助けてと言われましても

待井 月

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助けてと言われましても

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___________________ここは、何処なんでしょうか?

朝起きて目が覚めて、自分が居たところと全く違うところにいたら。
貴方ならどうします?

もしそこで、目を見張るような少女から助けてと言われたら。

まぁ、多くの人がこう言うでしょう。

「無理ですね。」

私だって言いましたよ。
しかし、少女はなおも言い続けるのです。

________助けてくれたら好きにしていいと。

そりゃ、私も男ですから。
たまるものがあるわけで。

割とあっさりと少女を連れ出し、元いた場所に戻ってきましたよ。



私が敬愛するお嬢様の元へ。


ブッサイクな少女と共に。




この世界では、ちょっとぽっちゃりしていて背が低く可愛らしい顔立ちの娘が人気なんです。

しかし、私の好みは細くスラリとした体型にキツめの顔立ちの...

そう、私が敬愛するお嬢様のような人が好みなんです。


今回助けたのはこの世界で好まれてる少女。
余程自信があったのか、私に笑顔を振りまいて。

無理です。

その顔で近づかれると、今までお嬢様を虐めてきた女にしか見えなくなってしまいます。

あぁ、お嬢様にそんな顔を向けて。



そりゃ私も男ですから、たまるものもありまして。

例えば、お嬢様に対する敬愛だとか…執着だとか。


敬愛するお嬢様を侮辱されるストレスだとか。


変に自信がある女どもに傷つけられる我が主。
どれだけ排除しようとも何処からかわいてくる。

…何かの虫でしょうか。


まぁ、助けてと言われましたが。
こちらにも事情があるのです。

例えばほら、その絶望した顔がみたいだとか。




動かなくなった少女を見つめ考えます。

なぜ、こんなにも美醜によって優劣がつけられるのか。

もし、仮に。
お嬢様以外の人間全ての皮を剥いだら、1番美しいとされるのはお嬢様なのか。

まぁ、そんなことをしたらお嬢様が哀しむのでしませんが。


本当に助けを求めてるのはきっと…。
それに、私が助けたいのはただ一人だけですので。

私に、助けを求められても困ります。




さて、そろそろお嬢様が起きてしまう時間です。
















あら、あなたまだ居たのですか?
お話したように私はあなたを助けませんよ?

ここからは、私とお嬢様の物語です。
そこを覗かられるのはちょっと、いやかなり嫌ですね。

ほら、お帰りはあちらです。



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