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Chapter13:新しい年を迎えて……それから
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1月3日、新年を迎えての初デートは有名な神社での初詣だった。
「神社って、緑いっぱいで神聖な感じがするよね」
「そうだよねぇ。街中とは思えない特別感があるよね」
2人で手を繋ぎながら大きな鳥居をくぐり、境内を静かに歩いていく。
駅から神社に向かっての道のりは高層ビルが立ち並んでいて都内らしさがあったのに、鳥居をくぐったら一気に自然豊かな木々が立ち並んでいて別世界に迷い込んだ雰囲気があるし、外の空気もキリッと清んでいるような感覚がある。
(神社って初詣くらいしか来たことないけど良いもんだなぁ……)
初詣だけじゃなく、通常デートに寺社参拝するのも素敵なんだろうなって思っちゃう。
(都内には有名な寺社たくさんあるだろうし、後で色々調べてあおくんを誘ってみようかなぁ)
今日はデートする時間があんまり取れなくて参拝が終わったら解散しなくちゃいけないんだけど、これからのデートプランを考えるきっかけが出来たと、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
(今日の為にあおくんはこの神社の事をいっぱい調べてくれたんだもんっ! 次は私が調べてあおくんに楽しんでもらう番だよねっ!!)
手水舎の前は行列。結構待たなきゃいけなくて、人気っぷりが伺えたけど……
「あっ、もしかして花手水?」
手水を待つ女性が口々に「お花」とか「映えそう」とか話しているのを耳にして、何故これほどまでに人気なのかピンと来てしまった。
「はなちょうず? なぁに? それ」
耳慣れないワードだったらしく、あおくんが首を傾げたので
「手水って、お清めに手や口を濯ぐ場所でしょ? そのお水のところにね、たくさんのお花を浮かべているのを花手水って言うんだよ」
と、説明してあげた。
「お花いっぱい浮かべてるの?」
「うん。由来は別の地域の神社だったかお寺だったか……参拝客へのおもてなしにと始めたものだった気がするよ。最近SNSで話題になっているんだよ」
「そうなんだぁ~はな、物知りだね」
あおくんはすごく感心してくれたんだけど
「私はたまたまSNSで知っただけだから」
実際花手水にめちゃくちゃ詳しいわけでもないから照れながら謙遜するしかない。
「SNSできっかけでも知っていたのがすごいよ! 俺、ほとんどSNS観ないから」
「そう?」
私としては「褒められるほどの事でもない」って気持ちでいるんだけど
「うん、はなと一緒に過ごしているとさ。知見が広がるんだよね♪ はなを通して色んな事を知れてすごく楽しいし、ありがたいって思うんだよ」
あおくんの丁寧な心遣いに嬉しくなるし
(あおくんの優しさ、見習わなくちゃ)
確かに私だって、彼の細やかな優しい気持ちから学ぶことがたくさんあったなぁって振り返る。
「花手水、もうすぐ順番くるね」
あおくんは背が高いから、もう手水舎のお花の様子が見えているらしく、目を輝かせている。
「ねぇねぇあおくん、お花、どんな風になっているの?」
一方私が背が低くて全然見えないから、あおくんに教えてもらおうと彼を見上げたんだけど
「えへへ~♡ 順番来るまで内緒♪」
と、イジワルされてしまった。
「え~? もうすぐ順番だもん、教えてくれても良いのにぃ」
「もうすぐ順番だからだよ。まだ見えてないはなにはサプライズがあった方が楽しくない?」
彼には優しさもあるけど、ちょっとだけそういう部分もある。
「……んもうっ」
ちょっとだけ悔しいけど、そのイジワルも私への楽しみとして敢えてやっている事ならば……と、甘んじて受けることにした。
(確かにサプライズあった方が楽しいし、知るも知らないもたった数分の違いだもんね)
優しさもイジワルも、あおくんの魅力。
それは去年の春からずっと変わらないし、きっとこの先も変わらず私を楽しませてくれるんだろうなって思ったんだ。
「神社って、緑いっぱいで神聖な感じがするよね」
「そうだよねぇ。街中とは思えない特別感があるよね」
2人で手を繋ぎながら大きな鳥居をくぐり、境内を静かに歩いていく。
駅から神社に向かっての道のりは高層ビルが立ち並んでいて都内らしさがあったのに、鳥居をくぐったら一気に自然豊かな木々が立ち並んでいて別世界に迷い込んだ雰囲気があるし、外の空気もキリッと清んでいるような感覚がある。
(神社って初詣くらいしか来たことないけど良いもんだなぁ……)
初詣だけじゃなく、通常デートに寺社参拝するのも素敵なんだろうなって思っちゃう。
(都内には有名な寺社たくさんあるだろうし、後で色々調べてあおくんを誘ってみようかなぁ)
今日はデートする時間があんまり取れなくて参拝が終わったら解散しなくちゃいけないんだけど、これからのデートプランを考えるきっかけが出来たと、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
(今日の為にあおくんはこの神社の事をいっぱい調べてくれたんだもんっ! 次は私が調べてあおくんに楽しんでもらう番だよねっ!!)
手水舎の前は行列。結構待たなきゃいけなくて、人気っぷりが伺えたけど……
「あっ、もしかして花手水?」
手水を待つ女性が口々に「お花」とか「映えそう」とか話しているのを耳にして、何故これほどまでに人気なのかピンと来てしまった。
「はなちょうず? なぁに? それ」
耳慣れないワードだったらしく、あおくんが首を傾げたので
「手水って、お清めに手や口を濯ぐ場所でしょ? そのお水のところにね、たくさんのお花を浮かべているのを花手水って言うんだよ」
と、説明してあげた。
「お花いっぱい浮かべてるの?」
「うん。由来は別の地域の神社だったかお寺だったか……参拝客へのおもてなしにと始めたものだった気がするよ。最近SNSで話題になっているんだよ」
「そうなんだぁ~はな、物知りだね」
あおくんはすごく感心してくれたんだけど
「私はたまたまSNSで知っただけだから」
実際花手水にめちゃくちゃ詳しいわけでもないから照れながら謙遜するしかない。
「SNSできっかけでも知っていたのがすごいよ! 俺、ほとんどSNS観ないから」
「そう?」
私としては「褒められるほどの事でもない」って気持ちでいるんだけど
「うん、はなと一緒に過ごしているとさ。知見が広がるんだよね♪ はなを通して色んな事を知れてすごく楽しいし、ありがたいって思うんだよ」
あおくんの丁寧な心遣いに嬉しくなるし
(あおくんの優しさ、見習わなくちゃ)
確かに私だって、彼の細やかな優しい気持ちから学ぶことがたくさんあったなぁって振り返る。
「花手水、もうすぐ順番くるね」
あおくんは背が高いから、もう手水舎のお花の様子が見えているらしく、目を輝かせている。
「ねぇねぇあおくん、お花、どんな風になっているの?」
一方私が背が低くて全然見えないから、あおくんに教えてもらおうと彼を見上げたんだけど
「えへへ~♡ 順番来るまで内緒♪」
と、イジワルされてしまった。
「え~? もうすぐ順番だもん、教えてくれても良いのにぃ」
「もうすぐ順番だからだよ。まだ見えてないはなにはサプライズがあった方が楽しくない?」
彼には優しさもあるけど、ちょっとだけそういう部分もある。
「……んもうっ」
ちょっとだけ悔しいけど、そのイジワルも私への楽しみとして敢えてやっている事ならば……と、甘んじて受けることにした。
(確かにサプライズあった方が楽しいし、知るも知らないもたった数分の違いだもんね)
優しさもイジワルも、あおくんの魅力。
それは去年の春からずっと変わらないし、きっとこの先も変わらず私を楽しませてくれるんだろうなって思ったんだ。
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