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★デビュタント〜準備編〜★
地獄のシェイプアップトレーニング②
しおりを挟む「それでは、これからトレーニングに入っていきましょう。
ストレッチは………今日はやめておきましょう。
お嬢様にとっては何の意味もございませんので。」
昨日のストレッチの様子を思い出したのかルリは遠い目していた。
あまりの昨日のストレッチの酷さに、今回はいきなりトレーニングに入ることにしたようだ。
心なしかルカからも表情が消えているのは気のせいだと思いたい。
「まずはお尻と太もものたるみを解消するためにスクワットから始めます。
足を肩幅に広げ、つま先を真っすぐ前に向けてください。
続いて背筋をしっかり伸ばし、両腕を肩の高さで前に伸ばしてください。
そして、お尻を軽く後ろに引くようなイメージで上半身を真下にゆっくり下げてください。
このときに、必ず膝が爪先より前に出ないように注意してください。
床と太ももが平行になったところで、ゆっくり元に戻します。
この動作を15回づつ3セット行います。
ルカ。申し訳ありませんが、また昨日のようにおかしなことになっても困りますので、またお嬢様の補助をお願いします。」
ルリが淡々と告げる。
「え~っ!?また私が補助をするんですか~??」
ルカは咄嗟に反論するが、ルリの
「お嬢様がきちんとできると思いますか??昨日のであの様ですよ??」
の一言で撃沈した。
「なんで2人ともそんなに嫌がるのよ!?罰ゲームじゃないのよ!?」
昨日はこの上なくうまくこなせたと思っているセイラは2人の様子に不満の声を上げる。
「「それはもう関わりたくないくらい嫌ですから(ね~)。」」
こういう時だけ双子の能力を発揮する2人であった。
ルカは渋々セイラにつき体勢を支える。
足を肩幅に広げる。これは問題なかった。
次につま先を真っ直ぐ前に向ける。
「…お嬢様、何故足を蹴り上げるのですか??誰が足を真っ直ぐ空に向けると言いましたか??
ちゃんと私の話を聞いておりましたか??」
「えっ…だって前に向けるって…」
「お嬢様のは前でなく空に向かっております。
立ったままつま先を前に向けていただければそれだけで構いませんので。」
ルカに無理やり上げていた足を下ろされつま先を前に向けられる。
心なしかルカの手に力が入っているのはきっと気のせいに違いない。
続いて背筋をしっかり伸ばし、両腕を肩の高さで前に伸ばしてください。
これは問題なくできた…と思われたが何かおかしい。
「お嬢様。何故伸ばした腕の手首を垂直に曲げられているんでしょうか??
私にそのまま折られたいということでしょうか??」
そう、一見合ってるように見えるがセイラは伸ばした腕の手首を垂直に立て、まさにツッパリのような格好をしていた。
ルカはもう無言で手首をつかんで寝かせた。
その時セイラの手首から変な音がした気がした。
が、頑丈なセイラはものともせず次の姿勢へ移る。
そして、お尻を軽く後ろに引くようなイメージで上半身を真下にゆっくり下げる。
「お嬢様、お嬢様はなぜ今尻餅をつかれているのでしょうか??
休憩にはまだ早いですよ??」
そう、ルリはしゃがんだまま姿勢をキープすることができずに、こてんっと尻餅をついていた。
何度やっても尻餅をついてしまうセイラにルリは思わず「お嬢様は起き上がりこぶしかなにかの生まれ変わりですか??」と毒を吐いていた。
諦めてルリが支えることとなり、なんとか姿勢をキープすることができた。
と言っても、ほぼほぼルカが支えているため、もはやルカの筋トレと言っても差し支えないレベルだ。
最後に床と太ももが平行になったところで、ゆっくり元に戻します。
これに関しては言わずもがな、セイラは自分ではできずにルカがセイラの身体を下ろしたり持ち上げたりしていた。
「この動作を15回づつ3セット行います。」
ルリの無情な言葉にルカの腕が悲鳴をあげている。
「ルリ!!そんなの無理です~!!
これもう私の筋トレですよ~??
お嬢様重たすぎます!!
それかルリが変わってくださいよ~!!」
腕だけでなく実際に悲鳴も上げていた。
「無理です。私は重たいお嬢様を持ち上げられるだけの筋力はございませんので。」
「失礼ね!!私そんなに重くないわよ!!」
まだ一つ目のトレーニングだというのに先が思いやられる3人であった。
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