11 / 22
第二章:川石男・『陸・海・空』三制覇?編
『陸』②、ロックマンの新兵器
しおりを挟むロックマンがスネークハンターになって数日。蛇を見つけるたびに武器(笑)を振りかざして特攻するものの、収獲はいまだにゼロでした。成果は上がらずとも何度も仕事を抜け出すので、いい迷惑です。
そこで、みんなで相談して、ロックマンをからかってやろうと計画してみました。
仕掛けは簡単。
①まずはおもちゃの蛇を用意します。(私は胴体がぐねぐねしているコブラを用意しました)
②おもちゃの蛇に糸を結びつけます。(見えにくい釣り糸がベスト)
③ロックマンの目の前で、糸を引いて蛇を動かします。
以上!
ロックマンの目の前を通過していく蛇!(おもちゃ)
生きているわけではないので、ぐねぐねの胴体そのままに水平移動!
草むらから草むらへ一直線!
それを見たロックマンは――――
「うおおおぉぉぉぉーー! 動いてる動いてる! こりゃ大物だ!!」
…………なぜ気がつかない?
蛇ってぐねぐね動きながら移動するでしょ?
これは一直線に水平移動しているんだよ?
胴体がぴくりとも動かないのをおかしいと思わないの??
そんな私の心の声をあざ笑うかのように、ロックマンは車に走りました。
「5万! 5万!」
と叫びながら。
……5万?
やがて、草むらからおもちゃの蛇を発見したロックマンは、怒ってつめよってきました。
「なんだよこのおもちゃ。せっかく5万だと思ったのに……」
「さっきから気になってたんだけど……5万ってなに?」
ロックマンは、きょとんとしたあと、得意げにどや顔で言いました。
「え? マムシが5万で売れるの知らないの? これくらいのいいサイズだと5万くらいするんだぞ!」
知らないよ。なにその謎の情報?
私の知らない売り先情報を手に入れた……わけではないでしょう。
ロックマンが【どや顔ロックマン】になる時は、間違いなく、何かを勘違いしているか、思い込んでいる証拠です。
『マムシは普通は5000円だけど、大きいサイズなら5万円になる』←これが今回のロックマンの思い込みです。
意味がわかりません。なんでいきなり10倍のインフレ価格に跳ね上がるのか。
どんな計算をすればそんな数式が成り立つのか、誰か私に教えてください。
――――それからも、ロックマンは蛇を追い続けました。
休みの日にも、田んぼのあぜ道を、武器を構えてうろうろしていたそうです。そして、近所のじいちゃんばあちゃんに見つかり逃げ帰った、と証言していました。
しかし、ロックマンがそれほどの努力をしても、いまだに一匹の蛇も獲れませんでした。
……そりゃ木の枝とポカリでは無理でしょう。
この時点で、ロックマンの脳内では、マムシはサイズ関係なく完全に一匹5万円になっていたのです。
流れを書き出すと
マムシ一匹5000円 → 大きいサイズのマムシは5万円 → マムシ一匹5万円
なんでこうなったのか……。
ロックマンは、本気で5万だと思い込んでいるのです。こうなったら誰の言う事も聞きません。
口を開けば、出るのは蛇の話題ばかり。それも捕まえられない事への愚痴のみです。
「何匹も見つけるんだけど、まだ一匹も捕まらない。せっかく5万が目の前にいるのに……」
もはや、ロックマンの目には、蛇がお札にしか見えていないのでしょう。バイトのみんなも、そんなロックマンにうんざりしていました。
バイトに来ていた友人Bも、うんざりしていたひとりでした。
ロックマンの言動に心底げんなりし、少しこらしめてやろうと計画を立てたのです。
「ロックマン、そんな武器じゃダメに決まってるだろ。俺がいいもの売ってやるよ」
そう言ってBは、新たな武器をロックマンに売ったのです。
マジックハンドを。
マジックハンド分かります?
グリップについているスイッチを握ると、ロボットアームみたいな先端が、ガシャンガシャンと閉じたり開いたりするアレです。
「このマジックハンド、1000円で売ってやるよ」
「……これ、100均のじゃない?」
「バカ。雑貨屋で買った、いいマジックハンドだよ」
私は知っています。そのマジックハンド、Bが100均で買っていた事を。でも、私も心底うんざりしていたので、何も言うつもりはありません。
「マムシ一匹5万円なんだろ? 1000円の投資で5万円になるならいいじゃないか」
その言葉でロックマンはマジックハンドを購入する事を決意しました。
例え100円のマジックハンドでも、ロックマンが1000円の価値を感じて買ったんだから、いいんじゃないでしょうか。
しかし、当然ロックマンは1000円なんて大金は持っていないので、Bへの借金という形での購入です。
実は私、兄も一緒に仕事をしています。Bとロックマンのやりとりを静観していた兄でしたが、そんな兄がおもむろに口を開いたのです。
「ロックマン、1本だけじゃバランス悪いだろ? 俺も同じの持ってるから売ってやるよ。1本じゃ逃がすかもしれないけど、2本で挟めば捕まえられるんじゃないか?」
こうして、ロックマンは新兵器を手に入れました。
二丁マジックハンドの使い手となったロックマン。
ロックマンの活躍は、次回をご期待ください。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる