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1st season 第一章
015 悪夢
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その日、夜になってもユリアは戻らなかった。
置き手紙があるって言う事は、今は話したく無いって事だろう。
でも、もしもそうしている間に症状が悪化してたら?
うん、やっぱり俺がそばにいて支えるべきだよ。
レイカさんは要塞のメンバーと金鶏亭に住んでるはずだ。
やっぱD級は凄いよな、俺達にはとても払えない。
要塞の部屋は2階の一番奥だった。
コンコン
「こんばんわ、カインです」
コンコン
「こんばんわー、誰かいますかー?」
ガチャリと鍵が外され、扉が開く。
「メルさん、こんばんわ。ユリア居ますか?」
「・・・・・・・・・居る。けど、今は会えない」
奥の方から人の気配がする。
「ダンジョンで何か酷い事があったのはわかります。でも、俺も、部外者にはなれないから。話すべきだと思うんです。ユリアの為に」
「・・・・・・・・・そう。私は会うべきじゃないと思うけど、どうしてもって言うなら入ってもいいわ」
「失礼します」
メルさんのあとに続き部屋に入る。
入り口から続くリビングには誰も居なかった。
何かが軋むような音が微かに聞こえる、鍛錬中かな?
狭い廊下があってメンバーの個室が並んでいるようだった。
風通しが悪いのか、空気が籠もっていて少し頭がくらくらする。
目的の部屋はすぐそこのようだ。
その部屋にドアは無く、カーテンの隙間から中の様子が見えてくる。
「パラライズ!!!」
(っな!?)バクンッ!と心臓が鳴った。
ユリアが、レジーさんとテッドさんに襲われている!?
(ユリアっ!・・・・????????)
ユリアの名を叫び、飛び込もうとするが声が出ない。
指の一本すらピクリとも動かせない。
メルさんがパラライズを唱えたのか?
「安心して。いきなり騒がれたくなかっただけだから。それに、レイプしてるわけじゃないのよ?むしろユリアが求めるから二人が応じているの」
こいつは何を言っているんだ?
とにかく助けなきゃ。
動け、動けっ!
わずか数メートル先、大切なユリアが、今この瞬間にも犯されている。
股ぐらを大きく無様に開かされ、正面からレジーさんが腰を打ち付ける。
「っんひ・・・っあ・・・っあ・・・っんひ・・・っんひ~」
カインが触れたことも無い、見たことすらなかったユリアの性器に他の男のモノが入り込んでいる。
ヌラヌラとしたその異物が出入りする度、ユリアの蜜壺から泡立った体液が押し出される。
両腕は頭の上に真っ直ぐに伸ばされ、テッドさんの両膝に組み敷かれている。
何度も触れてみようとしては思いとどまった美しい乳房。
そのピンクに尖った突端がテッドさんの指で弄ばれている。
乳首をつままれるごとにビクビクと身をクネらせるユリア、その肢体はいたるところが白濁した粘液にまみれていた。
身動き取れぬユリアの口にはテッドさんのペニスが押し込まれ、美しい唇からチロチロと覗く舌が絡みついている。
「イヤラシイでしょ?ああいうこと・・・私もしているのよ?」
妖艶な笑みを浮かべ、メイが語りかける。
16歳の若きオスには堪え難い卑猥な情事。
ユリアが酷い目にあっているのに、カインは自身の男根に集まる血流を感じ、自らの卑しさに憤る。
「もうわかってるでしょ?ユリアが悦んでシてるって。」
行為に耽るユリアの表情に、恐怖や嫌悪は微塵も感じられない。
カインに見せたことの無い淫猥な目つきで男たちと見つめ合っている。
「もしもあなたがあそこに混ざるって言うなら・・・私やレイカの身体も自由にしていいわよ?」
下腹部にメイの手がのびると、硬く怒張するソレをそっと撫ぜた。
初めて目にする婚約者の痴態、オスとしての興奮を抑えきれぬカインは、それだけで果てそうになってしまう。
「ほら?あなたも興奮してるじゃない?」
愛憎、嫉妬、快楽、自噴・・・ぐらぐらと煮え立つ感情、朦朧とするカインにユリアの嬌声がまとわり付く。
「きもじぃ・・・ひもじ・・・いきそう・・・いぎそ・・・」
テッドが身を退き、ユリアの両手をしっかりと押さえつける。
レジーが覆いかぶさり、両の手でユリアの頭をしっかりと固定する。
「ユリアちゃん、ちゃんとオレの目を見ながらイクんだよ?」
フィニッシュに向けペースをあげ、レジーの腰がユリアを打ち付ける。
『パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!』
揺ら揺らと視線の定まらない瞳、閉じきってしまいそうな瞼をなんとか押し上げ、懸命にレジーの目を見つめるユリア。
(くっ、やめろぉ・・・やめてくれぇぇええ)
カインの叫びは声にならない。
「っあぁぁ・・・レジ・・・さ・・・おま・・・んこ・・・イキ・・・ますぅ~・・・」
足首がまっすぐに伸びきり、足の指がぎゅっと絞まる。
レジーを見つめたまま、ユリアがブルブルと震える。
「ユリアちゃん、か~わいい~。今、イってるの?」
「イっ・・・って・・・ます・・・・・おまんこ・・・イって・・・ますぅ~」
「じゃっ、イってるおまんこに中出しするね?」
「はい・・・おまんこに・・・しゃせい・・・くださ・・・」
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
「うっ、出るっ!」
びゅるるっ びゅっ びゅるるるるるるる
「っふぅ~」
レジーの顔がユリアに近づくと、小さな唇からピンクの舌が突き出される。
そのピンクの粘膜をレジーがゆっくりと口に含み、次第に口内を陵辱する。
絶頂の余韻をたっぷりと楽しんだら、ユリアからペニスを引き抜く。
身を起こしたユリアが、体液にまみれたペニスを自らの口で拭ってゆく。
舌先の愛撫にレジーの尻がビクリと震えたそのとき、ユリアの目がカインの姿を捉えた。
「・・・・・・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああっ!」
~~~~~
向かい合わせに置かれた2脚のソファー。
片方にはカインが、もう一方にはユリア、ユリアを挟んでメルとレジー、テッドは木製のダイニングチェアーに腰掛けていた。
シーツで身を包んだだけのユリアは下を向いたままで、カタカタと身を震わせている。
長い沈黙の中で、カインは周囲の想像とは異なる事に腹を立てていた。
この場においてユリアがカインの隣を選ばなかった事にまず腹が立ったのだ。
不貞行為は彼らの間で行われたのであって、共犯者が席を並べるのはなんらおかしくは無い。
だがこの場においてはわずか数十日を共にした彼らでは無く、十六年を共に過ごし、将来を誓いあった自分の隣に座るのがスジでは無いだろうか?
これではまるで自分だけが悪者のようでは無いか?
何故ユリアはこちらに来ない?
脅されているのか?
だがベッドでのユリアは進んで行為に耽っていた。
なぜだ?
ユリアが自らの意思で自分を裏切るはずか無い。
とすれば・・・・クスリか?
クスリで逃れられなくして洗脳している!?
未だ女を知らぬカインにはここまでの推理が限界だった。
答えに至ったカインが周囲の沈黙を破る。
「薬か?ダンジョンで逃げられないユリアを襲ったのか!」
逡巡ののち、沈痛な面持ちでレジーが詫びる。
「すまない、カイン君」
「違うのっ!わたしが我慢出来なくなって、レジーさん達は悪くないっ!」
うつむいていたユリアが飛び起きるようにレジーを庇う。
「・・・なんだよ・・それ」
再びうつむいてユリアがポツリと吐き出す。
「カインに酷いことしちゃったって思ったの。でも、それでもカインと一緒に居たくって」
「だったらなんで出てったんだよ!」
ぎゅっとシーツを握りしめ続く言葉を必死に押し出す。
「息が・・・できないの。まっすぐなカインの目をみちゃったら、どんどん自分が穢らわしく感じて、あたまのなかが真っ黒に塗りつぶされて、動くことも、立っていることもできなくなったの!」
「・・・もう、おれと同じ空気を吸うのすら嫌ってわけか」
「違うのっ!」
「ちがわねーだろ!?そいつらの前では大股開いてアンアン喘いでるのに、俺には肌を見せるのも穢らわしいってか!」
頭の中ではなんとかユリアを許す方法を探しているのに、口をついて出るのはユリアを抉る暴言ばかり。
「カイン、自分で抑えられなくなっているように見える。あまりよくないとは思うが手を出させてもらうよ。キュアー!!!」
グルグルと渦巻いていた憤りがスッと引いてゆく。
と、怒りに抑えつけられていた別の思いが表層化してくる。
「ユリアがダンジョンに行ってる間、ずっと心配だったんですよ。怪我をしていないか、まさか死んじゃったりしないよなって・・・錬金骨子の治療はもの凄い激痛の連続だって言われたのに、その痛みもわからないくらいずっと心配で・・・この腕の為にユリアが命がけで戦ってて、要塞の皆さんも赤の他人の俺にこんなに良くしてくれて・・・腕が治ったとき・・・ユリア、自分のこと以上に喜ぶんだろうなぁ~って思って」
涙声になったカインがぎゅっと目を瞑る。
「ユリアが帰ってきて、すごく嬉しくて、おかえりって抱きしめたら倒れちゃって、一瞬死んじゃったかと思って、気がついても病人みたいで、申し訳なくて、ほんとうに申し訳なくて・・・でも・・・全部俺の勘違いだったんですね」
すっとカインが立ち上がる。
「帰ります」
「嫌っ!いかないでっ!わたし、カインが好きなの。カインだけが好きなの!」
カインの胸が締め付けられる。
今、手を差し出したら、ユリアは握ってくれるのだろうか?
このままこの部屋を出たら、16年の思いは断ち切られる。
自分が許せば、きっとユリアとの未来は守られる。
縋るように立ち上がるユリアからシーツが剥がれ落ち・・・女神のような裸体がさらされる。
美しい太腿に走る、一筋の白い液体がカインの目に留まった。
「ユリア・・・俺、ずっと我慢してたんだ。愛されてないんじゃない、拒絶されてるんじゃない、そう自分に言い聞かせて・・・でも、もう、とても思えないよ」
「カインっ!」
「気づいてないと思うけど、俺の腕、治ったんだぜ?ありがとな。あと、どいつのか知らないけど、ザーメンたれてるよ」
置き手紙があるって言う事は、今は話したく無いって事だろう。
でも、もしもそうしている間に症状が悪化してたら?
うん、やっぱり俺がそばにいて支えるべきだよ。
レイカさんは要塞のメンバーと金鶏亭に住んでるはずだ。
やっぱD級は凄いよな、俺達にはとても払えない。
要塞の部屋は2階の一番奥だった。
コンコン
「こんばんわ、カインです」
コンコン
「こんばんわー、誰かいますかー?」
ガチャリと鍵が外され、扉が開く。
「メルさん、こんばんわ。ユリア居ますか?」
「・・・・・・・・・居る。けど、今は会えない」
奥の方から人の気配がする。
「ダンジョンで何か酷い事があったのはわかります。でも、俺も、部外者にはなれないから。話すべきだと思うんです。ユリアの為に」
「・・・・・・・・・そう。私は会うべきじゃないと思うけど、どうしてもって言うなら入ってもいいわ」
「失礼します」
メルさんのあとに続き部屋に入る。
入り口から続くリビングには誰も居なかった。
何かが軋むような音が微かに聞こえる、鍛錬中かな?
狭い廊下があってメンバーの個室が並んでいるようだった。
風通しが悪いのか、空気が籠もっていて少し頭がくらくらする。
目的の部屋はすぐそこのようだ。
その部屋にドアは無く、カーテンの隙間から中の様子が見えてくる。
「パラライズ!!!」
(っな!?)バクンッ!と心臓が鳴った。
ユリアが、レジーさんとテッドさんに襲われている!?
(ユリアっ!・・・・????????)
ユリアの名を叫び、飛び込もうとするが声が出ない。
指の一本すらピクリとも動かせない。
メルさんがパラライズを唱えたのか?
「安心して。いきなり騒がれたくなかっただけだから。それに、レイプしてるわけじゃないのよ?むしろユリアが求めるから二人が応じているの」
こいつは何を言っているんだ?
とにかく助けなきゃ。
動け、動けっ!
わずか数メートル先、大切なユリアが、今この瞬間にも犯されている。
股ぐらを大きく無様に開かされ、正面からレジーさんが腰を打ち付ける。
「っんひ・・・っあ・・・っあ・・・っんひ・・・っんひ~」
カインが触れたことも無い、見たことすらなかったユリアの性器に他の男のモノが入り込んでいる。
ヌラヌラとしたその異物が出入りする度、ユリアの蜜壺から泡立った体液が押し出される。
両腕は頭の上に真っ直ぐに伸ばされ、テッドさんの両膝に組み敷かれている。
何度も触れてみようとしては思いとどまった美しい乳房。
そのピンクに尖った突端がテッドさんの指で弄ばれている。
乳首をつままれるごとにビクビクと身をクネらせるユリア、その肢体はいたるところが白濁した粘液にまみれていた。
身動き取れぬユリアの口にはテッドさんのペニスが押し込まれ、美しい唇からチロチロと覗く舌が絡みついている。
「イヤラシイでしょ?ああいうこと・・・私もしているのよ?」
妖艶な笑みを浮かべ、メイが語りかける。
16歳の若きオスには堪え難い卑猥な情事。
ユリアが酷い目にあっているのに、カインは自身の男根に集まる血流を感じ、自らの卑しさに憤る。
「もうわかってるでしょ?ユリアが悦んでシてるって。」
行為に耽るユリアの表情に、恐怖や嫌悪は微塵も感じられない。
カインに見せたことの無い淫猥な目つきで男たちと見つめ合っている。
「もしもあなたがあそこに混ざるって言うなら・・・私やレイカの身体も自由にしていいわよ?」
下腹部にメイの手がのびると、硬く怒張するソレをそっと撫ぜた。
初めて目にする婚約者の痴態、オスとしての興奮を抑えきれぬカインは、それだけで果てそうになってしまう。
「ほら?あなたも興奮してるじゃない?」
愛憎、嫉妬、快楽、自噴・・・ぐらぐらと煮え立つ感情、朦朧とするカインにユリアの嬌声がまとわり付く。
「きもじぃ・・・ひもじ・・・いきそう・・・いぎそ・・・」
テッドが身を退き、ユリアの両手をしっかりと押さえつける。
レジーが覆いかぶさり、両の手でユリアの頭をしっかりと固定する。
「ユリアちゃん、ちゃんとオレの目を見ながらイクんだよ?」
フィニッシュに向けペースをあげ、レジーの腰がユリアを打ち付ける。
『パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!』
揺ら揺らと視線の定まらない瞳、閉じきってしまいそうな瞼をなんとか押し上げ、懸命にレジーの目を見つめるユリア。
(くっ、やめろぉ・・・やめてくれぇぇええ)
カインの叫びは声にならない。
「っあぁぁ・・・レジ・・・さ・・・おま・・・んこ・・・イキ・・・ますぅ~・・・」
足首がまっすぐに伸びきり、足の指がぎゅっと絞まる。
レジーを見つめたまま、ユリアがブルブルと震える。
「ユリアちゃん、か~わいい~。今、イってるの?」
「イっ・・・って・・・ます・・・・・おまんこ・・・イって・・・ますぅ~」
「じゃっ、イってるおまんこに中出しするね?」
「はい・・・おまんこに・・・しゃせい・・・くださ・・・」
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
「うっ、出るっ!」
びゅるるっ びゅっ びゅるるるるるるる
「っふぅ~」
レジーの顔がユリアに近づくと、小さな唇からピンクの舌が突き出される。
そのピンクの粘膜をレジーがゆっくりと口に含み、次第に口内を陵辱する。
絶頂の余韻をたっぷりと楽しんだら、ユリアからペニスを引き抜く。
身を起こしたユリアが、体液にまみれたペニスを自らの口で拭ってゆく。
舌先の愛撫にレジーの尻がビクリと震えたそのとき、ユリアの目がカインの姿を捉えた。
「・・・・・・・・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああっ!」
~~~~~
向かい合わせに置かれた2脚のソファー。
片方にはカインが、もう一方にはユリア、ユリアを挟んでメルとレジー、テッドは木製のダイニングチェアーに腰掛けていた。
シーツで身を包んだだけのユリアは下を向いたままで、カタカタと身を震わせている。
長い沈黙の中で、カインは周囲の想像とは異なる事に腹を立てていた。
この場においてユリアがカインの隣を選ばなかった事にまず腹が立ったのだ。
不貞行為は彼らの間で行われたのであって、共犯者が席を並べるのはなんらおかしくは無い。
だがこの場においてはわずか数十日を共にした彼らでは無く、十六年を共に過ごし、将来を誓いあった自分の隣に座るのがスジでは無いだろうか?
これではまるで自分だけが悪者のようでは無いか?
何故ユリアはこちらに来ない?
脅されているのか?
だがベッドでのユリアは進んで行為に耽っていた。
なぜだ?
ユリアが自らの意思で自分を裏切るはずか無い。
とすれば・・・・クスリか?
クスリで逃れられなくして洗脳している!?
未だ女を知らぬカインにはここまでの推理が限界だった。
答えに至ったカインが周囲の沈黙を破る。
「薬か?ダンジョンで逃げられないユリアを襲ったのか!」
逡巡ののち、沈痛な面持ちでレジーが詫びる。
「すまない、カイン君」
「違うのっ!わたしが我慢出来なくなって、レジーさん達は悪くないっ!」
うつむいていたユリアが飛び起きるようにレジーを庇う。
「・・・なんだよ・・それ」
再びうつむいてユリアがポツリと吐き出す。
「カインに酷いことしちゃったって思ったの。でも、それでもカインと一緒に居たくって」
「だったらなんで出てったんだよ!」
ぎゅっとシーツを握りしめ続く言葉を必死に押し出す。
「息が・・・できないの。まっすぐなカインの目をみちゃったら、どんどん自分が穢らわしく感じて、あたまのなかが真っ黒に塗りつぶされて、動くことも、立っていることもできなくなったの!」
「・・・もう、おれと同じ空気を吸うのすら嫌ってわけか」
「違うのっ!」
「ちがわねーだろ!?そいつらの前では大股開いてアンアン喘いでるのに、俺には肌を見せるのも穢らわしいってか!」
頭の中ではなんとかユリアを許す方法を探しているのに、口をついて出るのはユリアを抉る暴言ばかり。
「カイン、自分で抑えられなくなっているように見える。あまりよくないとは思うが手を出させてもらうよ。キュアー!!!」
グルグルと渦巻いていた憤りがスッと引いてゆく。
と、怒りに抑えつけられていた別の思いが表層化してくる。
「ユリアがダンジョンに行ってる間、ずっと心配だったんですよ。怪我をしていないか、まさか死んじゃったりしないよなって・・・錬金骨子の治療はもの凄い激痛の連続だって言われたのに、その痛みもわからないくらいずっと心配で・・・この腕の為にユリアが命がけで戦ってて、要塞の皆さんも赤の他人の俺にこんなに良くしてくれて・・・腕が治ったとき・・・ユリア、自分のこと以上に喜ぶんだろうなぁ~って思って」
涙声になったカインがぎゅっと目を瞑る。
「ユリアが帰ってきて、すごく嬉しくて、おかえりって抱きしめたら倒れちゃって、一瞬死んじゃったかと思って、気がついても病人みたいで、申し訳なくて、ほんとうに申し訳なくて・・・でも・・・全部俺の勘違いだったんですね」
すっとカインが立ち上がる。
「帰ります」
「嫌っ!いかないでっ!わたし、カインが好きなの。カインだけが好きなの!」
カインの胸が締め付けられる。
今、手を差し出したら、ユリアは握ってくれるのだろうか?
このままこの部屋を出たら、16年の思いは断ち切られる。
自分が許せば、きっとユリアとの未来は守られる。
縋るように立ち上がるユリアからシーツが剥がれ落ち・・・女神のような裸体がさらされる。
美しい太腿に走る、一筋の白い液体がカインの目に留まった。
「ユリア・・・俺、ずっと我慢してたんだ。愛されてないんじゃない、拒絶されてるんじゃない、そう自分に言い聞かせて・・・でも、もう、とても思えないよ」
「カインっ!」
「気づいてないと思うけど、俺の腕、治ったんだぜ?ありがとな。あと、どいつのか知らないけど、ザーメンたれてるよ」
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