。
が、そんなことを悠長に眺めている暇などある筈も無く、第二第三の蔦がカズキへと襲いかかった。

「くっ……!」
「させません!」

豪快に剣を振って全部斬り落とそうと思ったが、ナナの魔術が後方から飛んで来たようだ。
カズキを襲わんとしていた蔦はバラバラに切り刻まれ散り散りに落ち、レッドプラントの蔦も残すところ数本。
ナナの魔術はどうやら鎌鼬かまいたちのようなものらしい。

「カズキ、チャンス!」

アマリの声が飛んでくる。
トドメは、ということなのだろう。

「ぜああァァァッ!」

両手で柄を握ってフェザーブレードを振り上げると、レッドプラントの身体を両断すべく勢いよく振り下ろした。
その攻撃によって体力を削り切ることが出来たらしく、レッドプラントは荒いポリゴンになってから霧散する。

「やったみたいだな」
「はい! 私……お役に立ててましたか?」
「ああ、さっきナナが蔦を刻んでくれてなかったら、俺はダメージを負ってたよ。ありがとう」

振り返り勝利を確認すると、喜色を顔に浮かべたナナが駆け寄ってきた。
まるでご褒美を待つ犬のようなその態度が可愛らしく微笑ましく思えたので、純粋な気持ちで素直に礼を言う。

「やった……! カズキさんとなら、ここでも上手く戦っていけそうですね!」

先程までの弱気っぷりは何処へ飛んで行ったのか、今の戦闘で自信を付けたらしい。
ならばその勢いに乗るまでだ、と次のレッドプラントを探す。
草の背が高いが、プラントより大きなレッドプラントを見つけるのはそう難しいことではなかった。

そんなこんなで、ほぼノーダメージで10体のレッドプラントを狩ったところで、一度戻ることになる。


「おかえりだヨー。どうカナ? フェザーブレードの使い心地は」

アジトより先に、とアマリに促され、まず立ち寄ったのはリャンの店。
ナナは来るのが初めてなのか、壁に掛けられたあらゆる武器や防具を物珍しそうに眺めていた。
彼女は装備が後衛らしく布製メインのようなので、リャンのような金属を主に扱う鍛冶屋とは縁が遠いのだろう。

「すごく良かったよ。だからこれを買わせて欲しい。……払うのは、アマリだけど」
「ま、出世払いで良いよ。あとはさっき拾ったプラントの葉やレッドプラントの茎を買い取ってくれるところに売って資金繰りして、防具も揃えていけばオッケーかな」
「あまりチャンはウチの常連だからネー。ちょっと色付けて……ンー、これでどうカナ」

リャンは再び目視できるパネルを表示させると、幾つかの操作の後にぐるりと180度回転させてアマリに見せる。
アマリはそれを覗き込むと、パネルに手を触れた。
どうやらゲーム内通貨のやり取りをしているらしい。

「……はい、取引完了! そのフェザーブレードは今から君のモノだよ、カズキ!」
「ありがとう、大切に使うよ。リャンさんも色々気遣ってくれて、助かった」

支払いが終わったのか、振り向いてぱちぱちと拍手するアマリに頭を下げた。
顔を上げるとリャンにも一揖して、改めて自分の物となったフェザーブレードの鍔を軽く撫でる。
今からこいつが、戦闘面での相棒だ。
既に散々振るったような気持ちでいたので、今から、と言われてもぴんと来ないが、やはり正式に自分の物になったと思うとこみ上げてくる物がある。
リャンはひらひらと手を振ると、一重で切れ長の目を細めた。

「良いんだヨー。ただ、もし今後金属系の素材が手に入ったら優先的にウチに売ってくれると助かるネー。ギブアンドテイク、ってヤツ」
「了解、俺は戦士を本職にしたいわけじゃないから期待に応えられるかは解んないけど、もし手に入ったら此処に来るよ」
「あいヨー、まぁ適当な口約束くらいでヨロシ。今回はあまりチャンとの取引だからネ、かずきクンとの取引はまた別ネ」

なかなかビジネスライクなことを言うなぁ、と思ったが口には出さないでおいた。
アマリがリャンとのコネを持っていたのは初心者としては僥倖だろうし、アマリのお陰で自分もリャンとコネが出来るかもしれないなら良い事だ。
では用事も済ませたしアジトへ戻ろう、という事になって。

「あたしそろそろ落ちないと! んじゃね! ご飯とお風呂済ませたらまたログインするから、カズキもログインするならまた付き合うよ!」

ワープストーンの光が3人を包む中、それだけ慌ただしく言うと、アジトに着いた途端アマリの姿は荒いポリゴンとなって消え失せた。
なにもログアウト時の演出までエネミー撃破と同じものにしなくて良いのに……と思ったが、おそらくこのXYZ ONLINEエンドオンラインに於いて『荒いポリゴンとなって霧散する』は『このゲームから消失する』表現として統一されているのだろう。

アジトには、話をした時と全く同じ席にグッドスリープが居た。

「あらあらぁ、お帰りなさいですぅ。カズキさんもナナちゃんもリアルでご飯ですかねぇ」
「そうですね……私はたぶん、ご飯とお風呂の後はお兄ちゃんにVRを譲りますけれど」
「俺はそうだな……アマリがなんとなくまだ用事があるっぽかったし、色々済ませたらまたログインするかも」

アマリは単に『ログインするなら付き合う』としか言わなかったが、肝心のプラントの葉を売る先など彼女に相談したほうが良いだろう。
おそらく向こうもそれを教えるつもりだったが時間が足りなかった、と思った。
それに仮にプラントの葉やレッドプラントの茎を売って画材を買う軍資金に出来るなら、早くそうしたい。

グッドスリープはこれまた先程と同じ白磁に青い蔦模様のカップで紅茶を一口啜ると、のんびりした口調で提言する。

「たぶん21時くらいになればマスターがログインすると思うんですよねぇ。ナナちゃんも今日はロクさんに譲って貰って、マスターにご挨拶してみては?」
「マスターか……確かに、お世話になるなら一言くらい挨拶すべきだよな」
「そうですね……私も、挨拶くらいならさせて貰えるかも」

カズキの中で、『トロヴァトーレ』に根を張る気持ちは固まっていた。
アマリには『移籍しても良い』と言われたが、これだけアマリやグッドスリープ、ナナの世話になって『トロヴァトーレ』から出て行こうと思える気がしない。
ならば創設者たるマスターに挨拶するのは当然だろう。


とりあえず一度それぞれログアウトしリアルの用事を済ませることにして、21時過ぎ、再びヘッドギアを装着してカプセルに籠る。
『トロヴァトーレ』のアジトであるところの家は、夕方ログインした時より人が増えていた。
グッドスリープは、やはり同じ席でお茶をしているようだったが、テーブルの席は満員御礼。
声を掛けられる雰囲気ではない。

知らない人だらけで戸惑ったが、視界の端にナナを捉える。
隣にはあまり長身でない金髪の人物が立っており、会話中に見えたが藁に縋る思いでナナに近寄った。
グッドスリープに近寄るには、あまりにも知らない人が多すぎる。

「……あ! カズキさん! こんばんは」

ナナもこちらに気付いて、ぱぁっと花のような笑顔を浮かべると挨拶してきてくれた。
隣に立っていた人物も、カズキに気付いたらしく柔和な笑みを浮かべている。

近寄って解ったが、やはりカズキより一回り小柄で、金髪のウルフヘアはところどころメッシュが入って黒くなっていた。
顔立ちは穏やかで中性的で、エメラルドの瞳は大きくあどけなくすら見えたが、骨格から察するに男性だろう。
黒いインナーが左半身露出した、和服を着崩したような独特の装束を身に纏っており、首には小さな黒い球と大きな金色の球が交互に通った首飾りをしていて、胸元には緑色の勾玉が光っている。
こういう和風な装いも出来るものなのか、と感心半分で見ていたが、次に彼から発された言葉に仰天することになった。

「君がカズキくんだね。初めまして。僕はこのギルド『トロヴァトーレ』のマスター、ショウです。よろしくね」

にこり、と笑みながら右手を差し出される。
……この人が、マスター。
そう思うと生唾をごくりと飲み込みたい気分だったが、ここはVRの世界。
手汗をかいていたとしてもリアルだけだ、そう信じてその右手を握った。

「カズキです。そのー、アマリに色々世話になったんですけど、アマリはまだログインしてないんですかね」
「敬語なんて良いよ。アマリちゃんはたぶんもうそろそろ入るんじゃないかな? いつも通りなら」
「な、なるほど」

何がなるほどなのか全く解らないが、とにかくアマリは居ないらしい。
一度深呼吸して落ち着いて、ショウの手を放すと左手でメニューを呼び出し、ギルドメンバーリストを見る。
確かに、アマリの名前はグレーになっていた。

「それでさっきナナちゃんとも挨拶したところで、僕から提案があるんだけどね」

そう言ったショウに目線を戻すと、彼はギルドリングに声をかけている。
つまり、ギルドメンバー全員に彼の声は届いていた。
マスターからの提案、とは一体。

「皆でギルドハンティングに行こうか」

***
ショウ
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