転生魔王と転生勇者

十六夜

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ハンナの休日

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「んっ、んうぅ。」

「フフッ、可愛い。」

私はハンナ。ここではハンナ・イーシェンと名乗っているわ。イシュメールいえ、メールの側仕えとして、最初は過ごしていたけど、最終的には結婚した。あの、馬鹿王がどんなことを言うか知らないけど、他の方は祝福してくれるわよね?今日はサプライズの為にメイド服を着ているの。

「あ、、、ハンナ?」

「そうですよイシュメール様、おはようございます。」

「、、、おはよ。」

隣で寝起きの可愛い顔を見せる夫に対し、ちょっとしたイタズラをしたくなった。 幻影魔法をこの部屋にかけ、あの部屋にした。

「イシュメール様、父上様がお呼びです。」

「何!あの!あのクソ親父が!ハンナ!大丈夫かい?何かされてない?脅迫とか!いや、きっとされている。こっちでは数ヶ月しか過ぎて無いんだ、きっと君を見つけて、、、、。」

メールの慌てようは以外だった、私の為にと思うと嬉しいが、さっきから殺すだの、報いを受けさせるだの、不穏な単語が聞こえてくる。
流石に、親殺しをさせるつもりは無いので、本当の事を伝えた。

「メール、落ち着いて。冗談なの、魔王に私達の居場所はばれてはいないわ。だから、大丈夫。」

「え、、、わかりした。ハンナ、もう大丈夫です。」

彼の背中に抱きつき、落ち着かせる。今更思うけど、正面から抱きつけない私は彼より恥ずかしがり屋なんだろうと思う。

「あと、、、これはどういう状況ですか?」

「フフッ、サプライズです。イシュメール様。」

やっぱりメールは困惑してる。部屋は城の自室。
目の前にはメイド服に身を包んだ私、そう私のサプライズは、、、

「お入りください!」

「「「イシュメール!!!」」」

「母上、クロエ姉さん、エル姉さん!何故?!」

「何故って、息子の顔を見に来てはいけないの?何時から私に貴方はそんな、、、。」

「違います、母上!私はそう言う意味で言ったのではありません!」

(メリー様の下手な演技にもこんなに反応するなんて、
メールも20年だものね。しかし、こんな下手な演技何時もなら簡単に見破るのに。)

「ハンナ?私に対して失礼なこと考えてない?」

「滅相もございません。」

くっ、間が鋭い。

「実はなイシュメール、私達が来たのはお前が成長した姿を見たかったからだ、あとハンナのプレゼントに付き合う為ってこともあるがな。」

「、、、エル姉さん、あの、目の前で泣かれては対応に困るのですが?」

「、、、だって、だって、あの可愛い弟が、こんな、こんな美男子になるなんて。」

「エル、嬉し泣きは解るが、、、しかし、大きくなったな。」

「そうね、私達も本当ならこの子の成長を間近で見れたのでしょうね。」

「でも、今こうして会えました。20年、ハンナと共に過ごした時間も大切ですが、家族がいる時間、それも私に、いえ僕にとって大切な物でした。片時も忘れた事がありません。から箱の葬式なんて忘れたくても忘れられませんからね。」

メールは笑いながらそう言うけど、内心悲しいんだってわかるのは、流石に私だけだろう。

「イシュメールどうしたの?泣きそうだけど」

「えっ?エル姉さん、なぜ?」

「だって、昔からの泣くときの癖が出てる。
手首を触るとき、何時も泣くのを我慢しているとき。」

エル様、恐ろしい。後で他のことも教えてもらいましょ。

「いえね、こんな話をするのも姉さん達からしたら数週間ぶりですが、僕からしたら20年ぶりなもので、少し嬉しくて、、、悲しくて。」

「悲しい?なぜ?」

「、、、母上、僕は昔本当に父上を恨んでいました。勝手に死んだことにされたのは今でも忘れられませんが、個人的には笑い話で終わりです。だから、悲しいんです。わざわざ下手な魔法で気配まで消して扉の裏にいるカリン姉さんと、父上にね。」

「イシュメール、そんなはずはない!」

「そうよ、いくら魔法を使われたって私が気付かないはずがないわ。」

「そうですか?なら、リダクリス(馬鹿笑い)。」

「なっ!なんだ!」

「えっ!いや、キャーーー!!!見るなーー!!」

「ぐぶぁ」 

メールはそう言って、扉に向けてイタズラに使われる魔法を撃ったわ、でも扉に変化は無くて後ろから叫び声が聞こえてきたの。、、、あと男が殴られる音と悲鳴も。

「「「「、、、。」」」」

皆何も言えなくなっていたわ。メールでさえもやれやれといった風な顔を向けているし、メリー様達は
溜め息を吐いているし、まったく。

「「すみませんでした。」」

今は扉で盗み聞きしていた二人がメリー様の前で土下座をさせています。顔を少しでも上げたら殺す、と言った空気まで纏わせて。メール、エル様、クロエ様はひきつった笑顔をしていましたが、私を含めた四人でコソコソと話し合いが始まりました。

「母上ってあんなになるんですか?」

「イシュメール知らなかったのか?」

「だって5年ですよ、5年。それに母上と別れ始めたのは3歳の頃からです。知るわけがないでしょう。」

「そうか、考えたら私達もお前とは5年しか過ごしてないな。」

「まぁ、私は20年以上一緒にいますけどね。」

「、、、ハンナお前とは後できっちり話そうな。」

「確かに、クロエ姉様の言うとおりね。イシュメールに相応しいかきっちり話しましょ。」

「姉さん、僕のパートナーにそれは無いでしょう?それに家族の写真はずっと持っていましたよ。
、、、うわっ、色褪せてる。」

そんな雑談を続けていると後ろで大声が響きました。勿論、、、メリーの様のお声です。

「この大馬鹿者が!!!!よりにもよって、禁術で隠れるたぁ、いい度胸じゃぁないか?あっ?
カリン、お前は禁術使えないよな?ふざけているのか?サタン、ここはね人様の家なんだ。ふんっ!」

「ぐぼいぇ!」       

  「ひっ!」エル

「今度やったら!」

「ぎびゅら!」        

 「うわっ、」クロエ

「離婚するよ!」

「ごぶっ!」       

 「これは酷い。」イシュメール

サタンはメリー様から三連続で殴る蹴るを受け、満身創痍の状態でした。まぁ、良い気味です。
カリン様は動かず、声を出さずただメリー様に平伏していました。あのメリー様、本当に怖いんですよね。普段はきちんと叱る、それでいて優しい聖母様のような方なのですが、たまに激怒が本当に怖いんですよ。
最後に見たのは、、、確かカリン様の妊娠中にメイドにちょっかいかけた時ですね。怖いけど、懐かしいわ。それ以降もあったみたいだけどね、まぁ、始めて見たメールとエル様は怯えていたけど。

「メリー様、メリー様とメールが怯えています。」

「えっ?そんな事は無いですよ。」

メールはそう言ってメリー様の後に立つと、抱きついた。

「母上、大丈夫です。僕も、ハンナも、、、一度城に戻りましょ。そうして話しましょう、昔みたいに、、、だから家族で過ごせませんか?」

メリー様は何時もの聖母の様子に戻って、抱きついたメールの頭を撫でていました。

「、、、大きく、大きくなったのね。イシュメール。」

「母上、それでも変わりません。僕は、僕ですから。」

メリー様とメールの中に、私達も入り、抱き合いました。でも、カリン様と馬鹿は何時までたっても平伏しているだけ、空気の温度差が本当に激しい。

「カリン、サタン3秒以内に起きなさい。さもないと、、、」

メリー様の一声で、サタンとカリン様はメリー様の目の前に一瞬で整列しました。こう見ると、国の最高権力者はやっぱりメリー様なんだなーって解りますね。

「サタン、イシュメールの生存は説明してあるわね?」

「はい、禁術で時代を越えたことも城の者及び、軍属には伝えてあります。」

「よろしい、なら説明は不要ね。カリン、」

「ひぁい!」

「貴女はイシュメール、ハンナの結婚を先に戻って各部署に伝えなさい。期限は一時間よ、さぁ行きなさい。」

メリー様が指示を言い終わると瞬時に二人は転移魔法の光に包まれ、消えていきました。

「ふふっ、それじゃ一時間後に戻りましょう。今日は宴よ。」

あぁ、ついに面倒なことになってしまった。
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