【完結】彼女が18になった

チャフ

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俺の口吸い彼女の甘噛み

★12

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「ね、夏実……」

 自ら込み上げてくるこの欲情は勿論、愛おしい彼女の大人な姿に魅せられたからだ。
 そしてその美しい吸血鬼の魅力やセクシーさは、己の性癖を夏実に隠したままにしておきたい等という俺のちっぽけなプライドを崩して、自分でも信じられないような要求を彼女に告げる。

「俺の口から溢れたものも、同じように夏実の舌や唇で舐め取って」
「えっ?」

 当然の事ながら、夏実は驚きの声を上げた。

「静華に俺の事を相談してたんだろう? ヘアメイクしてもらった時に聞いたよ」

 彼女のゆる巻きの髪を指に絡めながら、俺はまた優しい口調で発言の理由を話すと、彼女の耳が赤く染まっていく。

「……」
「夏実はいつも俺の首や鎖骨が綺麗だって褒めるだろ? だから俺の綺麗な部分に夏実は触れたいと思っていて、俺もその事に気付いている」

 無言でいる彼女の顔を確認すると、うっすらと涙が滲んでいて目の全体が真っ赤になっていた。

「それなのに、俺は可愛い夏実の欲している行為を拒絶するような態度ばかり取ってしまっていたから……だから申し訳ないって思っているよ」
「……」
「今までごめんな、本当は嫌じゃないんだ。可愛い夏実にそういう事されるのが恥ずかしくて、照れ臭かっただけだから」

 俺は彼女の頭を撫でて、目尻に溜まって今にもこぼれ落ちそうな夏実の涙を唇での吸い付きで食い止めてから……もう一度彼女に

「溢したワイン全部舐め取って……好きなだけ俺に触って」

 そう言って自分の首にかけられていたスカーフを剥ぎ取りワイシャツのボタンも開け……俺の弱点ともいえる身体の部位を夏実の前に晒した。

「……本当に、いいの?」

 対面座位をする時のように胡座をかいている俺の上に夏実は乗っかり、確認を意味する言葉を一度だけ俺にかけた後で……。

「んっ」

 俺が夏実に2度してやった行為と同じ事を、俺の口の端から顎へと舌を這わし、首筋を通って鎖骨の辺りまで舌や唇を動かした。

「っあ……」

 夏実の可愛いピンク色の舌が、俺の首から鎖骨にかけてゆっくりと往復していく。

「ああっ……っく…………」

 久しぶりの感覚が、己の身へと伝わる。

 そのたどたどしくチロチロと動くそのさまは夏の夜に一度だけ口付けられた感触とも、かつての疑似恋愛中に求めた女の愛撫とも違っていて

「っはあっ……ああぁ」

 あの時よりも、情けない声ばかりが口から自然と出てきた。

「湊人……?」
「はあっ ……はあっはあっ……はあっ」

 夏実が一旦顔をあげて、不思議そうな表情で俺の顔を見つめる。
 恐らく目を開けたまま情けなく喘ぎ今も荒々しい呼吸しか出来ないでいる男の様子に驚いているんだろう。

「おっきいのが……当たってる……」

 しかも、恥ずかしそうに伏せ目がちにしながらそんな事を呟かれて余計にこっちは恥ずかしい。

 情けなくとも男なのだからそうなるのは当然だ。
 ただでさえ大人っぽくセクシーな衣装に身を包んでいる18歳の夏実が、大きく開脚させて俺の身体にのしかかっているのだから。

 レザー調のつやのあるミニスカートは、すでにスカートの意味を成し得てない程にめくれ上がり……その方に視線を下ろさなくても、黒のガーターベルトが俺の股間のすぐ上で晒け出されているのが想像付く。
 そうなれば、たとえ首を舐められていなくたって股間の暴走を抑えるなど不可能というものだ。

 そのくらい今の夏実の姿は少女の抱く恋心の思惑通り、大人っぽくて、セクシーで……。それ以上陳腐な言葉では言い表せないくらい美しくて、尊い存在であると感じる。


「私のコスプレ、湊人に喜んでもらえてるかな?」

 荒々しい呼吸から少し落ち着きを取り戻した俺に夏実は可愛い問いを投げ掛けてきた。

「っふふ」

 俺の快感に反応する姿や声や、股間の硬さまでも感じているはずなのに、夏実は何故そんな言葉を俺にぶつけるのだろうか?
 そう思うと笑いが込み上げてきた。

「笑わないで」

 俺の笑いに夏実はすぐに唇を尖らせて拗ねた声を出していて、その問いが本気である事を俺は知る。
 男の……まして互いに好意を寄せている相手が、「情けない」と感じる程の状態になっているというのに、それでも信用できないのだろうか?

「だって、笑っちゃうよ。夏実の事が大好きで愛してるとまで言っている俺が、喜ばないとでも思う?」

 片手を後ろにつき、もう片方の手で夏実の頰に触れながらまた笑ってみせると

「女の子は、態度よりも言葉が欲しいんだもん」

 唇を尖らせるのを止めることなく、まだ拗ねている。
 そんな夏実の態度が、美しく尊い外見に見合わず可愛い小動物のようでいて……俺の心を余計にときめかせた。

「ふふっ、そうだよな『言わなくても分かるだろう』なんて男の都合でしかないよな」
「言わなきゃわかんない事だってあるもん。女の子は確信を持ちたいんだもん」
「夏実の言う通りだ」

 俺は軽く頷いて納得し、夏実の目かららさず、真面目に己の想いを真っ直ぐにぶつけてみた。

「いつも以上に綺麗で、大人っぽくて、すごくセクシーだよ夏実。
 夏実が一回りも歳上の俺と対等な気持ちで触れ合いたいんだなって……そういう気持ちが凄くよく伝わる。その気持ちが凄く嬉しいし、愛おしく感じるよ」
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