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第三章:川石男・『車』編
2、ロックマンの運転・高速道路
しおりを挟む以前私は、ロックマンの運転する車で出かけた事がありました。
出かけた先は、地元から車で1時間ほどのところにある大きな市です。
ロックマンの運転にぎこちなさを感じてはいましたが、特になにかある事もなく目的地に到着しました。
遅くなったこともあり、帰りは高速道路を使うことにしました。
ゲートでチケットを受け取り、高速道路に繋がる上り坂を加速しながら進むロックマン。その加速の最中、私はあることに気がついてロックマンに告げました。
「ロックマンこっちじゃない。反対方向だ」
ロックマンは地元に帰る道ではなく、まるで逆方向に向かって走っていたのです。
しかし、ここまで来たらもうお手上げです。次のインターまで行って、一回降りて乗りなおすくらいしか手がありません。なんてことを考えていると――
「あっ。やばっ!」
そのロックマンの声と同時に、体が前につんのめるような感覚が走りました。
こいつ……踏みやがったんです……。高速道路に向かい加速する車で……思いっきり急ブレーキを……!
『パーーーーーッ!!』という警笛を鳴らしながら、後ろから大型トラックが迫ってきました。
私は本気で死を覚悟をしました。しかし間一髪、トラックが上手に避けてくれて事故は免れました。
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間。なんとロックマンはバックで来た道を戻り始めたのです。
何台もの車が迫ってきては追い抜いていきました。
高速道路の上り口をバックで後進している車を見て、追い抜いていった人々も気が気じゃなかったでしょう。その節は本当にご迷惑をおかけしました。
何度も、諦めて前に進むように言ったんですが、ロックマンは『大丈夫』と繰り返すばかりでバックを止めません。ハンドルを向こうが握っている以上、あまり迂闊なマネもできないのが歯痒かったです。
しかし、それでもなんとか入り口まで戻り、地元に向かってスタートを切りました。
高速道路になんとか乗って10分ほど、ちょっとトイレに行きたくなったので、ロックマンにそのことを告げました。するとロックマンは……。
「じゃあ、止まろうか?」
と言いながら高速道路の路肩に停車しようとしたので慌てて止めました。
『立ち小便をしようとして高速道路で轢かれて死亡』
こんな見出しでニュースに載る未来しか見えません。
車は路肩に止まることなくサービスエリアまで走り、私はトイレに行くことができました。
この出来事で私は決心しました。もう二度とロックマンの運転する車に乗らないことを。この決心は未だに破らず貫いています。
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