大精霊に愛されて

鬼灯

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健やかな寝息をたてるサーシャに、イザヤは満足げだった。
愛を返してもらえた。
それが、こんなにも嬉しいとは。




「幸せにする」




そう囁くイザヤは、幸せそうに微笑んでいた。
眠るサーシャに、口付ける。
そして、ゆっくりと部屋を後にした。




「もう、幸せですわ.........」



そう囁くサーシャは、ほんのり赤くなっていた。深い眠りから、浮上していたサーシャはイザヤの声が聞こえ、柔らかな感触がした。





(また、口付けされたわ)




サーシャは嬉しくなった。イザヤのそれは、まさしく愛情表現だからだ。




(嬉しい)




頬を染めながら、サーシャは思う。
幼少の頃に出会ったイザヤは、サーシャにとって初恋の相手であった。その為か、警戒心が緩くなっていた。そこへ、真っ直ぐな想いをぶつけれて、揺さぶられ、心に染み込んだのだ。




(イザヤ様…………)




ほうと息をつく。





(眠ろう)




いい夢が、見られそうだ。そう想いながら、瞳を閉じた。
柔らかな表情をした、サーシャが幸せそうに微笑んでいた。










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