現実世界にワシらの居場所は無い

伸蔵

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異世界突入編

シンのお願い

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シンの様子が見事召喚に成功したあの時から少し変だ。
これという確証は無いが、おそらく召喚従に関係しているのだろうと思う。

どう変わったのかというと、戦闘に対してアグレッシブになった様に感じる。
元々好戦的で、戦闘狂だと思っていたが、こちらに来てからはそうは感じない。

本人もたまに言っているが人間が嫌いなだけで、それ以外の生き物は嫌いじゃないらしい。
思い返すと【スケルトン】や【マミー】の様な生命を感じないものや【ファルター】の様な光の塊の様なモンスター相手だと張り切るが、魔獣系のモンスターになると、ヒロ君や俺に任せ気味になる気がする。

また、異人戦を率先して仕掛ける様になった。
対人戦に馴れておきたいと言っているが、特定の装備品か、まきあげた装備品の売却で得られるお金に執着しているように感じる。うちはヒロという戦闘狂がもう1人仲間にいる為、戦闘仲間には事欠かない。
むしろヒロにはそっちの方が好都合なようで、魔獣系のモンスターは好んで『捕獲』スキルを使って倒し、調理してから食す様になったし、異人戦に至っては街にいる間中、常に相手を探している感じだ。
そんなおり、シンから大事な話があると言われた。

「なんじゃ、大事な話って?お前、いきなりパーティー抜けたいとか言わんよな?」

「いやぁ、話って言うか、相談なんじゃが金、15万カラト程使わせて貰えんじゃろうか?」

「15万カラト!!今俺らどれ位持っとんじゃったっけ?戦闘しまくっとっても1万か2万位のもんじゃろ?ここイグリハナンの街で売っとる装備じゃあ、最高値でも2,000カラトだったじゃろ?何する気なん?」

「そうじゃなぁ、しかもワシらの装備は異人戦での戦利品で固めとるけぇ、イグリハナンで買物なんかする必要無かろう?」

「実はな?前から言っとるけど、俺は召喚従を常に召喚した状態でおりたいんよ。ハヤテなら消費MPも少ないけぇ、イケるかと思うとったけど、全然もたん。リノスなら尚更じゃ。俺自身のLevelを上げていきゃあどうにかなるかも知れんが、召喚出来にゃあ召喚Levelは上がらんし、召喚従との連携も取れん。そこで、『女神の加護』が付与されとる指輪が欲しいんよ。」

「確か『女神の加護』って自動MP回復のスキルじゃろ?そんなええもんがこの街に売っとるん?」

「最近は街に行きゃあ『分析』使って手当たり次第に調べまくっとって、ついに見つけたんよ。女神の指輪を持っとる奴を。」

「ようお前が取引する気になったのぅ。殺して奪うんがお前じゃろうが?相手がよっぽど可愛かったんか?」

「バカ言え。人を強盗殺人犯みとうに言うな。異人戦はあくまで戦闘スキルを上げる為のトレーニングの一環としてやっとるんじゃ。強盗目的じゃにゃあわ。だいたい相手は異人じゃのうて元人じゃけぇ、手が出せんのんじゃ。」

「やっぱりじゃにゃあか。こいつ、相手が異人だったら速攻殺して奪っとったで。」

「まあ、ええが。俺はヒロ君やシンが戦いまくって手に入れた戦利品で充分じゃし、特にやらにゃあいけん事がある訳じゃあ無いけぇ、経験値とカラトを貯める位しかやる事ないけぇ、シンも最近稼ぎまくっとるけぇ気にせず使やあええで。」

「まぁ、そうじゃな。ワシも色々やりたい事があるんじゃけど、それにはどうせ実戦で経験積まにゃあいけんけぇ、ついでに金も貯まるじゃろう。それより、シンは前からワシらに遠慮し過ぎなんよ。お前が頼み事してくれるなんて事、今まで無かったじゃろう?ワシらはもう完全にファミリーなんじゃけぇ、なんでも言い合って、助け合っていこうや。」

「悪りぃな。俺もお前らからの頼みなら何でも聞くけぇ。今回はよろしく頼むわ。」

「任せとけぇ。それじゃあ、早速狩に行くか。」

「おう!」
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