現実世界にワシらの居場所は無い

伸蔵

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序章

荒れ狂う3人

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「ワシらが最強なんじゃ、文句がある奴はいつでも来いや。ブチ回しちゃるわ。」


ここは広島、少年が3人、中学校の校舎内で暴れまわっている。


1人目は見た目からしていかにも問題がありそうで、3人とも大柄では無いものの、その中では1番丈夫そうな体つきをしており、大きな声で叫びながら常に最前線暴れまわっている。


2人目は一見美少年で暴れまわったりする様には見えない大人しそうな感じだが、3人の中で1番執拗に暴行を加えている。相手の戦意を完全に断つかの様な暴れ方だ。


3人目は少しヤンチャな感じで何処と無く可愛気がある。他の2人の様に一心不乱に暴れている感じでは無く、2人のフォローに回っている様に見える。

「なんなんじゃ、お前らもう終わりなんか?次からは相手をよう選んでケンカ売れぇよ。」

1人目がまた大声で叫ぶ様に言い放ち、3人は校舎を後にする。

「ヒロ君こっからどうするん?もうここらの学校は全部行ったで。」

3人目が1人目に話しける。

「そうじゃなぁ。シン、ここらで勘違いしとる奴らが集まりそうな所、どっか知っとる?」

1人目が2人目に話しかける

「ううん・・・・・そういや~、裸死狩(ラジカル)とか言うチームの溜まり場になっとるゲーセンがここらにあるらしいで。あんまり大きゅう無いチームみたいじゃし、こんな時間から勢ぞろいしとる事は無かろう。」

3人目がすかさず口を挟む。

「馬鹿言うなや。これからたった3人でチーム一個潰す気か?もう疲れたわ、早う帰ろうや~。」

1人目のヒロと呼ばれた少年が答える。

「馬鹿言うとるんはお前じゃあ、リョウ。よう考えてみぃ、ワシら3人じゃけぇ出来るんじゃろぅが、 群れとるだけのアホにワシらが負ける訳無かろうが。」

2人目のシンと呼ばれた少年も続ける。

「そうじゃ、やぼうなったらすぐ逃げりゃあええだけじゃし、そんな数おらんて。小刻みに潰して行きゃあ、相手がどんな奴らでも俺らならいけるじゃろ。」

3人目のリョウと呼ばれた少年は諦めたように

「分かった、分かった。お前らほんまにイカれとるのぅ。相手は殆んど年上で、メンツ的に必死じゃろぅから、何するか分からんけぇ無理せんようにしよぅで。いっつも無茶しすぎなんじゃあ。」

「そうか?無茶してええんなら、まだまだイケるで。なあ?ワシらがどんだけ遠慮しとるか、シンはホンマにイカれとるけぇ遠慮せんかったらもう何人か殺しとるんじゃないか?わしはそこまではようせんけどなぁ。」

「よう言うわ!お前のせいで問題がいっつも大きゅうなるんじゃ。少しは自覚せぇ。」


結局、いつもの様に思いついたまま、すぐ行動に移す事になり、ゲームセンターへ向かう事かになってしまった。


俺はヒロやシンとは違う、あいつらは性根っからイカれとるが、ある意味天才だ。俺は至って平凡な方だ。
ただ他の平凡人と違うのは親友がイカれているって事。
ヒロとは小学3年からの付き合いで何故か気が合う兄弟の様な間柄だ。
ヒロの突拍子の無い発想や圧倒される行動力に惹かれ多少、嫌、かなり無理してもついて行きたくなる。そう言う不思議な魅力のある奴がヒロだ。

そういうヒロの魅力に魅せられているであろう仲間がシンだ。
シンは中学からの付き合いなのでまだ1年程の付き合いだが、何かと一緒に行動している。きっかけはヒロとのケンカだが、それ以来ヒロもシンの事を気に入っている様で、頼りにしている節がある。
ヒロ繋がりで俺もシンと仲良くなったが、シンはシンでヒロとは別の危なさと頭の良さがあり、何故か放っておけないし、惹かれるものがある。


目的地のゲームセンターにつく前に俺たちはヒロの話に耳を傾けた。
恒例行事の作戦会議だ。
大きな揉め事の前はよっぽど2人の頭に血が昇って無い限りは必ず行う。
もちろん俺はカッとなって争う様なタイプの人間では無い。2人の半分くらい暴れたら求める刺激の量を大きく超えてしまう。

「今回の作戦じゃが、先にワシとシンが乗り込んで様子見るからリョウは外で待っとってくれ。粗方片付けるつもりじゃが、逃げて助けん呼びに行く奴が出るかもしれん。そんときゃお前に任せる。後は、中と外の状況を判断して動いてくれ。」

「それは作戦じゃなかろう。いつも通り任せる言う事じゃな?」

「まあ、そうじゃ。頼りにしとるで、リョウ。ワシらが頑張り過ぎてお前の出番が無くなるかも知れんがな。」

「そうじゃな、一気に片付けるで。」


いつもの事だが、ヒロとシンは本当に楽しそうだ。作戦会議中もアドレナリンが出てうずうずしているのだろう。

一応の作戦通り、ヒロとシンが先行して入った途端一気に騒がしくなる。
目標の連中と判断するやいなや、いきなり狂気を解放したのだろう。
上手くは聞き取れないがかなり暴れているようだ。

そのうち自動ドアが開いた。
裸死狩の連中かは知らないが出てきたやつが悪そうならやるしか無い。
こんな奴らがわんさか来たらさすがにヤバい。

「悪いんじゃが、勝手に出てもらっちゃ困るんじゃ。死んどけや。」

ヒロやシンがいきなり襲いかかるのとは違う。俺の場合は自己防衛の意味合いが強い。
ケンカは弱い方では無いが、余裕がある訳でも無い。不意打ちくらいしないと、身が持たないのだ。

それはそうとヒロの作戦は結構当たる。
今回のやつも片手に携帯を持っていたので、助けを呼びに脱出したのだろう。
110番の可能性も無くは無いがどちらにせよ連絡させる訳にはいかない。

その後2人出てきたがそれ以外の中からの脱出者はいなかった。よほど中の2人が頑張っちゃっているのだろう。
1人は仕留めたがもう1人には逃げられてしまった。
嫌、無関係そうな奴だったので本気で捕まえる気も起きず、逃した。
ヒロやシンの暴れ方を目の当たりにすると、たまに気の毒になる。あいつらは やり過ぎなのだ。
外から入ろうとする奴や逃げ出そうとする奴を脅す位が俺にはちょうどいい。


ひと段落ついた様なので中に入るとシンが這い出ようと必死になっている奴に容赦の無い仕打ちをする所だった。

「どこ行く気なんな~、俺が逃がすわきゃなかろぅがぁ。」

「シン、やり過ぎじゃあ。」

「おお、リョウか。ええタイミングじゃ。もう奥もヒロが片付けとるはずじゃけぇ、ここは終わりじゃ。」

「そうか、いつもながら頑張っとるのう。こいつらの携帯回収しながら奥行くけぇ、先に行っといてくれ。」

「悪いな。じゃあ、先行っとくで。」

そう言ったものの、携帯を使える様な状態の奴はほとんどいないようだ。シンの執拗な攻撃に意識朦朧といった所なのだろう。念のためポケットを探りながら奥へと向かうとヒロがいた。

「いっつも助かるわ。お前がそういう事をしてくれるけぇ、ワシらが自由に出来るんじゃ。シンも感謝せぇよ。リョウがおってのワシらじゃけぇなぁ。」

「そうじゃな。でもそんなんは後じゃ。ここにはもう様が無いけぇ、早い事ずらかるで。」

「そりゃそうじゃ。」

今回も誰も大きな怪我等せず。一応無事に帰れそうだ。そう思いながら3人並んで帰っていたその時、背後からの強烈な衝撃感じそのまま意識を失った。
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